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5話 冒険者のお姫様


幼くして事故で両親を亡くしてしまい、

貴族の地位を無くしてしまったリズは

自分の力で一から成り上がることを決意し

冒険者としての道を選びました。


元家臣のレオと昔から仲良くしてくれた

幼なじみであるカインと共に、

冒険者パーティを結成し今に至りますが

とある旅人三人組との出会いは

彼女の運命を大きく変える出来事となるのでした。


「我が主は魔法使い様のことを

とても尊敬し愛しておられます。

我々も旅の途中で恥ずかしながら資金難でして

良ければですがクエストを受けて

ご一緒しませんか?」


「なるほどです。

お話はわかりました。

我々もまだまだ駆け出しの身。

仲間が増えることはありがたいです」


「ねぇ!お歳はおいくつでらっしゃいますの!?」


「じ、13に、なります……」


「ほらぁ!ウララと同じ年齢ではありませんか!

やはりあなた様は魔法少女!魔法少女ですわ〜♪」


「魔法少女トゥインクル☆ウララですか?

まぁ絵本なら読んだことはありますが……」


「ウララはやはり世界中で愛されているのですね♪」


「ナーロッパが舞台にはなっていますが

実際の我が国の魔法使いは

ウララのような変身はしませんよ?」


「ええ〜!?変身しない〜!?

なぜですの!?」


「い、いや特に変身する必要なんて……」


「そんなのダメですわ?

リズ、いいですか?

あなたは変身して戦いなさい?

そして、あなたは【魔法少女】と

名乗るのですよ〜〜♪」


旅人三人組の主であるこの、

ムギという女に終始圧倒されるリズでしたが

不思議と悪い気はしません。


レオがリズに耳打ちをします。


「リズ。あのお供のひとり……

恐らくワーウルフと呼ばれる獣人です。

かなり爵位の高い貴族が大金を使い

用心棒として雇うと言われています。

相当な戦力の猛者なのは間違いありません。

隠していますがきっとあの主は

どこかの国の名のある貴族かと……」


「わかったわレオ。

敵意は感じませんし、問題ないと思います」


レオとリズはこっそりやり取りし、

旅人三人組としばらくクエストを

共にすることにしました。


このナーロッパ諸国での冒険者の登録は

他国からの難民なども多く、審査も甘い。

今回は正体を隠すためアヤメだけ登録をし、

ツムギとハクは同行者とだけ明記。

世界中から色んな人がこの

冒険者になるためにこの国へ訪れる。

冒険者として、結果を出したものには

分け隔てなく報酬が与えられる。


一から成り上がるのにこの冒険者というのは

とても便利でやりがいのある職となっているのです。







ツムギ一行とオズのメンバーは

近くのダンジョンでの鉱石の採掘の

クエストを受けて共に出発しました。


「それほど強力な魔物は生息していません。

お手軽なクエストで

お試しとしてはちょうど良いと思います」


レオとカインを先頭に

パーティはダンジョンを進みます。


入り組んだダンジョン内では

ツムギとハクが、見るものすべてに

いちいち大袈裟な反応をしています。


「きゃぁ!ハク!?はしたないですわ!」


「ニオイをつけとくわんっ!」


ハクは犬の頃と同じように平気で道端で用を足す。

見た目は人型なのでそれはそれは

とても恥ずかしい格好になってしまうのです。


「クスクス」


「す、すいません、お見苦しいところを……」


「アヤさんは気苦労が絶えなさそうですね……♪」


「お恥ずかしい限りです……」


「見てくださいまし!光る鉱石ですわ!

さっそくお宝発見ですわ〜♪」


「ムギさん!?それ鉱石に擬態した魔物です!」


「ほえ〜?」


「ガルル!」


一瞬にしてムギの手から鉱石魔物を咥えて

奪い取ったハクはそのまま

鉱石魔物を押さえ込み制圧。


「な、なんて速さだ……これがワーウルフ……?」


「アオオォーン!」


「魔物の群れです!」


ダンジョンの奥から大きなねずみや

ゴブリンなどの魔物が群れをなして現れます。


「相当な数です!みんなレオの後ろへ!」


カインがそう叫んだのもつかの間、

魔物の群れは

鬼人と化して筋力も技の鋭さも

全てがパワーアップしたアヤメの豪剣と、


獣人ハクの圧倒的な速度で

あっという間に制圧してしまいました。


「つ、強すぎる……!

A級クラスの冒険者並じゃないのか……!?」


オズのメンバーは恐ろしく強いこの二人に

圧倒されました。


「わたくしの自慢のお供でしてよ?」


「す、すごい、やはりムギさん、

かなりの高位な貴族様なのでは……?」


「それは内緒でしてよ?うふふ♪」


レオは盾役としてはとても優秀ですが

攻撃力には欠けます。

カインはリズを心配してついてきているだけで

元々剣の心得などもなくまさに、駆け出し。

リズは小さな炎の玉を放つ魔法が使えますが

3発も撃つともう魔力切れだそうで、

チームオズは泥試合のようなダラダラ戦闘を

毎回ダンジョンでし続けているそうです。


アヤメとハクの圧倒的な攻撃力と

横でただ応援しているだけ?のツムギのおかげで

パーティはたくさんの鉱石を回収し

無事に街へと戻りました。


すっかり仲良くなったツムギ一行と

チームオズは酒場で宴に興じます。


「す、すごいですアヤさんカッコイイ〜!」


「ハクちゃん鼻も利くんですね!すごい!」


「ハクとアヤは凄いのです〜♪むっふぅ〜♪」


お供を褒められて喜んでいるのはツムギの方。


「ねぇリズ〜?

明日こそは変身して戦ってくれますわよね〜?」


「だから変身する意味ないですってば〜……!」


「アハハ」


「クスクス」


異国の地にて大好きな魔法使いのお友達ができた

ツムギ様はとても楽しい日々を過ごしました。





数日後――


「ムギさん、とても金策に良さそうな

クエストがあるのですが……」


「あらあら〜♪お金のことはアヤに任せますわ♪」


「どんなクエストですか?」


「高額で取引されるお宝でして……

マンドラゴラの根。

森の蜂蜜。

トレントの魔法の花。

これらが全て、

魔法の森と呼ばれる森で取れるそうなのです

難易度は高いのですが

皆さんとならクリア出来るのではないかと」


「いいですね。ぜひ、チャレンジしましょう♪」


「冒険の匂いがプンプンしますわ〜♪」


「わんわんっ!!」






さて、明日は


魔法の森にて


お宝探し。


ここで


ツムギ一行は


とても素晴らしい


とある【お宝】を


手に入れることになります……









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