逆らっちゃだめ♡〈side/ラズ〉
メルドナが興奮してる。胸をぎゅっと抱えて必死に耐えてる。初めて見る姿。
「メルドナ、我慢しなくていいよ?」
「だ……だめだラズ……」
「何がだめなの? 旦那様はね、みんな感じさせちゃうの♡ だからね、服を脱いでもっと気持ち良くしてもらお♡」
「なに……言って…………」
目がうるうるしてる。長寿のメルドナをこんなに乱しちゃう旦那様って、やっぱり神にも等しい力を持った方なんだ。
「旦那様、メルドナは私が幼い頃からたくさんお世話になってる恩人なんです。ですから、いっぱい幸せを感じてほしくて」
「そうなんだ。でも、どうしたらいい?」
「メルドナは頑張り屋さんなんです。だから、全身をマッサージしてあげるのはどうかなって」
メルドナは眉を下げて「だめ」って口を動かした。声は出ないみたい。それを私は「して」って言っていることにして、服を脱がしちゃう。
抵抗しない。もう堕ちそうなんだ。
「わあー、すっごくおっきいおっぱい♡ いいな、いいなぁ♡」
「やめ……」
「旦那様、メルドナはきっと肩が凝ってると思います。肩揉みからお願いできますか?」
「それって……ラズがすれば良くない?」
はだけた巨乳から目を反らす旦那様。私がしたんじゃだめなの。貴方様にみんなを屈服させたい。だから直接可愛がっていただくのが一番いいの。
「じゃあ、私は後ろから、旦那様は前からお願いします♡ ふたりで解してあげましょ♡」
この提案には恥じらいながら乗ってくれた。旦那様はまだ本性を出すことに躊躇いが残ってる。だったら、私が援護すればいいよね。
「は~い、もみ、もみ♡」
「んん! や、やめっ……ラズ、だめ……」
旦那様はマッサージをし始めると真剣な表情になった。メルドナは顔を火照らせて、腰を動かし始めた。いい調子、いい感じ。
小瓶から漂う旦那様の匂い。どんどん意識がぼんやりしてきて、ふわふわしてきて気持ちいい。
「……うう……んっ、んん!」
メルドナの声、ちょっと低くて大人の色気。凄く気持ちいいのが伝わってくる。私もむずむずしちゃう。何だか変な気分。
「じゃあ~、今度は首♡」
「待って……だめ……」
旦那様と同時にもみもみ。やっぱりちょっと固い。お仕事がんばってるんだな。
「次は腰ね♡」
「そこはだめっ……やめっ……」
後ろから、もみもみ。前からは旦那様が――。
「いやあっ、だめよ!」
旦那様は顔色を変えず、一心不乱にもみ解す。
「あああっ! 待って!」
メルドナの気持ちよさそうな声が聞けてうれしいな。のけ反って私に体を預けて、腰を突き出して旦那様に擦りつけてるもん。
堕ちちゃってるよね、もう――。
「解れてきた? メルドナの体ぽかぽか♡」
「ラズ……おまえは何を……考えてるんだ」
「私とメルドナで気持ち良くなりたいって考えてるよ。だって私たちサキュバスでしょ?」
抗いたいけど抗えないの、分かるよ。私たち淫魔はえっちなことに逆らえない生き物だから。
「旦那様、どんどんご命令くださいね♡ 私だけじゃなくメルドナも、もう疼いちゃってるみたいです♡」
「……ほんと?」
「はい。メルドナ、そうでしょ?」
ふたりとも雰囲気が変わった。本性のスイッチが入ったんだ。ちゃんと拒否しないメルドナ、その反応に心をくすぐられてる旦那様。
「じゃあラズ、命令だよ」
「はい、旦那様♡」
「メルドナさんが他に解して欲しそうな場所があれば、入念にしてあげて」
「はい、仰せのままに」
「ラズがしてほしいところは、僕がするね」
「ええ? ……はい♡」
私はメルドナに後ろから抱き着いて耳元でささやく。
「一番してほしいところ……どこ?」
驚く様子も見せなくなった。左の脇と右足の付け根へ、同時に手を滑らせていく。滴る汗が指の間に集まる。何も抵抗してこない。
「うう……ラズ…………だめだ……」
左の胸、足の付け根の先――すんなり受け入れてくれる。
「あうっ……うう……」
顔を覗くと、はしたないくらい蕩けた目をして頬を赤らめてる。我慢なんてしたら、余計に快感が深くなるのに。
旦那様が私の後ろから抱きついてきた。同じように左胸と右の足の付け根から――刺激は徐々に強くなっていく。
「ああ……旦那様♡」
「気持ちいい?」
「はいいっ♡」
もうバレてしまった私の好きな部分――耳を甘噛みされて、びくびくして体が勝手にのけ反る。
いい匂いと心地いい音、ふわふわ浮くような躰。今夜もまた淫らで楽しくて、綺麗なの。
旦那様の支配に、またひとりのサキュバスが堕ちる。快楽の沼へと沈んでいく。溶け出すほどに熱く腫れ上がる欲望を感じながら――。
「いっしょに堕ちよう♡ メルドナ」
「はうう……やああ…………」
「逆らっちゃだめ♡」
「だめだめだめ……もう、無理っ」
闇夜に爆ぜる花火のように、ありったけの嬌声が弾けた。それを合図に、旦那様の手がメルドナの欲望を掻き乱していった。




