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ヤンデレ魔族と没落貴族のヤバい生活  作者: 有の よいち
第1部

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41/58

お母様と♡

 旦那様はお母様といっしょにいる。そのお母様が強い魔力震を放った。普段はそんなに大きな魔力を使ったりしない。


 まさかお母様――。


 胸騒ぎがする。不安と怒りが入り混じり、居ても立ってもいられない。目線の先には大きな窓。翼が勝手に開き、足をたたんで飛ぼうとする。


「ラズ、いかん! その体では――」

「ごめんなさいメルドナ」


 制止も聞かず窓から飛び立つ。翼を動かすとズキンと激しい痛みが襲う。形は元通りに見えても折れていた部分はまだ罅(ひび)だらけ。強く羽ばたくとまた折れてしまうかもしれない。


 だけど、そんなこと言っていられない。


 なるべく風を広く受けて、利用して、羽ばたきを最小限に抑えて飛んでいく。お母様の魔力振を辿(たど)る。


 小さな噴水のあるテラスに、両開きの大きな窓が特徴的なお部屋――ここだ。私は真っすぐに降り立ち、すぐさま扉を勢いよく開けた。



       ◆



「お母様! どういうこと!?」

「来ちゃったのね……」


 お母様は振り返らない。扉の前で腕を腰に当てて立っている。


「旦那様に何をしたの? まさか――」

「してないわよ。正しく言えば、させてもらえなかったの」


 ふてくされた声で返された。扉に向かって、ため息をついている。


「させてって……手を出そうとしたの?」

「そんなの仕方ないじゃない。私たちサキュバスなのよ?」


 ようやくお母様がこっちを見た。少しわざとらしい言い方に聞こえて、それに私は無性に腹が立ってしまった。


「言い訳なんて聞きたくない!」

「冗談よ、冗談。エル君の毒を調べるために、ちょっとお口で採取させてもらおうと思っただけよ」

「やっぱり手を出そうとしてるじゃない! そんなことしなくたって採取くらいできるでしょ?」

「ええ~? どうやって? エル君に自分でしてもらうとか?」


 私の頭の中を瞬時に妄想が広がっていった。私たちが見ている前で、旦那様が恥じらいながら興奮している姿とか、そのときの表情とか――。


 何考えてるの、私。


「それは……ちょっと興味ある……けど」

「あら、見たいのね♡」


 もじもじして、顔を上げられない。お母様は乗り気になってる。ちらっと旦那様の顔色をうかがうと、ぽかんとしていた。私たちふたりばかりが盛り上がっていて、話の流れについて来られない様子だった。


「じゃあさラズちゃん、こうしましょ♡ エル君が興奮するように私とラズちゃんで悩殺して~、少しずつ服を脱いでいって~、エル君に体を見せつけるの!」

「え……それって、旦那様の前でえっちな踊りをするとか……そういうの?」

「そうそう! 人間界でも見たのよ、そういう種類のお店。でも私たちならもっと素敵で過激なショーができると思うの。ううん、確実に越えられるはずよ!」

「でもそれ……すごく恥ずかしくない?」

「何言ってるの? そうすればエル君が興奮しているところを見られるのよ?」


 えっちな提案に、私ったら真剣に悩んじゃってる。


 さっきまで本気でお母様に苛立っていたのに――恥ずかしいなんて素振りをしても、心の中では、やりたくてうずうずしてる。やっぱり私は根っからのサキュバスなんだ。


「いいかも……」

「でしょう? あ、ママね、いいこと思いついちゃった♡」

「なあに?」

「私たちも自分でしちゃうの♡」

「……見せ合いっこ、ってこと?」


 お母様は満面の笑みでうんうんと大きく頷く。すごく楽しそうにしてる。私は顔に出ないように我慢してるけど、内心すごくわくわくしてる。

 

 自分の声が少しずつ甘ったるくなっているのが分かる。体が疼き出して、早く服を脱ぎたいって思ってる。


 その前に旦那様ったら――裸なのね。大事なところは隠されてますけど。


「旦那様、それでよろしいですか?」

「それでって……」

「ねえエル君いいでしょ? 私はおあずけを食らって悶々としてるの♡」

「そんなこと言われても……」


 旦那様、悪い気はしていないみたい。それなのにちょっと拒否して見せようとしてて、すっごく可愛い。私、もうこれ以上抑えきれない。体がぽかぽかしてきて、自然と服を脱いじゃうの。


「ちょっと、ラズ?」

「あら~、ラズちゃんったらエッチな子ねえ♡ じゃあ私も♡」

「リリスさんまで!」


 私は旦那様の向かって左側、お母様は右側。胸をはだけさせると、旦那様は顔を反らしてしまった。


「旦那様、ちゃんとラズを見てください♡」

「エル君、ちゃんと私も見てね♡」


 続けて下半身をすべて露わにしても、旦那様はまだ見ようとしない。


「旦那様、どうぞお好きなだけラズの裸をご覧くださいませ♡」

「ほら、ねえ、ちゃんと見て♡ エル君も準備して♡」


 ふたりで旦那様へ猛然と迫る。でも旦那様ったら――。


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