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41話 願いごと


「わーはっはっは♪

なんて美味いメシを作るんだ!

気に入ったぞカエデ!

さぁ!

願い事を言うが良い♪」


「我が主様が可愛いお供達に囲まれて

幸せに暮らせますように……ポッ」


「もう充分お供いるじゃないか!?

願い叶ってるぞ〜!?」


カエデにすっかり餌付けされてしまったノゾミ。




「ボクと同じ体のサイズの奴と話すのは楽しいのだ

リッカ、お前も願いを叶えてやるぞ?

遠慮せずなんでも言うが良い!

わーはっはっは♪」


「さては狙ってるわねあんた!?

ムギの服の中はあたしの居場所なんだからね!?

ヒナはもう仕方ないから許したけれど!

ちょっと小さいからって譲ってあげないわよ!?」


「リッカ、逆デス、ヒナノポジションニ

リッカガ入ッテキテイルノデス

遠慮シテクダサタイ。カシャカシャカシャ……!」


「ボクそんなこと一言も言ってませんけどぉ!?

願いが主の服の中にいること!?はぁ?」


ミニサイズの二人は

ツムギの服の中が大好きなのです……








「犬の獣人?いや、狼?イタチ?

へぇ!?雷獣というのかい?

なんだ、ならボクと近しい存在じゃないか!?

お近付きの印だ!

なんでも願いを叶えてやろう!

わーはっはっは♪」


「主様とかけっこしたいわんっ!」


「知るかぁ!勝手にやれよ!?

小さな幸せの積み重ねかよ?尊いな!?」


ヤマト国を出発したあの日以来、

世界中を旅するこの冒険はハクにとって

毎日がツムギとのお散歩なのです♪







「君も珍しいね?パンダっていうのかい?

武術を嗜んでいると?ふむふむ。

いいだろう?ボクにかかれば君の力を

さらに増幅させられるかもしれないよ?

さぁ!高みを目指したいだろう!?

願い事をいってみろ!

わーはっはっは♪」


「チャイ拳猫熊流は一子相伝アル……

弟子が師を超えた瞬間こそ

にゃーの願いが叶う時にゃ!

ムギムギ!ついてこい!

修行の道は険しいにゃ~!」


「押忍ぅぅ♪マオマオ師範〜♪」


「おい〜?その主、戦闘のセンスゼロだよ!?

素人でも鈍臭すぎるのわかるだろぉぉ!?」


ツムギのチャイ拳修行は

まだまだ始まったばかりなのでございます……







「鬼とは確か冥界の使者だね?

ボクも初めて見るよ。

不老不死の存在が望む力とはなんだい?

ボクは君への興味が尽きないよ♪

わーはっはっは♪」


「この刀が喋ってばかりですぐ

ヨダレを垂らすのをなんとかしてくれ」


「なんやアヤ!?鬼の肌はカサカサになるて

心配して変なクリーム塗ってたのばらすぞ!?

ワイのヨダレで潤しとけやゴラァ!」


「お、おい!チドリ!変なこと言うな!?

わたしが今更お肌ケアをしていたなど……

絶対みんなに言うんじゃないぞぉ〜!?」


「あひゃひゃひゃ!おーいみんな聞いてくれ〜♪」


「や、やめろぉぉお!」


「……一体ボクは何を見せられているんだい?

ただの相棒とのイチャイチャじゃないか……」


なんだかんだと相棒となっている二人なのです……







「ウララちゃんと言ったね?

君はまだ若いから願い事があるだろう?

さぁ、ボクになんでも聞いてごらん?」


「ウララの夢ですかぁ〜☆

星のキラメキの恋を応援したり〜☆

パンを咥えて走ったら王子様とぶつかったり〜☆

お菓子の家に住んでみんなを招待したり〜☆」


「夢見る乙女の思考意味わかんない〜難すぎ〜!」


何を言ってるかよくわからない絵本の主人公は

絵本あるあるの権化なのです。


「……。

お、おい、き、君は……

むしろ精霊の類ではないのか?」


「な、何のことぷる〜!?」


マスコット的な何かのプルルはなぜか

ノゾミから逃げ出した……。





「はぁ、まったく、この旅芸人一座は

どうなっているんだい……」


なぜか願いを叶えさせてくれない

旅芸人一座に呆れて宿に戻ったノゾミは

異様な雰囲気を持つ存在に気づく……!


「可愛い子をまた連れてきたんだねぇ?

ケタケタケタ♪

まったく、うちの姫さんは手に負えやしない」


「……!(悪魔!?こいつ悪魔じゃないか!?

寝てるだけだと思ったら……

そうか!?

こいつがこの一座を洗脳していて

誰もまともな願いを言わないんだな?)」


「ケタケタケタ♪

面白いねぇ?

洗脳というなら姫さんこそ

あちきらを洗脳しているでありんす♪」


「(うお!?思考を読まれた……!?)

お、おい!ボクは騙されないぞ!?

お前悪魔だろ!!」


「ほら、美味しい蜂蜜でも食べて

ゆっくりしやんせん。

あちきは寝てばっかりで疲れたから

水浴びでもして散歩してくるでありんす〜♪」


蜂蜜を口に突っ込まれたノゾミは

夢中で蜂蜜を舐めまわしている。


「うんまっ!この蜂蜜うんまっ!

……は!し、しまった!?

悪魔め!ボクを餌で釣るとは

なんと姑息な手段を……!覚えてろ〜!?」


ノゾミちゃん……あなた……

ご飯くれた人みんなに釣られてますよね……?





その日の夜――


「この一座の連中は理解不能だよ……

欲はあるけれど、全て誰かのためばかり。

ボクの中の常識が覆されるよ……」


「ぎゃはは。

妾も娘にはしてやられてのう……

仕方ないから余生を

この謎の一座と共に過ごすことにして

今に至るのじゃ」


「ボクにはわかるよ?君も人間じゃぁないよね」


「そうじゃな……

そもそも、あの娘は動物が好きなんじゃ。

人間なんざあの娘からしたら

たくさんの動物の中の1種にすぎんよ」


「そうか……世間知らずはボクの方だったのか」


「気になるならついてこい?

きっと退屈はせんぞ?」


「ふふふ。

そうか。

仕方ないな……

ヒスイと言ったね

君のその願い、

ボクが叶えてあげるよ……」


「それはどーも。ぎゃはは♪」






砂漠の国の


とある村の宿屋では


今日も


美味しいご飯とお酒を楽しむ


妙な旅芸人の一座が


泊まっているそうです――






あれ?


いやいや……


あなたたち旅芸人じゃありませんよ……!?







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