仮タイトル アレ 生還
「先生渡部たち学生は全員解放することとなりました・・・。それも近日中の事になると思われます」
「それはどう言う事なんだ?」
「はい。私も詳しくはわからないのですが、今回の核投下によるアレの消滅作戦は失敗した模様です」
「・・・失敗?」
「アレは無傷のまま場所も何も変わらずあったそうです」
「それなら尚更人手が必要じゃ無いのかね?」
「それが核を落としたにもかかわらず、放射のうが全く検出させていません。それどころかアレからもいっさいの物質が検知されなくなったようなんです」
「それなら大成功じゃないか!」
「えぇ?」
「だってそうだろアレが我々人類に対して無害になったんだからな!」
「あぁ確かにおっしゃられる通りですね。はは。はははは」
「一日も早く渡部たちを解放してくれたまえ」
「わかりました。そのように伝えます」
「・・・」
突然部屋の扉が開いた。
「んっ!そこで何をされているのですか⁉︎」
「やばいよ!見つかったら全てがおしまいだ!早くみんなで穴を隠そう」
真佑達は壁の穴を背に全員で監視員に穴が見えなくなるよう並んで対峙した。
「・・・えー君たち・・いや失礼!皆様の研究は必要とされなくなりました。よって只今より皆様には各々の研究室、もしくはご自宅までお送りいたします。大変長らくご協力ありがとうございました。またご不便をおかけした事をお詫びいたします」
「真佑ちゃんどういうことかな?」
「あいつらに聞くしかないよ」
「それってどういう事?」
「今説明した通り、直ちにこの建物からお引き取り頂きます。1時間後に送迎車が来るので、その間に荷物をまとめてください」
監視員はそういうと扉の鍵も閉めずに部屋を出ていった。
真佑や渡部達はもう少しで人が通れるくらいの穴を開けそうだったのだが、肩透かしを食らったように誰もの顔を見回していた。
「まぁよかったよこれで!この穴は紙で塞いでおけばわからない。もし聞かれたら知らないって突っぱねよ!」
渡部たちの心配は無用だった。彼らが建物から帰った後1ヶ月もたたないうちに建物の取り壊しが始まっていた。
「あいつら証拠を隠滅しているんだ」
渡部はスマホで解体現場の写真を数枚隠れたところから撮って逃げ帰った。
「もうこの研究室にのこることは、できません!」
「俺もです」
「きみたちは大きな勘違いをしている。私は本当に君たちの研究が優れていると・・・」
「もういいです!失礼します。あぁひとつだけ忘れてました」
渡部たちは教授をフルボッコにして研究室を後にした。
今回の研究という名の拉致事件は決して表に出ることはなかった。ただ、この拉致を斡旋した教授に対する学生の信頼は一気に無くなりどこの大学でも関係した研究室が閉鎖に追い込まれ、人知れず責任を転嫁され、研究室の教授はもちろんの事、学長など沢山の関係者が職を失っていった。




