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61話 悪手


絶望と共に目覚めたのはボタン。

「いやいや!そもそも喋れないでありんす!」


ダークエルフの夢の中に侵入したものの

言葉が通じないので何の情報も得られないし

意思疎通が出来なければ幻覚も見せれない。


「これはあちきは今回出番なしでありんす〜……」


がっかりしている所へみんなが戻ってきました。


「あらあら〜?交渉出来ずですか〜」


「ムギ様申し訳ありません……」


「とりあえず一匹捕まえてきたぞい」


「ギャギャ!ギャギャ!!」


打つ手がなくて仕方なく

ヒスイがダークエルフを

一匹捕獲して連れて帰って来ました。


「ムギムギに名付けしてもらうしかないにゃ」


「あらあら〜かわいそうに〜よしよし」


「ギャギャギャァァァア!!?」


「わたくしの【授名】は懐かれるだけでして、

名付けたら毎回

擬人化させられるわけではなくってよ〜?」


「ごめんよムギちゃん〜

残念ながら他に手がなくってね〜」


泣きわめいているダークエルフ。

本当にかわいそうです……。


「よしよし、ダークエルフ様……

あなたは【クロ】ちゃんですわ〜」


「ギャギャ!?……キュウウン」


クロちゃんと名付けられたダークエルフは

落ち着きを取り戻し、しばらくして

ツムギに甘えだしました。


「よしよし……」


ツムギがなでなでするものの

喋れるようになったりはせず……


「喋れるようになれば交渉も出来るかと

思いましたが……」


「う〜ん」


懐いただけで喋れるようにはならず……


「困りましたわね〜」


エルフの長が

ほら、無理でしょ?

みたいな顔で覗いてくる。


「作戦会議をしますか〜」


ナギとメイちゃんは変わらず夢の中……。


エルフの長の家で作戦会議をしようとしたところ


「ダークエルフが大勢来ています!」


「え!?」


「ギャギャ!」


「ギャギャ!」


「クロちゃんを助けに来たのかも!?」


これでは逆に揉め事になりかねない……


諦めてクロちゃんをダークエルフに返そうと

表に出てクロちゃんを解放する。


「キュウウン……」


困った表情のクロちゃん……

ダークエルフの元へ戻るか

ツムギのそばにいるか悩んでいるように見える。

しかし、ここで思わぬ事態がおきます。


そんなクロちゃんの様子をみて

おかしいと感じたダークエルフはなんと

いきなりクロちゃんを攻撃し始めたのです!


いきなり槍で突かれたクロちゃん……!



「ギャギャ!!」

グサッ!!

「ギャァァァ!」


「……!!クロちゃん!」


「これはまずい!」


「カエデ!!」


「はい!主様!」


「ドラゴニックショック!」


ドドン!


「ギャギャ!!」


ヒスイがダークエルフたちを追い払い

カエデがすぐにクロちゃんの手当に……!


「キュウウン……」


ダークエルフは退散……

なんとか一命は取り留めたクロちゃん……


「おそらく操られたか洗脳されたと判断して

クロちゃんを攻撃してきましたね……」


「ごめんなさいクロちゃん……」


「キュウウン……」


このままではクロちゃんが

ダークエルフの集落に戻れなくなってしまう。


「しもたのう……話がこじれそうじゃ……」


「まずいね、余計な揉め事を増やしてしまったね」


「くぅぅん」


「困ったにゃ……」


あきらかな悪手をうってしまったツムギ一行……。


クロちゃんがダークエルフの元へ戻れない。


エルフとダークエルフの仲もさらに悪化。


「マリナの演奏会はどうだ?

友好の証にはならないかい?」


「いや、逆効果とよ……

命名神がエルフに対して

人間としての種族の名前を授けたけん、

おそらく今の現状があると。

ばってん、名前を授けられずに

言葉を持たない存在になってしまった

ダークエルフからしたら、この演奏会は

皮肉にしかならんとよ……」


「余計怒らせるだけですね……」


全員手詰まり……


打つ手なしかと思われましたが……


「すまないねぇ、言葉が通じないんじゃ

あちきの洗脳も使えないのでありんす……」


「……!ボタン……!」


「姫さん?」


「……そうですわ……ボタン、

やはりあなたは最高の悪魔様でございますわ……」


「……?なにを?」


「ムギ様?」


「どうする気じゃ娘?」


「これは、無知なわたくしが

とある国の揉め事に関わってしまった時に

お教え頂いた秘策でございますわ……」


「……?」


「喧嘩の仲裁にとても良い方法。

今回、悪手をうってしまったのであれば、

もう、開き直りましょう……

わたくしたちが……悪者になるのですわ!」


「えええ〜?ウララ悪いことするのイヤですぅぅ☆」

足ピンウララ。


「エルフとダークエルフ、共通の敵を作る……

その役をあちきらがするってことさね」


「ええ、とある悪魔様から

お教え頂いた策略ですわ」


「なるほど……言いたいことはわかるけど

ムギちゃん、具体的にどうする気だい?」


「エルフ様もダークエルフ様も

とてもお怒りになることを

するのでございます……」


「一体なにを……」


「そもそもの争いの種を奪い取ってしまいましょう」


エルフの長が恐怖に震えているところ


ツムギが、出した驚愕の作戦とは……









――世界樹を奪い取りますわ――









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