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50話 お姉ちゃん


孤児院に戻ってきたツムギ一行。


孤児院では、ドワーフとの契約祝い、

新しい仲間【メイアン】の歓迎会などと称して

宴が開かれていました。


「八雷神とやらはこれで全員倒したのかい?」


「あと一人いるはずですが……

おそらくヤマト国にいるでしょう」


「ならしばらくは変な刺客も無さそうじゃのう」


「ええ。ヤマト国きっての暗殺集団でしたからね。

ひとまずは安心でしょう……」


「姉ちゃんとは話はこじれんかったのか?」


「はい〜♪大丈夫でした〜♪」





⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆







八雷神撃破後のドワーフ地下帝国にて――




八雷神三人を縛りあげたところで

その人はやってきた。


アヤメのすぐ真後ろに突然現れた

姿を完全に消してしまう【隠密】

という神託スキルの能力者。


「……アヤメ。どういうことだ。

なぜこんな遠い国へツムギと来ている?

説明してもらうぞ」


「……!アズミ様!!」


アヤメはすぐに跪く。


気づいたハクまでも猛スピードで頭を垂れた。


「わんっ!」


「誰にゃ!?」


「……!?」


みんな突然現れたくノ一軍団に身構えるが


「あらあら〜♪まぁまぁ〜♪」


「ムギ!?誰!?」


「アズミお姉様〜♡」


アズミに突進して抱きつこうとするツムギ。


「むぎゅうっ!?」


アズミに頭を掴まれて悶絶するツムギ。


「ツムギ。応えろ」

ぐりぐり……


「ほぎゃぁぁ!?

あ、アズミお姉様〜

す、すいません、

ちょっと国内のつもりが

つい、色々見たくなりまして……

少しだけ遠出をしてしまいました……」


「みんな大丈夫です!

アマハラ家次女アズミ様でございます!」


アヤメがそう叫ぶと

みんなは驚き戸惑う。


「ムギのお姉ちゃん〜!?」


「八雷神の動きがおかしいから

追ってみたらまさか狙いがお前とはな」


「えへへ〜♪アズミお姉様にまた

護ってもらいました〜♪」


「しかもなんだこの従者共は?

地上にもバケモノみたいなやつがいたぞ?」


「あ〜多分ヒスイのことかしら〜?

ちょっと竜な感じです〜えへへ〜」


「お前は相変わらず話にならんな?

おい、アヤメ……。

間違っても我が妹にケガをさせるなよ?

あと、遠出しすぎるな。

早めにヤマトへ戻ってこい。

わかったな?」


「は、はい!かしこまりました!」


「うへへ〜♪アズミお姉様〜

ご飯一緒に食べましょ〜♪」


「拙者は任務中だ。

……お前のせいでな!

早いうちにヤマトへ帰れ!

八雷神はうちで回収するぞ。

いくぞお前たち!」


「はっ!」


それだけ言うとくノ一軍団は捕獲した八雷神を連れて

さっさと引き上げてしまった。




「あ〜ん、アズミお姉様かっこいいですわ〜♪」


「ムギのお姉ちゃん、怖いわね……」


「たしかに凄い覇気だったにゃ」


「アマハラ家の忍者で最強のお姉様です〜♪」


「無理矢理連れて帰られるかと思いました……

アズミ様は一見怖いですが

なんだかんだムギ様にはお優しいですから……」


強制送還されずに済んだので


まぁ、よしとしましょう……






⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆







宴は夜も続いています。


すっかりツムギに懐いてしまったメイアンは

ツムギに抱きついてちっとも離れません。


「ムギちゃん〜うひひ……」

「はい、あーん♪」


両サイドから果物をツムギの口に

ひたすら運んでいる。


「美味しいですわ〜♪」


ツムギにくっついている小さい軍団が

また増えてしまいました。

リッカ、ヒナ、ノゾミ、メイアン……。


「狭ィデス薄型モードニ変形カシャカシャ……」


「ちょっとあんた達!ムギの服の中は

あたしが1番先輩なんだからねっ!」


謎のポジション争いが勃発しているようですが

それもまた微笑ましいものです。


「ボクは御守りの中をしっかり確保したからね〜

わーはっはっは♪」


「我が主様とずっとくっついていられるなんて……

羨ましい限りでございます……ポッ♡」


「ムギっちはモテモテですぅぅ☆」


「わんわんっ!」


「ムギムギの魅力には脱帽にゃー♪」


すっかり、大所帯になってしまったツムギ一行。


微笑ましく見ていたテレサとジャンヌ。


「ムギさんはすごいね!?

精霊を使役するなんて、

本当はエルフ族なのか?」


「いいえ、ジャンヌ。エルフ族とは

銀髪で耳の長い種族ですよ。

ムギ様はヤマト国の姫様です」


「え〜わたくしがエルフ〜?」


「そ、そうですか!

エルフ族という者が精霊を使役するのが得意だと

聞いたことがあるものでして……」


「あらあらまぁまぁ〜♪

エルフ族様は?

精霊様を〜?

使役なさっている〜?

あらあら〜♪」


「ちょっと、ジャンヌ。あんた余計な情報を……」


「……え!あたし何か変なことを言ったか!?」


「にゃは♪少なくとも次の行先は決まったにゃ?」


「そうですね〜」


「えー!!」


「アハハ」


「クスクス」


「エルフ族の住む森というのが

たしかナーロッパから北へ向かった

寒冷地にあるらしいのう?

妾も行ったことはないが」


「かなり極寒の地らしいですね。

ただ、ちょうど今の時期なら

白夜と呼ばれる太陽の沈まない時期。

それほど寒くはないはずでございます」


「カエデわかるの!?」


「いえ、北から飛んできた渡り鳥から

少し聞いたことがあるだけです。

詳しいことまでは……」


「精霊様に聞けばいいんじゃないの?」


「ん〜?ボクたち精霊はあまり精霊同士の

コミュニケーションはないんだよ。

各地で好きにしてるからね〜

ボクとアンはたまたま同じ

地域にいたから一緒にいただけさ。

エルフの森のことはわからないね?」


「うひひ……噂程度なら

エルフの森といえば

この世で最強の精霊様がいるとは

聞いたことがあります……」


「おおお!最強の精霊様!?」


「……はい……詳しくは知らないけど……

たしか、【時を司る精霊】様と……うひひ」


「うひょー!最強の匂いがぷんぷんしますわ〜♪」





「ムギ様……次の目的地決まりましたか……」


「ええ♪テレサ♪お世話になりましたわ〜

孤児院のみんなも本当にありがとうですわ〜」


「また遊びにきてくださいっ!」


「ムギ姉ちゃんまたね!」


「ムギお姉ちゃん!」


孤児院の子供たちとも挨拶ができました。


しばらく滞在した砂漠の国とも

ついにお別れです。




「さぁ、みんな♪

次は目指せ♪

エルフの森ですわよ〜♪」


「うひひ……!」


「おー♪」







次は最強の精霊様?を求めて



精霊使いと呼ばれるエルフ族の住む


エルフの森へ――



お姉ちゃんに早く帰ってこいと言われましたが


懲りないアマハラ家四女


ツムギの冒険は


まだまだ


続くようでございます――















読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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