# 364. さえずりの都・前編
この度はご愛読ありがとうございます。
お陰様で、24,000PVを突破することができました。
引き続き、一生懸命執筆していきますので、もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。
少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)
その日、楽しい雰囲気で終わった晩食後、皆がテントに入って寝息を立て始めた頃である。
「…もし…」
「……もし……」
最初に「反応」したのはベルダだった。
「何だ?」
その声でロニーが「反応」する。
「どうした?」
「何か呼ばれるような声がしたんだが…」
なんだなんだと、続々と「反応」する。
「え?ここはどこ?」
とキャシーが言うのも無理はない。
皆の目には、一面花畑できれいな青空が広がり、眩しくもなくかと言って暗すぎもしない太陽に照らされた「都」が写っていたのだ。
「なんだこれは?俺達は寝ていたはずだが…」
「それに夜じゃなくて明るいな!」
「こんなほわんほわんした…キャンプかコロニーかわからないけど、そんなのはこの付近には無かったはずよ!」
「ビークルが無い!」
と、周囲の状況整理でいっぱいいっぱいなネイト達に再び「声」が聞こえてくる。
「…もし」
と振り返ると、羽をばたつかせながら中を飛ぶ小さな生き物がこちらの様子を伺っていたのである。
「…フェアリー?」
とドクターは記憶を遡り、その正体を当てた。
「でもあれは御伽話の世界での生き物であって、実在はしないはずだわ!」
そこにフェアリーが言ってくる。
「ここは、想像の産物、『さえずりの都』とも言われています。訳あって、貴方方の意識体をこちらにお招きしました」
「『さえずりの都』!聞いたことがあるわ。どこかにあると言われている理想郷のひとつね!まさかここにあるとは…!」
それにフェアリーが答える。
「『場所』は問題ではありません。さえずりの都はどこにでも存在していて、いつでもあなた達に触れることが出来ます。今回お呼びしましたのは、『想像』が次第に邪悪になって、こちらの世界が崩壊しそうなのを助けてほしいからです!」
続けて、
「詳しくは大宮殿の女王様が教えてくださります。付いてきてください」
フェアリーはパタパタと羽をばたつかせて、恐らく大宮殿があるであろう方向に飛び出した。
「行くしか無いか…」
太陽は照っているが、熱いということはなくむしろ快適だ。地面も、少しフカフカでとても歩きやすい。
「そう言えばよー、元の世界のビークルとか俺達の体はどうなっているんだー?」
「はい、それは、女王様の力で誰からも見えないようにしています。でもそれは女王様の力が減ってしまってはその効力も解けてしまいます」
「なら、急がないとな!」
ネイト達は、フェアリーに導かれて大宮殿の奥へと進んで言った。
「日陰なのに、寒くなく快適だ…」
リコはそう思った。
そして一番奥に、ヒューマノイド型の…おそらくは女王だろう…が立ってこちらを向いていた。
やがて女王の前に到着する。
「女王様、連れてまいりました!」
「ありがとう」
女王は、ネイト達を一瞥すると、
「ようこそ、選ばれし者達よ。フェアリーから大筋のことは聞いていると思います。この世界は今、邪悪な心に支配されようとしています。邪悪な心はモンスターを生み出してこの世界を蹂躙します。それをまとめているのは『スカーベイン』という存在で、それを倒さなければ邪悪な心の侵入を止めることが出来ません」
続けて、
「そこであなた達にスカーベイン討伐をお願いしたく、このさえずりの都へ心を転送させていただきました」
「目的はわかった。が、何故俺達なんだ?」
「それは…、あなた方の心が優しかったからです」
「俺達が?」
「はいそうです。他の人間以上に優しさに溢れかえっていました」
「そうなのか。逆に言うと、そのスカーベインを倒さない限りは元の世界に戻ることは出来ないというわけだな?」
「おっしゃるとおりでございます」
「どうやって倒すんだ」
「はい。…正直言いますと、倒し方はわかりません。といいますか、この世界の法則がスカーベインにより書き換えられてしまっていて、常識が通用しないのです」
「なるほど。自分たちでなんとかしろってことだな!」
「はい。非常に申し訳ないのですがそういうことになります。ですが、装備はここの大宮殿で用意できる最高のものをお使いください」
ネイト達は、用意された装備を自分の感性で選びそして装備した。
「ベルダとアマリアはやっぱりナイフなんだねー」
「使い慣れていおるからな」
「その通り!」
「そう言えば、エッダは?」
「そうだ!エッダがいない!」
「ご心配なく。その方は元の世界でフェアリー達が多重に結界を張って守られています」
と女王。
「そっか、よかった」
と安心するアマリア。ただ、目の見える範囲にいないという不安感がよぎる。
リコはレイピアを選択したようだ。
「わたくしは、これにします」
と早苗は刃先へ向かってわずかに曲がる刀を選んだ。
「私はこれだねー!」
とチェインシックル(くさりがま)を選んだようだ。
困ったのが男性陣とドクター、ロニー。ドクターを除いて、根っからのM.A.C.S.ドライバーである彼らは、生身で戦ったことがない。
「どれがいいんだ?」
「どれを選んでも使い方がわからないぞ」
そう考えているところに女王が、
「でしたら、貴方は盾が良いでしょう。そちらのおふたりはクロスボウが良いかもしれません。ピンクの髪の方は、これを…」
「なるほど、盾か。現実世界と同じくヘイトを集めて守れば良いんだな」
「オレは遠隔攻撃のようだな。この世界では人間装備舞台のほうが活躍するらしいな!」
「あたいも遠隔か!」
「あたしは…スペルキャスター?」
ドクターに渡されたのは杖と呪文の文言が書かれたグリモア(魔導書)だった。
「はい。グリモアを読むだけで効果が現れます。この世界は『魔素』と呼ばれるものに満ちあふれていて、言葉にそれが反応するのです」
「なるほどね。少し練習が必要ね」
「はい。フェアリーが案内してくれます。そこで十分な練習を行った後、また来てください」
「わかった」
ネイト達はフェアリーに大きな部屋に案内される。
そこには練習用の木人人形が並ぶ練習場だった。
「ここで練習をしてください。わからないことがあれば聞いて下さいね」
そう言って、その場でハウリングを始めた。
「やるしか無いか…」
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。
みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。
頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m




