仮タイトル アレ 謎
「明日から残留放射線の計測に入る。この防護服は核爆発が起きた翌日からでも救護活動ができるほど優れているが、アレとの併用は未知数の為現地に入るのを明日まで引き延ばした!まぁアレも核爆弾の破壊で粉々に砕け散った上に強烈な熱で溶けきっているはずだがな!」
左右田綾乃中尉が核を落としてから2ヶ月あまりが過ぎていた。
「おかしいなぁ・・残留放射能の値が0なんです・・」
「センサーの故障じゃないのか!」
現地の各隊員に取り付けられているセンサーとカメラから送られてくるデータを確認しては現地に指示を送っていた。
「隊員すべてのセンサーが0を示しています」
「そんなことがあるのか」
「おいアレはどうなった。まだまだ見つからないのか?」
「はい。そろそろアレがあったところなんですが何も見当たりません・・・」
「やはり核を使ったのは正解だったのかもしれないな!理由はわからないが放射能もないすべてよしだな」
「あっ!」
「どうした⁉︎」
「アレです!アレがありました!」
「何・・・」
隊員から送られた映像にもしっかりとアレが写っている。かも全く無傷のままで。
「退避!退避しろ」
隊員達皆走ってアレから遠ざかった。
足がもつれて転ぶ者や恐怖に叫ぶ者など、日頃訓練された者でも我を忘れて逃げ散った。
「んー。核でもアレは無傷なのか・・・」
「どうしましょう?」
「兎に角残留放射線がないのならアレをまたコンクリート壁で外部から囲んでしまうしかないな」
「承知しました!」
左右田綾乃中尉は、キノコ雲の夢にうなされていた。実際には自ら投下したキノコ雲は見ていないが、過去何度も繰り返し見たキノコ雲の映像が想像と重なって夢に出てきた。
(私はとんでもない事をしてしまったんじゃ無いか!もし放射能が世界に漂ってしまったら・・・)
左右田綾乃中尉は核について何時間もレクチャーを受け、また自らも勉強を重ね投下後の現地がどう推移するかわかっている。がしかし、やはり頭の中と実際とは全く違う。ましてや意思のなかった行動となればなおさら左右田綾乃中尉を苦しめていた。




