第十三章:「唸り」
ブミンがユルトの中へ足を踏み入れると、外の乾いて埃っぽい空気に代わって、鋭くも心を落ち着かせるヘンルーダと焦げた杜松の匂いが鼻を満たした。外から見れば粗末に見えるこの古い造りは、中へ入ると驚くほどの静けさを宿していた。中央の炉の中で息絶えかけているいくつかの熾火が、ユルトの天井にある開口部へ向かって細くくねりながら昇る煙を吐いていた。
老人は杖を脇に置き、ゆっくりと炉のそばにしゃがみ込んだ。ブミンはまだ入口の敷居に立ったまま、頭の中のあの一言を噛みしめようとしていた。
「オークに追われなかったのは運が良かったな。」
その言葉は、彼の内側を氷のような寒気で覆った。まるで草原の孤独の中で彼らが踏み出した一歩一歩を、この老人の澄んだ目が最初から記録していたかのようだった。
ピエトロたちは、ブミンの後ろから用心深い足取りで中へ入ってきた。中の薄暗さと、慣れない匂いのせいで、全員の顔が強張っていた。ピエトロは剣の柄から手を離さないままブミンに近づき、低い声で囁いた。
「老人は何と言った?」
ブミンは頭の中に残るあの暗い言葉を脇へ押しやり、同じ低い声で答えた。
「食事を出すそうだ。」
その知らせに、ピエトロの張り詰めていた肩が少し下がり、目には短い安堵が宿った。
「食事? いいな……温かいものなんて、もう何日も食べていない。」
他の者たちが、ようやく温かい一杯を口にできるという考えに静かに喜びを見せる中、ピエトロの目はブミンから離れなかった。若者の顔に浮かぶ、何かに囚われたような硬い不安に気づいていたのだ。ピエトロはブミンの耳元へ身を寄せた。今度の声は、護衛のそれというより、疑念を抱く友人の囁きだった。
「言っていないことがあるだろう? 何を心配している?」
ブミンはピエトロから視線を逸らし、炉のそばで作業している老人へ目を向けた。
「分からない。だが、おそらくすぐに分かる。」
そう言うと、ブミンは脇へ行き、あぐらをかいて座った。
ピエトロは老人から視線を離さぬまま、ブミンの近くへ腰を下ろした。他の者たちも、二人の不安に気づかないまま、その隣に並んで座った。
老人は革の袋から、真っ白で石のように固くなった乾燥チーズをいくつか取り出した。それを重い空気の中、規則的な打撃で砕き始める。響く音は、ユルトの中の張り詰めた沈黙を破る唯一のものだった。粉にした乾燥チーズを炉の上の鍋へ入れると、中には酸味を帯びた濃い乳の匂いが広がった。続いて、甕の底から取り出した燻された肉片を鍋に落とし、腰帯から出した小さな袋から黒胡椒をひとつまみ振りかけた。
ピエトロは炉の前で進むその静かな支度を見つめながら、いつでも剣に手をかけられるほど緊張していた。自分の言葉で、ブミンとガッロにだけ聞こえるほどの声で呟いた。
「この老人が俺たちを毒殺するつもりなら、たぶん人生で一番いい匂いの毒を飲むことになるな。」
老人は匙を鍋の縁に当て、その音を止めた。ゆっくりと顔を上げ、まっすぐピエトロの目を見た。唇には、悪戯っぽく埃をかぶったような笑みが浮かんだ。まるでピエトロの言葉を理解しているかのようだった。老人は、皆が予想していた草原の言葉ではなく、ピエトロたちの言葉で、ある程度はっきりと話した。
「黒胡椒を毒と呼んだのは、お前が初めてではないぞ、若者。」
そして笑い始めた。ユルトの中に響く唯一の音は、老人の笑い声だった。だが他の者たちは、耳にしたことに衝撃を受けていた。
老人が笑うのをやめた時、中に満ちていた緊張は少しだけ薄らいでいた。ピエトロの驚いた眼差しに応えるように、老人は尋ねた。
「お前たちの言葉を知っていることが、そんなに意外か?」
ピエトロはブミンへ振り向いて尋ねた。
「遊牧民は皆、ヴァレス語を知っているのか?」
ブミンはピエトロに向かって肩をすくめ、首を横に振った。彼自身でさえ、つい先ほど名を知ったばかりのこの言葉を、なぜ理解し、話せているのか分からなかった。頭の中に浮かんだもうひとつの疑問は、なぜピエトロたちがこれまで彼に、自分たちの言葉をどうして知っているのか尋ねなかったのかということだった。五日間、彼らは共に歩いてきた。ブミンは彼らの言うことをすべて理解し、冗談にも適切なところで反応していた。もしかすると彼らは、ブミンについて、彼自身の知らない何かを知っているのかもしれない。あるいは、ただ生き延びることに必死で、それを尋ねる考えが浮かばず、そのまま忘れてしまったのかもしれない。あるいは、草原の真ん中で出会ったこの若者の奇妙さを受け入れるほうが、それを問い詰めるよりも容易だったのかもしれなかった。
バスティアンは好奇心に負け、半ば驚いた声で口を挟んだ。
「我らの言葉を、どこで覚えたのです?」
「お前たちの国に近い交易都市で、その言葉を耳にするのは、それほど驚くことではあるまい。」
「個人的には、あまり近いとは言えないと思いますが。」
ガッロが座ったまま落ち着かなげに身じろぎしながら言った。
老人は、鍋で煮え始めた食事をよそうため、脇に重ねられていた椀を取りながら、落ち着いた声で答えた。
「ああ。お前たちは馬もなしに五日も歩いているからな。」
その一言が、ユルトの中の空気を一瞬ですべて吸い尽くした。ブミンが内心で抱いていた疑念とピエトロの不安は、瞬く間に他の者たちへも広がった。この男はただ彼らの言葉を知っているだけではない。彼らがどれほどの間、道中にいたのか、さらには馬を失ったことまで知っていたのだ。
老人が静かな動作で杓子を鍋へ沈めた瞬間、ガッロ、バスティアン、ニコ、ファビオは同時に剣へ手をかけた。金属が鞘から抜ける鋭い音が、狭いユルトの中に響いた。ピエトロは硬い手振りで彼らに止まるよう合図したが、その眼差しは狼のもののように鋭かった。
その時、ブミンはすでに右手を、掌を上に向けて開いていた。その上に素早く形作られていく魔法陣へマナが流れ込み、大地の深みから響いてくるような重い唸り声を上げ始めた。
ユルトの中を満たすその重く揺るがぬ唸りの中、ブミンは老人から目を離さず、いつもよりも深く、真剣な声で尋ねた。
「お前は何者だ?」
本作の日本語版は、AI支援による翻訳工程を経て制作され、原文の文体や感情を損なわないよう人の手によって確認・調整されています。




