60話 エルフの森
こちらはエルフの長の家――
すやすや眠っているのは
ナギ、ボタン、メイの三人。
居残りしているのは
マリナ、ハク、アン。
演奏会――
アンが太鼓を叩き
エルフの長が竪琴を奏でながら
マリナが美しい歌声を披露し
エルフ達は大喜び。
ハクはそれに合わせて
得意の芸者芸を披露し盛り上げている。
太鼓はノゾミだけではなく
メイアンもドワーフモチーフなので叩けるのです。
「うひひ……」
「ラーララー♪」
「アオォォーン♪」
「伝説の演奏会が観れるとは……」
エルフ達は感動のあまり
例の演奏会を聴きながら号泣している。
エルフたちの間でもこの演奏会は
伝説となっているようです。
「雷獣様もなんと神々しいお姿か」
「わん?ハクは犬だわん?」
「元はそうなのかもしれませんが……
我々からすると正直、
雷の精霊様が具現化した姿
とする方がしっくりくるのです……」
「ハクが精霊!?なんだか照れるわん……」
「ウチの主様はなんでも擬人化させてるっちゃ、
原型とどめてなさそうなのもいるけん面白かね〜♪」
元イルカが自分をさておき語る。
「うひひ……変なので言えば
一番変なのは元絵本よ……」
「え、絵本!?」
「うひひ……元絵本がいるわよ……
あの子こそ一番不思議ね」
「ま、まさか、禁書の悪魔グリモワール……?」
「悪魔ならすでにそこで寝てるわね……うひひ」
「え!すでに悪魔居る!?」
あわわわ……!!
感動と驚きと恐怖とで
激しく心を揺さぶられるエルフのみんな。
アンちゃんあまりビビらせないであげてね……♪
お留守番組はのんびりと過ごしています。
こちらは世界樹を見に来ている組。
ツムギ、リッカ、ヒナ、カエデ、ウララ。
「おっきいですわ〜♪頂上が見えません〜」
「すごいマナね……この世界樹の力を
エルフとダークエルフで大人しく半々にして
めでたしめでたしとはいかないのかしら?」
「仲良くわけわけで納得してくれればいいのですが〜」
「カシャカシャ!装填完了発射オーライ」
「マナが溢れてヒナが勝手に装填されてる!?」
「う〜ん、この世界樹の力とウララの魔法は
やっぱり別物みたいですぅぅ☆」
「ウララちゃんの魔法はこの世界の魔法とは
根本から違うみたいですね〜?」
「元絵本の創作だもんね……
この世界の常識から外れているのも仕方ないわよね」
「ウララちゃんはウララちゃんですわ〜♪」
「ムギっち〜☆」
イチャイチャしているツムギとウララちゃんの横で
カエデが神妙な面持ちに……
「カエデ?どうかしましたの?」
「……はい、我が主様……ひとつ、ご報告が」
「なぁに〜?」
「ここに来て、理解しました。
どうやら、わたし元々、
この世界樹の苗木だったようでございます」
「え!?カエデが世界樹の苗木!?」
「はい。経緯はわかりません。
人の手か、ワタリドリにでも運ばれたのか……
しかし何かしらでこの世界樹の枝あたりが一本
魔法の森へやってきて、成長したのが
わたしということでございます……」
「まぁまぁ♪カエデは世界樹の子供だったのね〜」
「そうですね、その認識で合っています」
「まぁカエデの神木としての魔力を考えたら
納得の生い立ちではあるわね」
「ふふふ〜♪では今回はカエデが
解決の鍵となりそうですわね〜♪」
「ご期待に応えれるよう精進します……ポッ」
こちらはダークエルフ交渉組――
だいぶ凶暴らしいので防御力の高いメンバー。
攻撃せず耐えるという難易度の高い役割。
アヤメ、ヒスイ、マオマオ、ノゾミ(ゴレダム)。
「キエエエ!!」
「キャキャキャ!!」
ダークエルフは問答無用で襲いかかってくる。
すでに戦場と化しています……
しかし
不老不死で血も出ないし痛みも感じないアヤメ。
竜の鱗はかっちかちで剣も刺さらないヒスイ。
「チャイ拳!壁!」ドン!
気を念じて全て防いでしまうマオマオ。
「土霊機動巨人ゴレダム発進〜♪」
鉄壁ゴーレムを運転するノゾミ。
襲いかかるダークエルフの攻撃から
何一つまったくダメージを受けない
鉄壁の防御力を誇る四人の姿がありました。
「キエエエ!?」
「ギャギャ!?」
風の精霊や火の精霊などを呼び出し
魔法を撃ってくるが……
「エルフとの和解のため話し合いに来ている」
「誰か話し合いに応じてくれんかのう?」
「にゃー!」
「メシをよこせ!わーはっはっは♪」
一切退かない化け物軍団の侵略に
ダークエルフは総出で抗っています。
「キエエエエ!!」
「ギャァァァア!」
泣き叫ぶダークエルフたち……
……もはや可哀想です……
「おい……もしかしてダークエルフって」
「妾も今そう思ってたところじゃ……」
「にゃ?」
「会話できない魔物だね!?わーはっはっは♪」
そもそも喋れないので
――交渉成立せず!――
ツムギ〜出番ですよ〜!!
「あらあら〜?」




