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変わらない変われない  作者: 野村夜長
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1/6

変わる、変わらない

1話1話は短めの不定期更新ですがよろしくお願いします。





「ねえ、美花。私と付き合わない?」





梅雨の始まりを告げるような、雨が降るその日、



私は先輩に、雨なんて似合わないその先輩に、



私にはふさわしくない、その言葉で告白された。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




高校に入ったら何かが変わると思っていた。

でも、なにも変わらなかった。


授業を受け、友達と過ごしその日が終わる。



「何も変わらない…」


5月になりGW明けに、少し暑くなってきたせいか眠れずに余計なことを考えてしまう。


『美花ってさ、俺のこと別に好きじゃなかったんだろ?』


GW前に中学時代に告白されて付き合っていた彼氏に言われた言葉が今だに耳に残っている。


その彼氏にはその時にフラれてしまったがそれはしょうがないことだと思う。

私は人を愛することを忘れてしまった。


なぜ、人は人を好きになるのか。

中学時代はあんなにも愛に囲まれていたのに。

それがもうわからない。





夏の暑さが少しずつ近づいているその日は、やけに暑かった。

放課後、特に部活にも入っていない私はこの暑さの中、帰るのにうんざりしていた。

学校を出るのに出来るだけ日陰を通って校門の方に向かっていると声をかけられた。



「そこの1年生さん。外は暑いでしょう?こちらで一緒に涼みましょう。」


その古風な建物の縁側から長くきれいな髪をなびかせている人が手招きをしている。

周りを見渡したが自分しかいないのでおそらく私に言っているのだろう。

制服のリボンは青色をしており、2年生ということがわかる。

おそらくこの先輩も私の緑のリボンを見て1年生と判断したのだろう。



普段だったらきっと断って帰っていたのかもしれないがその先輩の不思議な魅力に引かれてお邪魔することにした。


しかし、普段はこの辺りに来ないので学校にこんな建物があるのは知らなかった。


玄関から入ると先程の先輩が出迎えてくれた。


「ようこそ、茶道部へ。部長の花村 双葉です。」


その声、仕草、立ち姿全てがあまりにも高校生とは思えないほど落ち着いており見惚れてしまい、数秒の沈黙ののちに我に返り自己紹介をする。


「あ、はじめまして!1年の相馬 美花です。お邪魔します。」


「ふふ、緊張しなくていいのよ。外は暑かったでしょう?中で休みましょう。」



建物の中は人の気配がなく、部員は先輩だけなのだろうか。


部屋に通されてからは当たり障りのない話を日が傾くまでした。

茶道部には数人部員がいるらしくその日、その日の予定によって来たり来なかったりするらしい。


今日は副部長とゆっくりお茶を飲んで過ごす予定だったがドタキャンされ途方に暮れていたところに私が通りかかったらしい。



「あら、もうこんな時間」


部屋が暗くなってきており日がいつの間にか傾いていた。


「今日はありがとうございました。あんな日差しのなか帰るのにうんざりしていたのでとても嬉しかったです。」


日が傾き暑さも和らいだこの時間帯にはストレスもなく帰れるであろう。



「いいえ、私も1人で寂しかったから…それに…いいえ、また気が向いたときにでも立ち寄ってちょうだい。冷たいお茶とお菓子を用意して待っているわ。」


確かにここで頂いたお菓子はどれも高そうで美味しかった。


「はい、是非寄らせて頂きます。」


そう言い、部室を後にしたが恐らく私がここを訪れることはないだろう。

先程の言葉は社交辞令でわざわざ足を運ぶほど魅力的ではなかった。





それから1週間が経った。

その日は特別暑くもなく過ごしやすい陽気だった。



「あら、また来てくれたのね?」


気がつくと私は茶道部の建物の前にいて、あの優しい先輩が私を先週と同じように迎え入れてくれた。



お読み頂きありがとうございます。

コメディが好きですがこの話は抑えてます。

色々、書きたい題材があるのですが時間がなくて辛い現実です。

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