45話 ゴレダム
孤児院の裏、新芽と黒水が出たところから
少し行った先でノゾミは立ち止まった。
「ここがいいね!」
枯れた地下水脈の穴を使って道を切り開き
地下帝国へ行くという。
「こんな小さな穴から?
あたしやノゾミは
入れるかもだけどどうするの?」
「ボクは土の精霊だよ。穴掘りは得意なんだ♪」
ノゾミはそう言うと周りの
土、石、砂、岩などを集めだした。
「……大地に神秘の命を与え給え♪」
土や岩が一塊になり、なんとあっという間に
人型のゴーレムが出来上がったのです……!
「おおおお〜!」
「土魔法でゴーレムを作ったぁ!」
「とーう!」
ノゾミはゴーレムの頭の部分に入り、
コクピットのごとく操縦を始める!
「土霊機動巨人ゴレダム発進〜♪」
「うひょー!ロボですわ〜♪」
案の定ツムギはヨダレを撒き散らしながら
飛び跳ねて喜んでいます。
巨人とは言ってもノゾミから見ての巨人なので
ゴレダムは人間より少し大きい程度のサイズ。
小柄なツムギくらいならすっぽり収まりそうです。
「わーはっはっは♪
どうだい凄いだろう〜♪
ボクを讃えるが良い♪」
そのまま穴を掘り地下へ進み出したゴレダム。
「ノゾミゴレダム最高ですわ〜♪
みんなゴレダムに続きますわよ〜♪」
ゴレダムを先頭にツムギ一行は地下へと潜っていく。
絵本で見た近未来ファンタジーのお話に出てくる
ロボットにどうやらそっくりなようです……♪
地下1キロほど進んだあたりで
大きく開けた場所へ到達。
「ここが……!ドワーフの地下帝国ですのね〜♪」
「地下帝国は高温多湿だから体調に気をつけてね♪
あと、ドワーフは技術はあるけどみんな
人間とコミュニケーションを取るのが苦手でね。
怖がって逃げちゃうけど、ボクが一緒に居れば
大丈夫だとおもうよ〜!」
「ノゾミちゃん頼りにしてますわ〜♪」
ノゾミと同じサイズの小人を何人か発見。
「土の精霊様ではありませんか〜?
お久しぶりですね
人間を連れてくるとは一体……?」
「地上で石油を見つけたので取引がしたいんだ。
ボクがこの人間の仲介役をしている。
話ができる者はいるかい?」
「それならホビーと話すといいよ。
奥の倉庫にいるはずだ」
「ホビーだね!ありがとう♪」
「ノゾミはみんなお知り合いなのですか〜」
「顔を見ればわかる程度にはね?」
「ほえー!すごいですわ!」
今更ながら土の精霊様ってすごいんですね……!
その倉庫にたどり着くと
入口に可愛らしい小人の女の子がいた。
格好は何やら薄汚れていて
髪の毛もボサボサ。
ドワーフの職人さんは
こんな感じなのかな?と
思っていると……
「おぉー!アンじゃないか!
元気にしてたかい〜?」
「うひひ……土の精霊様……
やっと帰ってきたのね……」
「10数年ぶりだね〜しばらく地上にいてね〜♪」
「うひひ……人間たくさん……
獣人……異形の者……」
「アン。怖がらなくて大丈夫だよ。
ボクが信用して連れてきたんだ♪」
「うひひ……!」
「きゃわいい〜♡ムギですわ〜♪
よろしくお願いしますわ〜」
「うひひ……アンです……」
「ムギちゃん、彼女はボクと同じで
ドワーフのふりをした精霊なんだよ〜
古い友達なんだ♪」
「えええ♪精霊様ですの〜♪」
ツムギは早速アンちゃんを抱き抱え
よしよしを始める。
「うひひ……お触り……激しい」
「精霊が小人サイズなのではなく、
地下帝国に居るから
ドワーフに合わせた大きさってわけなのね?」
「うんうん♪そうだよリッカ〜♪」
「へえ♪そのアンは一体何の精霊様なの?」
「アンはすごいんだよ♪
運を司る精霊様なのさ♪ねーアン♪」
「うひひ……アンに触ると影響されますよ……」
「運を司る……!すごい!
まさかご利益を授かることができるのか!?」
信仰深いヤマトの民であるアヤメは
運を司る精霊に反応する。
「そうか、ムギちゃんやアヤは
神の国ヤマトの出身だったね♪
確かヤマト国にも似たようなのがいたんだけど……
なんて名前だったかな〜?」
「ノゾミもアンからご利益を受けたりするの?」
「もちろんさ〜♪アンの周りにいたら
それはもうすごいんだから〜!」
「おおお〜♪」
「そうそう、アンが果物を食べたいって言ったから
ボクは地上に果物を取りに行ったんだよ〜
地下には果物がないからね〜
そしたらボクはアラプトの王族に捕まってね♪
10数年ランプに閉じ込められるハメになったよ♪
わーはっはっは♪」
「……え?」
「うひひ……
土の精霊様……
果物取りに行ったら
10年たってやっと帰ってきた……
ウケる……うひひ」
「……ええ?」
「ああ!そうそう!思い出した!
ヤマトにいるアンと同族の名前!」
「……まさか」
「【貧乏神】っていう名前だよ〜!
わーはっはっは♪」
「ダメな方の運じゃねえかぁぁ!」
「ムギちゃん!そんなにアンに触ったら
とんでもない不運に見舞われるよ?
わーはっはっは♪」
「……うひひ。ごめんね?もう手遅れ」
「ええ〜?ふうん〜?
なんですのそれは〜♪
アンちゃんキャワイイです〜♡
お持ち帰りしたいですわ〜♪」
「貧乏神をお持ち帰りするなぁぁ!?」
「……ムギ様ぁぁあ!?」
貧乏神のアン登場〜!
ある意味いつも通りですが……
これはもう
地下帝国
不運続きのトラブル連発
間違いなしでございます〜♪




