28話 レイドツアー
――ドラゴン――
竜と呼ばれるその生物はこの世界において
最強と呼ばれる存在。
賢さにおいてこの世界を支配したのが人間。
強さにおいてこの世界を支配したのが竜。
竜の伝説は世界中にあるが
今この世界では竜の存在は数匹のみとされている。
そのうちの一匹がいるのが
このフロンティア合衆国から
南へ下った密林ジャングルの国アマゾネス。
竜を神の化身と崇めている部族国家である。
今竜に会うならば間違いなくここ――。
他の竜は存在場所が不明だからだ。
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「ドラゴン退治レイドツアー!!??」
「まさかのこのタイミングで
こんなツアーがあるなんてね……」
「ウララちゃんまさか知ってたわけじゃ?」
「いえいえ!まさか!初耳ですぅぅ☆」
アマゾネスの竜は世界でも有名。
最強の竜を倒せば
その皮膚や爪、肉まで最高値で取引される。
そして何よりも最高の名誉を手に入れることとなる。
今回ナーロッパ諸国の冒険者ギルドにて
企画されたこの
ドラゴン退治レイドツアーは
複数の腕利きの冒険者が手を組み
最強生物ドラゴンを倒そうと
レイドバトルを仕掛けるツアー企画。
「わたしが一応冒険者登録をしていますので
間に合うようであれば参加の打診をしてきます。
すぐ近くに冒険者ギルドの
フロンティア支部がありますので……」
「ウララちゃん問題ありませんか〜?
ちょっと大所帯になるかもですが……」
「ウララは大丈夫ですぅぅ!ぜひ☆」
「よしよし、では決まりですわね〜♪
アヤぽん、すぐに
ツアーのお申し込みをお願いしますわ〜♪」
「……かしこまりました」
「ドラゴン退治楽しみにゃ!」
「ドラゴンの肉を斬りてぇええ〜!!」
「わんっ!」
今回はウララちゃんの前世界での心残り……
唯一勝てなかったというドラゴンの討伐。
「とんでもなく強いとのことです」
「鼻息かけられただけで人間は潰れるらしい」
「マイマスター。ヒナ怖イデス」
「そんな無謀なドラゴン退治ツアーなんて
よく企画通ったねぇ?」
「ええ。それには明確な理由がございます」
「理由?」
「はい。
世界一強いと言われている
最強冒険者が
このツアーの主催者だからです」
「世界一の冒険者!?」
「はい。とても有名なお方です……
今この世界において
唯一、ドラゴンを倒したと言われている
最強冒険者【スイ】。
【ドラゴンキラー】と呼ばれています
名実ともにこの世界で最強の人間……」
「なるほどね。このスイがいるから
みんな便乗して参加しているのね」
「ぐふふ〜ドラゴン〜ドラゴン〜♪
なんてお名前付けようかしら〜♪」
「うわ!?名前つける気満々だ!!」
「……え?リッカちゃん?
つけないわけないでしょう?」
「ムギがドラゴンをペットにする気だわ〜!?」
「えええ!ドラゴンをペットにぃぃ〜!?」
ウララちゃんはひっくり返っている。
「まぁムギがドラゴン退治なんて
目的はそれしかないわよね」
「ぐふふ〜♪ドラちゃん〜うへへ」
妄想の中ではすでに名付けが終わっているようです
。
「ドラゴンてのは相当賢いと聞くよ?
最強であることに誇りを持っているらしいから
おそらくあちきらで相応の力を示さないと
付いてくるとはおもえないけどねぇ?」
「ボタン……
夢の中で洗脳して……
どうにかならないかしら〜?」
「姫さん!?
洗脳して仲間にするのは
違うでありんす〜!」
「で、ですわよね!?
い、嫌ですわ?
冗談に決まってるじゃありませんか〜
おほほ……おほほほほ♪」
「む、ムギが手段を選ばなくなってきてる……」
「冗談ですってばぁ!リッカちゃん〜!!」
「チャイ拳がどこまで通用するのか
純粋にチャレンジしたいアル!」
「ハクの雷効くわん?」
「どうだろね?」
戻ってきたアヤメ。
「申し込みしてきました。
ツアーに向かう前にあまりに実力のない者は
主催者が失格にするらしいので
簡単な試験があるようです
ただのおこぼれ頂戴組を振り払うのでしょう」
「いいアルネ!最強冒険者とやらを
まず見れるわけにゃ?腕がなるにゃぁ♪」
「最強冒険者と、最強生物かぁ」
「ドラゴンキラーか、楽しみだな」
「ドラゴンの肉を斬らせろぉぉぉ!!」
「チドリうるせえ!」
集合は冒険者ギルド、フロンティア支部!
――そしてギルドツアー当日――
ワイワイ……
ガヤガヤ……
「相当な数ですね……」
「冒険者様がたくさんですわ〜♪
ナーロッパを思い出しますね〜♪」
100人近く集まっているだろうか……
パーティ毎に固まるように指示がでている。
「どうにゃ?アヤ」
「うむ。たいしたやつは居なさそうだな?」
「 斬りがいのあるやつぁおらんなぁ?」
アヤメやマオマオからすれば
もうその辺の冒険者程度では
もはや恐れるに足らずなのです……
「選抜試験はどんな内容なのかしらね?」
「個別よりパーティ毎の力量をはかるようです」
「個別だと姫さん落ちるでありんす〜」
「あらあら〜?
もうわたくしにはヒナがおりますから
そう簡単には落ちませんわよ〜?」
「マイマスター、オ任セヲ……カシャカシャ!」
「へ、変身しとかなくて大丈夫でしょうか〜☆」
「大丈夫ぷる〜☆」
みんなリラックスできている所へ
ついに主催者が現れる……
――覇気――
と呼ぶのが一番わかりやすい
その者のもつ
威圧、雰囲気、格の違い
それらを全て一言で伝えるなら
王者の覇気を纏っている――
現れたその、最強冒険者は
決して名ばかりの冒険者などではなく
場に現れただけで
この空間を
支配してしまっていた――
「お、おい、まさか……これほどとは……」
「何アルかあれ……ほんとに人間にゃ……?」
「ガルル……!」
「アヤ?マオマオ師範?どうしたのですか〜?」
「ムギ様……
正直舐めていました……
撤回致します……
あの、スイという冒険者……
我々全員で束になっても……
おそらく勝てません……!」
「……ええ!?」
「さぁ……!妾を楽しませてくれる
面白そうなヤツはおるかのう?」
世界一と呼ばれる最強冒険者
【ドラゴンキラー】のスイ。
その最強の女は圧倒的覇気を纏いながら
その場に現れたのでございます……




