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8話 魔法の森の音楽家


マンドラゴラは散々引っこ抜かれますが

全部魔女の沈黙の魔法により


ことごとく叫びを封じられ

為す術なく回収されました。


意識が戻ったレオとカインは

すでに【変身】が解けて元に戻ったリズを見ても

何が起きたのかもわからずにいます。


リズとツムギはお互いに目配せをして

頭がはてなマークになっている

レオとカインを優しく見つめます。


だって、魔法少女の変身した姿は

乙女の秘密なのですもの。


ツムギは引っこ抜かずに

残ったマンドラゴラに

次々と名付けをしていきました。


「あなたたちはとても美しい声色をしておりますわ。

なので叫ぶのではなく美しい歌を奏でてくださいまし」


ツムギは名付けをしたマンドラゴラ達に

それだけ指示を出しました。

すると、マンドラゴラたちは口々に

素敵な歌を奏でだしました。


――♪♪♪――


「わぁ♪素敵な歌声♪」


叫ぶのをやめたマンドラゴラ達は

これ以降素敵な歌声を奏でる

森の音楽家と呼ばれる存在となり

魔法の森を更なる聖域へと導くようになります。


「魔法の森をクリアするどころか、

さらなる高みへと導くなんて……」


リズはきっとこの美しい森の光景を

忘れることはないでしょう。


そして――


マンドラゴラ達の歌声を聞いた

森の神木は綺麗な花を大量に咲かせました。


「なんと美しい花でしょうか……」


「花を咲かせる条件は謎でしたが

この歌声を聞いて花を咲かせたのであれば

なぜか深く納得してしまいますね……」


マンドラゴラ達の歌声に合わせ

アマハラの舞を踊る姫様。


「うふふ〜♪動きを封じてしまうなんて

もったいないですわ〜♪素敵な歌声を聞き

みんなで踊り舞うのでございます〜」


「まったく、うちのお気楽姫様は

手に負えませんね……」


「アオオォーン!」


姫様を優しく見つめるアヤメとハク。


横でオズの三人も

一緒になって歌い踊っている。



「この神木……ヤマトには生息していない

樹木だと思いますが、どことなく、

アマハラの屋敷の庭の楓の木に似ております。

お母様がとても大事にしていた

あの楓の木に……」


「ええ。そうでございますねムギ様」


「ちょっと、名付けてみようかしら」


「ほ、ほどほどにお願いしますね……?」


マンドラゴラ達にも名前をつけまくった

ツムギは名付け無双を止められない。


「ええ。楓の木にそっくりなあなたには

【カエデ】の名を授けます」


その魔法の森の大樹は

カエデと名付けられ

光り輝き

またしても

美しい花冠をつけた

緑髪の美女へと

成ったのでございます。


「わぁ……」


「綺麗……」


「神木が擬人化……」


その緑髪の女性はツムギをまっすぐ見つめ

たくさん咲かせた花を手にとり

その花をツムギに差し出しました。


「おぉ我が主様。

素敵なお名前感謝致します。

どうぞ私をお供に加えてくださいませ」


「カエデ。歓迎しますわ。」


魔法の森の神木を擬人化させ

お供にしてしまったツムギ。


「ねぇ!あたしも着いていくかんね!

人型にした責任を取ってもらわないと

割に合わないんだからっ!」


なぜかツンデレを発揮している

女王蜂リッカも含め

お供が増えたツムギ一行はたくさんの

蜂蜜、マンドラゴラの根、神木の魔法の花を

手土産に街に帰還しました。


トレントという樹木の魔物となった

神木はこれ以降カエデとして

ツムギ一行に同行。


リッカも自分の子供たち数百匹を引き連れ

ツムギについてくることになりました。


「カエデ。あなた魔法が使えますのね?」


「はい。一通りの魔法は使えます。

自然魔法から回復治療魔法まで。

全て我が主のために使いましょう」


「やりましたわ♪念願の魔法使いのお供♪」


ツムギの従順なお供になってしまったカエデ。


リッカはキラービーの女王蜂として進化したようで

子供達と視界や意識を共有できるようになり

数百匹の蜂の視界を全て把握するという

最強の偵察部隊を構築。

さらに高級蜂蜜を無尽蔵に作り出す

ツムギ一行の資金担当までこなしてしまった。





そして――


「ムギさん!本当にお世話になりました!」


資金繰りをクリアし、魔法使いのお供をゲットした

ツムギ一行はついにナーロッパ諸国を離れることに。


行動をしばらく共にした

チームオズのメンバーとは

ここでお別れとなる。


「わたくしも、素敵な魔法少女に出会えて

幸せでしたわ♪ぜひお元気でいてくださいまし」


「はい!ムギさんも、お気をつけて!

素敵な旅になりますようお祈りをします」


「アヤさん、ハクちゃん、それに

リッカちゃん、カエデさんも……

お元気で!」


旅先で素敵なお友達が出来たツムギ。


このお気楽姫様の旅は


まだまだ始まったばかりでございます――








ナーロッパ諸国において


伝説の魔女と呼ばれることになる


大魔女エリザベスは


若かりし頃は


【リズ】という名の


とある没落貴族の


冒険者だったそうです




ええ。


残念ながら


この大魔女のお伽噺は


また、別のお噺なのでございます――








読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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