# 365. さえずりの都・中編
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少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)
ネイト達は小一時間ほど練習した。
「だいぶ使えるようになってきたぜ!」
「私もー!」
「魔法も慣れてしまえばなんてこと無いわね。攻撃魔法、治癒魔法、強化魔法、弱体魔法一通り覚えたわ。ただ、あたしの呪文はこのグリモアを通してでしか魔素にアクセスできないためか、直接唱えて発動するというわけではないわね」
さすがドクターである。続けて、
「このあたしたちの身体にも魔素が巡っているようで、それが切れると魔法を詠唱しても発動はしないようね。少し休むと回復するようだわ」
皆、何かしらの手応えを持っていたようで、これならスカーベインを倒しに行けそうだと思った。
「わかりました。女王様のところへご案内いたしますね」
とフェアリーがまたパタパタと飛んで先を行く。
「ひとつ、お伝えします。この大宮殿は、私達の案内無く歩くことは出来ません。ある種の迷宮のようになっていて、勝手に歩くとどこに飛ばされるかわかりません。お気をつけを…」
「ひええ、それは最初に言ってほしかったぜ!」
歩くこと数分、再度、女王の間に辿り着いた。
フェアリーが女王に伝える。
「女王様、この者たちが訓練を終えて種発できるようになったと申しております」
「わかったわ、ありがとう。その者たち、疲れたでしょう。食事をしてから出発なさい」
「そうだ!さっきここへ来る時にうまそうな匂いがしていたんだ!」
「ご案内いたします」
フェアリーはパタパタと通路を先導していった。
そして、エヴィの言っていた「うまそうな匂い」のする部屋に案内された。
「そうそう、これだぜ!いい匂いがたまらないぜ!」
「ここは魔法で食事を作っています。いくらでも出てきますので、お好きなものを食べてください」
「いやっほう!」
とエヴィが席に座って、
「それじゃ、頂くぜ!」
と手の届くところにあったチキンを手にとって頬張る。この辺は流石コックと言ったところで、作法はわきまえている。
「むっほ!うまいぞ!皆も食べるんだ!」
と、エヴィに続いて皆も席に座って食べ始めた。
「ほんと、美味しいー!」
「この味は再現できないな…」
「あら、どうして?」
「魔素が絡んでるんだよ。この世界独特の味付け方法だな!」
「はい、そのとおりです。この世界の食べ物全てに魔素が含まれており、休んでいる時以上に失った魔素を直接回復することが出来ます。美味しく感じるのも、あなた方の身体が魔素を欲しているからです」
「逆に言うと、魔素さえ足りていれば食事の必要はないと?」
「そうとも言えます。女王様は強力な魔素回復能力をお持ちなので、ここ数百年何も食事を摂っておりません」
「そしてフェアリー達も魔素で出来ている、ということね。羽ばたく時に撒かれる鱗粉のような粉は魔素そのものね」
「御名答でございます」
「そう言えばよ、スカーベインはどこに居るんだ?」
「それは…お食事が終わり、出発の準備が整ってからお話します」
「そうか。まぁ、今は食えってことだな!」
「今はとにかく、お食事と回復に努めてください。『その時』はすぐに来ます」
「特徴とかも聞けないのか?あらかじめ作戦を立てておきたい」
「申し訳ございません。今はお答えすることは出来ないのです」
「何か事情があるようだな」
「まぁ、食おうぜ!こんなうまいの、滅多に食べられないぜ!」
「ああ、そうだな!エヴィの料理も格別だが、これはこれで美味い!」
ネイト達はひとしきり食べたあと、これから始まるであろう大冒険に心を踊らせた。
「こんなに空気のうまいところは初めてかもしれないぜ!メタルセルの空気循環システムよりずっと良い!」
「そうだね!なによりも日光がちょうどいいね!あんなに輝いているのに、全然眩しくない!」
「ポカポカしていてまるで常春のようね」
「しかし、無いものがひとつだけあります…」
とフェアリーはぽつりという。
「無いもの?」
とキャシーが聞く。
「はい、それは『風』です」
「確かに!風は感じなかったかも!」
「スカーベインはひとつだけ持ち去っていきました。それは『風』です。どんなに美しくても、どんなに住みよくても、風がなくては何も運ぶことが出来ないのです」
「確かに、風で花の花粉を飛ばしたり、種を飛ばしたりするわ。湖や海の波だって、風が起こしているとも言われているわ」
とドクターが推察する。
「なるほど、風がないと色々と不都合が起こるんだな!」
とロニーが言う。
「はい。ですので、スカーベインを倒して『風』を奪い返してほしいのです」
「わかったぜ!オレ達に任せておけ!」
「フェアリー、そろそろ出発しても大丈夫だ」
「わかりました、ではスカーベインのところへご案内します」
「まるで場所を知っているような口ぶりだな」
「道中でお話します」
フェアリーの羽がパタパタはためいて、その道を照らす。
「まず、ここの大宮殿は、わたし達フェアリーの案内がないとすぐに道に迷って永久に出られなくなるということは先程お話ししました。それは女王であっても同じです」
続いて、
「女王は、その膨大な力でここ、さえずりの都を護っています。祈りを、毎日欠かさずにです。しかし、ある日から邪悪な思念が紛れ込んできました。それは女王に吸収され、遂には二面性を持ってしまうまでになってしまったのです」
「それってつまり…」
「はい、女王を…倒してください」
「女王を倒したら、さえずりの都は無くなってしまうんじゃないのか?」
「はい、その後、あなた方の『想像』の力で再びこの世界を構築してほしいのです」
「難しいな…。オレはこんな素晴らしい世界なんて想像できないぜ…」
「その役、わたしがやるわ!」
とアマリアが手を挙げる。アーカイブマスターとしての血が煮えたぎっているのだろう。
「しかしよ!どうやって女王を倒すんだ?」
「このあと、夜になると女王の悪しき面が顔を出してきます。そこを狙って討伐してほしいのです。ですが、女王本体にはできるだけ攻撃しないでください。女王も気付いています。自分が悪しき存在であることを。でも全てじゃない、良い面はまだたくさん残っています…」
と、フェアリーは泣きながらネイト達に懇願した。
「できるだけ、希望に添えるようにやってみよう」
そしてフェアリー達のあとに続いてネイト達はついて行った。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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