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55話 演奏会


「わーはっはっは♪

さぁ人魚たちよメシをよこせ!

すればボクが願いを叶えてやろう♪」


海底神殿の人魚たちは

この遭難中の変な旅人を

食事でもてなしてくれました。


「こんな言い伝えがあります……


この神殿にてまた

三種族が揃い

手を取り

歌う時

命名神より

更なる力を授かることでしょう――」


「へえ?面白そうだね?歌うとは?」


「この神殿に神具と呼ばれる楽器が存在します。

ドワーフの太鼓。

エルフの竪琴。

これらを使い、

マーメイドが歌うのです」


「なるほど!神具を見せてくれるかい?」


ノゾミは神具を調べる。


「うんうん、この太鼓は

古くからドワーフ族が祭りの時に使う太鼓だね!

これならボクが叩けるよ♪」


「まぁ!精霊様!本当ですか!」


「わーはっはっは♪

どうだボクは凄いだろう♪」


人魚たちは目をキラキラさせながら

精霊様を拝み出した。


「つまり、願いは古の言い伝えである

演奏会を三種族で行うことだね!?」


「は、はい!いつかはと思ってはいましたが……」


「……すやぁ」


興味のないアンちゃんは眠りにつき

代わりにメイちゃんが起きています。


「じゃぁ歌うのは新米人魚のマリナちゃん!」


「はわわ〜!ウチが歌うとですか〜!?」


「もちろんさ♪

さぁそしてあとは

エルフだけど

うちにはエルフ族並に

ボクたち精霊を使役している

ムギちゃんがいる……!」


「ムギでーす♪精霊使役しちゃってま〜す♪」


「ムギ!あんた調子乗りすぎよ!?」


「おおお〜!す、すごい!この方が

精霊様を使役なさっていると……!」


「試してみる価値はあるんじゃないかな?」


「はい!ぜひ〜♪」



というわけで演奏会……!


ノゾミが太鼓を叩き

ツムギが竪琴を奏で

マリナが歌う。


ポコポン♪ポコポン♪

軽快にリズム良く太鼓を叩くノゾミ。

上手い!


「ラーララー♪」

美しい歌声を披露するマリナ。

上手い!


ギョギャ!ギィギギギギ……!!ブチブチッ!


「竪琴ぶっ壊す気かぁぁぁ!!」


リッカが止めに入る。


「ほえ〜?難しいですわ〜?」


「わーはっはっは♪

さすがムギちゃん!」


「どこがよ!?不快でしかなかったわよ〜!」


うーん、残念。

ツムギに器用なことを期待しちゃダメでしたね……


海底神殿の人魚たちも残念そう……


「仕方ないですね……

いつかエルフ族が来ることを

信じて待ちますか……」


諦めかけたその時


「うひゃひゃ……ちょっとあたいにやらせてよ」


メイちゃんが、名乗りをあげる。


「竪琴はエルフ族に伝わる楽器。

見よう見まねでできるものでは……」


「まぁまぁ、貸してみてよ。

なんか弾ける気がするんだ♪」


メイちゃんは竪琴を奏で始める……

ポロロン♪ポロロロロン♪


「……!」


「え!弾けてる!?」


「わーはっはっは♪

さすがボクの親友だよ!」


「メイちゃんすごいですわ〜♪」


「これならもしかして……」




古の海底神殿に伝わる言い伝え――


ドワーフを模したノゾミの太鼓。


人魚へ進化したマリナの歌声。


そして

ただの幸運《ラッキー》で

竪琴を奏でてしまったメイ。

そうです。

メイちゃんが竪琴を奏でれたのは

これは

ただの幸運なのです……!



三人の演奏は


見事に


言い伝えの演奏会を実現させました――


「なんと美しいメロディ……」


人魚たちは涙を浮かべながら

聴き入ります。


そしてこの演奏を聴いた

命名……あ、いや、ツムギは――


「なんと美しい音でしょう……

この歌に舞を授けましょう……」


得意のアマハラの舞を披露しました。




――カッ――




その奇跡の演奏会は


見事に一人の人魚の進化を成功させたのです。





マリナの身体は光り輝き


イルカから人魚を経て


【水の精霊】へと進化したのでございます――




「マリナ……!」


「こ、これは……!?」


「なんと!水の精霊様が顕現なされました!」


「これが更なる力……!」


「おお!命名神様……!」



「ウチ、どうなったと……?

……すんごい魔力溢れとうとよ?」


「マリナ、君は水の精霊に成ったのさ♪」


「はわわ〜!?ウチが精霊様〜!!??」


「これはなんという奇跡……!

長らく不在であった海底神殿に

守護者が現れたのです……!」


「ウチが海底神殿の守護者〜!?」


マリナを崇めだした人魚たち……

「水の精霊マリナ様〜」

「マリナ様〜♪」


「はわわ〜!?」


戸惑うマリナ。


「クスクス」


「よかったじゃないマリナ♪」


「いきなり責任重大で

プレッシャーきつかぁ〜!?」










――こちらはアヤメたち



「はぁ、はぁ、」


「き、きついにゃぁ」


「終わりが見えん……はぁ、はぁ……」


姿の見えない海の災害と戦い

みんなはすでに疲労困憊


勝敗もわからない


いつまで攻撃し続ければ

いいのかもわからない


そんな最悪の戦闘中なのです……


「……おい!リッカ!聞こえるか!

反応してくれ!」


ツムギの無事を確認して撤退したいアヤメたち。


キラービーに声をかけ続ける……


大嵐の音が大きすぎて

キラービーから音が伝わらない様子……



「……くそ!反応がない!」


「ドラゴニックフレア〜!!」


ヒスイの渾身の一撃!


ドドドドドド!!!




「ヒスイ!飛竜の呼吸が乱れてるにゃ!」


「はぁ……はぁ……飛竜も

もう体力の限界か……まずいのう」







こちらは


大ピンチ!


助けて!





――水の精霊様――!!










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