69話 おとぎの国の冒険
「ここが天空要塞【転移の間】です」
案内された部屋は真っ白な不思議な空間。
「魂が【肉体】に宿るとこの現世において、
生きているという状態になります」
「魂だけの状態で行くのが、天国と地獄」
「そして魂が【妖精】に宿ると行けるのが
妖精の国ということになります。
皆さんは仮死状態になり、
肉体はここに置いてまま
魂を妖精に宿らせて行くので
万が一妖精の国で魔王にやられても
ここに魂が戻ってくるだけなので
死にませんので安心してください」
「あらあら〜死んでも大丈夫なんて〜
貴重な体験ですわ〜♪」
「ムギ様……!試しに1回死んでみようとか
言い出さないでくださいね!?」
「うふふ〜♪」
「私は魔力を温存するため
魔王の封印に徹することにします。
つまりみんなで魔王を攻撃して弱らせてから
私が封印するという流れで
私は基本的に戦闘には参加しません。
むしろ、魔王が目覚めたら封印された恨みから
一番最初に狙われるのが私です」
「ナギちゃんを守ればいいのですわね〜♪」
「まぁ基本黒モヤの中に隠れますので
直接守ったりしなくて大丈夫です。
魔王を弱らせることができたら私の出番です。
ここまでは大丈夫ですか?」
「わかりましたわ〜♪」
「次に、魔王とは悪魔の王です。
この世における悪の権化、負の感情、
罪の意識などが具現化した概念そのものです。
よって完全に倒すことができませんので
封印するという手段をとります。
この現世において魔王は
人間に負の感情を与え続ける存在。
封印が解けたら私を倒して現世に出ようと
してきますのでそれを食い止める」
「魔王がこの世界へ来たら
人間を悪の感情でコントロールしてしまうと……」
「そういうことです。
人間の悪の感情を増幅させるというのが
わかりやすい表現かと思います」
「わたくし達で魔王から世界を救うのですね〜♪」
「ええ。一応私、
世界を救った勇者と呼ばれていましたので……♪」
「勇者ナギちゃん〜♪」
「正直、魔王は強いです。
私もまともにやっても倒せないので
封印という手段をとっています。
妖精の国では死なないからといって、
油断はしないようにお願いします」
「わかった……よし、みんな気を引き締めていこう」
「まぁ、向こうにいる妖精達も
手伝ってくれると思います。
私が魔王を妖精の国へ封印している
もうひとつの理由が妖精たちが
強くて優秀だからです」
「おぉ〜♪それはつまり
ランプの魔人に会えるということですか〜?」
「ええ。そういうことです」
「うひょー!
お、おとぎの国〜♪
わくわくですわ〜♪」
「では、皆さんよろしいですね?
妖精の涙を飲んで仮死状態になります。
あとはドミニオン、よろしくお願いしますね」
「かしこまりましたナギ様。
皆様どうかお気をつけて……」
「はーい♪」
さぁ、おとぎの国と呼ばれる妖精の国へ――
みんなで魔王討伐でございます――
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降り立ったその世界
みんな森の中にいます……
「着きました。ここが異世界です。
現世の常識が通用しないこともあります。
あと、かなり広いです」
「わくわくですわ〜♪」
「どこへ向かえばいいのだ?」
「えっと、魔王を封印しているヤシロが
あるのでそちらへ向かいます……
と言いたいところなんですが……」
「……?」
「ぎゃおおおおお!!!」
目の前に現れたのはとてつもなく巨大な悪魔。
「どうやらすでに封印がとけて目覚めていますね。
そして私、早速見つかりました。
すいません、隠れるのでよろしくお願いします」
あらあら〜?
異世界到着後、即!魔王と遭遇〜!?
「いきなり出たぁぁあ!!?」
「やつの名は破壊の悪魔【憤怒のディアボロス】。
やつの手に触れると問答無用で心身共に破壊されます。
決して触れられてはいけません。では!」
そう言うとナギは黒モヤの中に消えてしまいました。
「触れられたら即死!!??」
「ぎゃおおおおお!!」
「うわぁぁぁあ!?」
「みんなやるぞ!!!」
「みんな頑張って〜♪」
「結界魔法サンクチュアリ!」
「【重力波】わんっ!」
「ドラゴニックショック!」
「チャイ!拳!ぱーっ!」
「土霊機動巨人ゴレダム発進〜♪」
「トゥインクル☆トゥインクル☆ウララララ〜♪」
「うひひ。ムギちゃんの服の中に隠れよ……」
「同じく避難するわ〜!」
「黒鉄流剣術【桜花爛漫千鳥】!」
ズドドドドド……!!
ツムギ一行の一斉攻撃!!
「ありゃまぁ……魔王ってまさか、
悪魔の始祖と呼ばれるあの
ディアボロスでありんすか〜
これはあちきらの産みの親みたいな存在さね」
「ボタンのお父様ですの〜?」
「親ではないね……
大元みたいなものなだけで……
実際あちきだってそうさ、
元は夢という概念さね。
姫さんに名付けてもらって具現化しているから
現世にいるだけでありんす……」
「悪魔のお仲間ではあるのですね〜?」
「はわわ〜水のないところじゃウチ、
なんも出来んとよ〜……!」
「マリナちゃん、ここはみんなに任せましょう〜」
ツムギ、ヒナ、リッカ、ボタン、マリナは
後ろに控えて離れて観戦。
カエデの結界とハクの重力波で動きを
押さえ込んでいるので
魔王は身動きがまともにとれていない。
残りのみんなにフルボッコにされていますが……
「なんちゅう硬さじゃこいつ……」
「全然刃が入らんで〜!?」
「トゥインクル〜☆マジカル〜☆メテオ〜☆」
ズドドドドド!!
「ぎゃおおおおお!!!」
少しづつは削れてはいる様子ですが
恐るべし魔王の耐久力……!
……ザッ
「……!?誰か来た!?」
「ほえー?」
そんなツムギ達の後ろに突然現れた人影。
「……すごい気を感じたから来てみたら
やっぱり魔王が復活してるアルね!
てか、お前ら強いな?何者だ!?」
「え!」
いきなり真後ろに現れたその可愛らしい女の子は
真後ろに来られるまでツムギ達の誰1人
気づくことができていませんでした……!
「……誰でありんす!?」
チャイドレスというチャイ国の
女の子のドレスを着用し、
お団子頭で凛と立つその姿は
立ち振る舞いだけで
すでに達人の域に達していることが
すぐに理解できました。
「はわわ〜!」
ドンガラガッシャーン!
びっくりしたマリナはひっくり返っています。
「う、嘘……ち、チヨちゃん……?」
ツムギが言葉を漏らす……
「え?チヨちゃん?ムギあんた知り合いなの?」
「……あああ♪
間違いありませんわ〜!
このお姿!
わたくしの大好きな絵本……!
【気功武術少女 千代白雲】
のチヨちゃんですわ〜!!」
「えええ!?絵本の人〜!?」
そう、
ツムギの大好きな絵本のひとつ。
気功を使う武術家の少女のお伽噺。
千代白雲ことチヨちゃん。
彼女はチャイ国4000年の歴史において
最強と呼ばれた気功の達人。
チャイ拳創始者の仙人と呼ばれ
伝説となっている
お伽噺の主人公なのでございます――




