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40話 メシをよこせ!


「うんまっ!この蜂蜜うんまっ!」


瓶に入れて持ち歩いているリッカ特製蜂蜜に

どうやら満足して貰えたようです。


「わーはっはっは♪

苦しゅうないぞ!

願いを言ってみろ!」


「ご飯をくれたら誰の言うことでも聞くのね……」


リッカが残念な顔で見つめる。


「ランプの精様〜♪近くにある村と孤児院に

植物と水の恵みを与えて欲しいのですわ〜♪」


「なに!?植物と水は散々与えているだろ?」


「あらあら〜?王宮オアシスの街は多分

与えてもらってるのでないでしょうか〜?」


「……む!?」


「王宮から少し離れた村は砂漠化が進んでるわよ」


「むむむ!?」


何やら噛み合わない。


「ボクは王宮の連中の願いを叶え続けているぞ!

恵みと富を得て王宮は栄えているよな?」


「そうなのですね〜……

たしかに

面白いものや珍しいものは

高価で買い取りしてくれるとのことで

行商人も毎日通うほど

王宮は栄えていますが……」


「そうか……ふむ。

なら王宮にだけ雨を降らせてしまい

周りの村はその影響で雨が奪われている

恐れがあるな……」


「ランプの精様は雨を降らせることが出来るのですか〜?」


「できるぞ!すごいだろ!メシをよこせ!」


持ち込んだパンに蜂蜜をたっぷり塗って渡す。


「うんまっ!パンうんまっ!」


リッカやヒナより少し大きい程度の精霊様。

小さいながらも

人間サイズのパンをペロッと平らげてしまう。


「ボクはそもそもはランプの精霊じゃないんだ。

元々は土の精霊。

この王宮には大きな地下水脈があるからな。

大地を温めて蒸気を発生させ

雨を降らせることができる。

でも言う通り、そのかわり周りの水分も奪うから

王宮以外の雨を奪う結果になっているかもだな?」


「あらあら〜?」


「土の精霊なのね?あんたの力を王宮が

独占してるってこと?ご飯くれるから?」


「王宮のご飯が美味しいってのはもちろんだけど

それよりも、ボクはこのランプから抜けれないんだ」


「どういうことですの〜?」


「このランプはアラプトの国宝と呼ばれる

精霊を封印することができる魔法のランプ。

つまり、魔法のランプで封印している

土の精霊ってのがボクの正体さ。

だからボクはここから出られないし

王宮の外のことはわからない……」


「あらあら〜なんと……!」


「やっぱり王宮がこの精霊を独占してるんじゃん」


「困りましたわね〜」


「その村はボクの力の届く範囲外だ。

悪いね。君たちは村の人間なのかい?」


「いえ〜わたくし達は旅の者でして……」


「……は?どういうことだい?

願いを自分のことではなく

旅先の村のために使おうとしたのかい?」


「……うちのボスはちょっと変わってるのよ」


「……へえ!?そんな人間初めて見たよ!?

みんな欲にまみれて自分のためにしか

ボクの力を使おうとしなかったのに!?」


「あらあら〜♪

お世話になったので恩返しでございますよ~♪」


「……お世話したのはあたしらだけどね?」


「……そうか、

君の力になってあげたいところだけど

悪いね……」


「ランプの精様はずっとこちらにおられるのですか?」


「ああ。ランプに縛られているのは誓約でも

あるんだ。ここから動けない代わりに

ボクの力を増幅させている」


「あらあら〜ランプの精様は

どうされたいのですか?」


「どうもなにも……

ボクはご飯をくれる人の願いを叶えるだけさ♪」


「まぁまぁ〜それでは息苦しいでございましょう?」


「ボクを心配しているのかい?

つくづく面白い人間だね。

ボクは今までボクを利用しようとする人間にしか

会ったことはなかったね……」


「ランプの精様は自由に生きるべきですわ♪」


「……ムギあんたまさか……」


「ランプの精様。

皆の願いを叶えるあなた様には

希望という意味の【ノゾミ】という名を授けましょう」


「ボクに名前を?ふふ。変わった人間だね?」


「ヒナ〜♪」


「マイマスターイツデモ発射オーライデス」


「なんだか気に食わないので

ぶっ壊してさしあげますわ♪

マジックカノン♪ばきゅうん♪」


「お、おい!?お前ランプを……!?」




……ドン!!








こちらは王宮内の行商人たちの控え室。


「ムギっち大丈夫かな〜☆」


「主様はやる時はやるお人わんっ」


「リッカとヒナがついてる大丈夫にゃ!」


芸の披露を終えツムギの戻りを待つ三人だったが


キラービーが控え室に一匹入ってきた。


「にゃ!あれは!」


「来たわんっ!撤退だわん!」


「はーい☆にぱー♪」









村の孤児院――


孤児院のお世話お手伝いを

担当してくれているカエデと

村の護衛がてら

ジャンヌに剣の稽古をつけているアヤメのお出迎え。


「主様が戻られました」


「ムギ様おかえりなさいませ」


「ただいまですわ〜♪」


王宮侵入組。

ウララ、ハク、マオマオも共に戻ってきました。


「いかがでしたか?」


「すいません〜

謎のジョウカ?さんは

見つけれなかったのですが……」


「そうですか……お疲れ様でございます」


「代わりにランプの魔人様を連れてきました♪」


「おう!メシをよこせ!

腹が減ったぞ!

すれば願いを叶えてやろう♪

わーはっはっは♪」



「……え」


「……え?」






ええええええ~~~!!??







さすがツムギ様です……






ランプの精、ランプの魔人


改め


土の精霊


【ノゾミ】ちゃん


連れてきちゃいました……!!









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