第八章:「沈黙に与えられた名」
声の主は、地面に横たわっていた若様、ピエトロだった。彼はまだ目を完全には開けておらず、今しがた目覚めたばかりだった。皆が安堵と、彼が何を言ったのかを理解しようとする表情でピエトロを見ている中、ニコが尋ねた。
「何をご存じなのですか、若様?」
「……名前だ。遊牧民の名前を探していたんだろう? いくつか知っている。」
ピエトロはその場でゆっくりと身を起こそうとしながら言った。
彼が起き上がろうとしているのを見たガッロは、ピエトロへ手を差し伸べながら言った。
「若様、どうかご無理はなさらず。」
ピエトロが片手でガッロの助けを断り、少しだけ上体を起こすと、バスティアンが安堵し、少し冗談めかした声で言った。
「若様、今、遊牧民の名前をご存じだとおっしゃいましたかな?」
ガッロも、バスティアンの言いたいことを理解したのだろう。同じ調子で言った。
「どうやら若様は、本当に授業を聞いておられたようだ。」
「ははは、実に面白いな……」
ピエトロは軽い皮肉を込めて言った。
「何かお考えがあるのですか、若様?」
バスティアンが尋ねた。
「いい質問だ……少し考えさせてくれ。」
ピエトロは目の端で、焚き火の向こうに座り、まばたきもせず自分を見つめている遊牧民を見た。その視線が一秒ごとに増していくような圧の中、彼は自分の答えにあまり自信がないことが声色から分かる調子で言った。
「アセナはどうだ?」
「アセナ?」
ガッロが言った。
「ああ、アセナだ。間違っていなければ、“獅子”という意味だったはずだ。」
ピエトロはかなり自信ありげな声で答えた。
その言葉の後、皆はその名を気に入ったかどうか確かめるため、一斉に遊牧民へ視線を向けた。
「アセナは、雌獅子という意味だ。女の名だ。」
彼は静かな声で答えた。
その返答の後、ピエトロの顔は驚きと恥ずかしさが入り混じったまま固まった。他の者たちは、若様を笑わないように必死でこらえ、手で口を覆っていた。焚き火のそばにそれまで漂っていた張り詰めた空気は、押し殺そうとしても明らかに隠しきれない愉快さへと変わっていた。
「どうやら、それほどよくは聞いておられなかったようですね、若様。」
ガッロは、少しでも真面目な声にしようと努めながら言った。だがその目に宿るいたずらっぽい光は、その真面目さを台無しにするには十分だった。
ピエトロは一瞬、弁明しようとしたが、正しさの前に降参するように両手を広げた。降伏の色を帯びながらも、どこか誠実な声で言う。
「おい、あれだけ授業があったんだぞ。全部覚えていろってほうが無理だろ!」
それから深く息を吐き、頭を後ろへもたせて夜空を見上げた。沈黙は、焚き火の爆ぜる音と共に、しばらく伸びた。ピエトロは先ほどの失敗の重みを振り払おうとするかのように目を細め、考えていた。他の者たちは、若様のその深い思案を邪魔しないように笑いを止め、次に彼の唇からこぼれる言葉を、好奇心をもって待ち始めた。ピエトロは空から視線を下ろさないまま言った。
「ブミンはどうだ?」
まるで、他に何も思いつかなかったかのようだった。
「私の無知をお許しいただけるなら、若様。ブミンの意味を伺っても?」
バスティアンは笑みを浮かべて言った。若様の知識を試すためだった。
「意味は……覚えていない。だが、草原の遊牧民たちを初めてまとめ上げた人物の名だったことは覚えている。」
ピエトロは言った。
ガッロが、ためらいがちな声で口を挟んだ。
「若様、それは少し……」
そう言って言葉を止め、バスティアンを見た。
バスティアンはガッロの言いたいことを理解したように、同じ迷いを含んだ調子でその言葉を続けた。
「少し、重すぎる名ではありませんか。最初の統一者の名とは……」
「部族を初めてまとめるというのは、大きな偉業ですからね。」
ニコが付け加えた。
ピエトロは頑なでありながら、同時に感謝に満ちた声で言った。
「だから何だ? この男は俺たちの命を救ったんだぞ。何十ものオークを相手にしてな。俺は、その名を十分に背負えると思う。」
言い終えると、ピエトロは遊牧民の目をまっすぐ見て尋ねた。
「ブミン……どうだ?」
自分だけの名を得ること。魂の中に広がる果てしない空白を埋めるひとつの言葉を手にすること。その内側の安らぎは、外からはほとんど感じ取れなかったとしても、深いところでは測り知れない喜びを生んでいた。彼はもう、ただの「遊牧民」でも「異邦人」でもなかった。心の闇の中心で掴むことのできる枝、ひとつの身元を得たのだ。この激しい感情の波を前にして、外へ表せたものは、顔に浮かんだ気高い微笑と、短い受け入れの言葉だけだった。
「ブミンでいい。」
その答えを受けたピエトロは、先ほどの気まずさを拭い去るような、誇らしげな声で言った。
「よし。ガッロ、町まではどれくらいだ?」
「はっきりとは分かりません、旦那様。おそらく二日か三日ほどかと。」
ガッロは暗い地平線から目を離さずに答えた。
ピエトロはわずかに顔を上げ、銀貨のように輝く月を見た。夜の静けさは、すでに昼間の混乱を呑み込んでいた。それから最後の言葉を口にした。
「月はまだ高い。朝まで休める。最初の見張りは俺がやる。お前たちは休め。」
ガッロが眉をひそめ、心配そうな声で口を開いた。
「旦那様、見張りは我々が務めるべきで――」
「はいはい。道中ずっと気絶していた俺を運んで、その上、見張りまでやるつもりか?」
ピエトロはガッロの言葉を遮った。断固としていながらも、思いやりを含んだ声だった。
「寝ろと言った。これは命令だ。」
ガッロたち他の者は、若様のその揺るぎない態度を前に、互いに目を見合わせた。ピエトロは肉体的には消耗しているように見えたが、その瞳に宿る揺るがぬ意志は、反論を許さないほど明確だった。彼らは黙って外套にくるまり、武器を傍らに置いて、火の周囲に身を落ち着けた。
ブミンは、休息をあまり必要としていなかった。それでも、一晩中彫像のように目を覚ましたままでいるのは奇妙に見え、疑いを招くと察した。人々の中に紛れるには、彼らのひとりであるかのように振る舞う必要があった。彼は木の幹に背を預け、頭をわずかに前へ垂れて、眠っているように見せた。だがその感覚は、野営地の周囲に起こるどんな小さな物音さえも捉えられるほど鋭く、朝を待ち始めていた。
本作の日本語版は、AI支援による翻訳工程を経て制作され、原文の文体や感情を損なわないよう人の手によって確認・調整されています。




