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コミュニケーション【PORT24八事店・生桑セガ】

 その一年間は後進の育成と新規の会得に集中し、その中で私は純粋にゲームを楽しんだ。

 ずっと考えていた。

 強さとは尊敬だ。

 ただゲームが上手いというだけで、人はそのプレイヤーに群がる。

 いけ好かない性格で、本来なら声もかけないであろう相性であっても、ゲームの上手さというバイアスがかかると、人は寄っていく。

 ゲームが上手いこと、その努力と成長、それは讃えることだ。

 だがそれで繋がった人間関係は正常と言えるだろうか。

 そこにふんぞり返った、ただゲームが上手いだけのろくでもないやつは、どのゲームの界隈にもいた。

 特に人口の少ないゲームで、そこにしがみついているやつは性格に難があるやつが多い。

 普段の言動やツイッターなどで干されるやつもいる。しかし、それを知らない新規が、この人はゲームが上手い人だと群がっていく。

 初心者狩りをするクズもいる。

 人が少ないゲームだろ? 対戦できるだけありがたいだろ? と善意の顔をして初心者を借ることに躍起になるやつら。

 意識的にせよ、無意識的にせよ、そいつらはゲームの癌だ。

 人を増やす前にそいつらを排除することが人口増加の最短距離だが、残念ながらその権力をもつものなどいない。

 初心者と経験者が円滑にゲームをするには、コミュニケーションしかない。ゲーセンでの会話でもいいし、配信のコメントでもいい、SNS上のやり取りでもいい。

 会話のない格差マッチは、マイナーゲーにおいて、合法的な初心者狩りに過ぎない。

 そうゆうやつらは飽きない。勝てればいい。腕も上がっていく。だからいつまでも居座る。人格に問題があるのだ。

 私のように強者に駆逐されながら、執念をもって向かっていくものだけが、ゲームを続けられる。気軽に楽しむことなどできない。

 私はとにかく八事・生桑勢と会話をした。勝ち負けも当然あるが、ゲーセンに来ること自体が自然で楽しくなるような環境作りに尽力した。

 正直な話、私は勝てた。勝てたから気分がいいからまた来ようと思う。

 過去の私のようにもがかなくてもいい、負けてもゲーセンに来てくれよ。楽しい感じにしとくからさ。

 私は誰かに勝ちたいと思ったことはほとんどない。

 強くなりたかったのは、アリババ勢やトモカを退屈させたくなかったからだ。

 いまもそうだ。多少実力をつけたとして、私より強い奴はいくらでもいるし、初心者を処理していばったりしない。ただ楽しくゲームがしたいだけだ。

 だから自分の成長以上に、他のメンバーに強くなってほしいし、そのためだったら何だって教える。実力で追い越されても別に構わない。次に自分が成長する番になるだけだ。

 だがどれだけきれいごとを並べても所詮格闘ゲームは勝ち負けの世界だ。誰が一番なのか野蛮にも決めたがる。

 そして、今年も『覇王決定戦』の季節がやってきた。


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