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28話 レイドツアー


――ドラゴン――




竜と呼ばれるその生物はこの世界において

最強と呼ばれる存在。


賢さにおいてこの世界を支配したのが人間。


強さにおいてこの世界を支配したのが竜。


竜の伝説は世界中にあるが


今この世界では竜の存在は数匹のみとされている。


そのうちの一匹がいるのが

このフロンティア合衆国から

南へ下った密林ジャングルの国アマゾネス。


竜を神の化身と崇めている部族国家である。


今竜に会うならば間違いなくここ――。


他の竜は存在場所が不明だからだ。







⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆








「ドラゴン退治レイドツアー!!??」


「まさかのこのタイミングで

こんなツアーがあるなんてね……」


「ウララちゃんまさか知ってたわけじゃ?」


「いえいえ!まさか!初耳ですぅぅ☆」


アマゾネスの竜は世界でも有名。

最強の竜を倒せば

その皮膚や爪、肉まで最高値で取引される。

そして何よりも最高の名誉を手に入れることとなる。


今回ナーロッパ諸国の冒険者ギルドにて

企画されたこの

ドラゴン退治レイドツアーは

複数の腕利きの冒険者が手を組み

最強生物ドラゴンを倒そうと

レイドバトルを仕掛けるツアー企画。


「わたしが一応冒険者登録をしていますので

間に合うようであれば参加の打診をしてきます。

すぐ近くに冒険者ギルドの

フロンティア支部がありますので……」


「ウララちゃん問題ありませんか〜?

ちょっと大所帯になるかもですが……」


「ウララは大丈夫ですぅぅ!ぜひ☆」


「よしよし、では決まりですわね〜♪

アヤぽん、すぐに

ツアーのお申し込みをお願いしますわ〜♪」


「……かしこまりました」




「ドラゴン退治楽しみにゃ!」


「ドラゴンの肉を斬りてぇええ〜!!」


「わんっ!」


今回はウララちゃんの前世界での心残り……

唯一勝てなかったというドラゴンの討伐。


「とんでもなく強いとのことです」


「鼻息かけられただけで人間は潰れるらしい」


「マイマスター。ヒナ怖イデス」


「そんな無謀なドラゴン退治ツアーなんて

よく企画通ったねぇ?」


「ええ。それには明確な理由がございます」


「理由?」


「はい。

世界一強いと言われている

最強冒険者が

このツアーの主催者だからです」


「世界一の冒険者!?」


「はい。とても有名なお方です……

今この世界において

唯一、ドラゴンを倒したと言われている

最強冒険者【スイ】。

【ドラゴンキラー】と呼ばれています

名実ともにこの世界で最強の人間……」


「なるほどね。このスイがいるから

みんな便乗して参加しているのね」


「ぐふふ〜ドラゴン〜ドラゴン〜♪

なんてお名前付けようかしら〜♪」


「うわ!?名前つける気満々だ!!」


「……え?リッカちゃん?

つけないわけないでしょう?」


「ムギがドラゴンをペットにする気だわ〜!?」


「えええ!ドラゴンをペットにぃぃ〜!?」


ウララちゃんはひっくり返っている。


「まぁムギがドラゴン退治なんて

目的はそれしかないわよね」


「ぐふふ〜♪ドラちゃん〜うへへ」


妄想の中ではすでに名付けが終わっているようです

。


「ドラゴンてのは相当賢いと聞くよ?

最強であることに誇りを持っているらしいから

おそらくあちきらで相応の力を示さないと

付いてくるとはおもえないけどねぇ?」


「ボタン……

夢の中で洗脳して……

どうにかならないかしら〜?」


「姫さん!?

洗脳して仲間にするのは

違うでありんす〜!」


「で、ですわよね!?

い、嫌ですわ?

冗談に決まってるじゃありませんか〜

おほほ……おほほほほ♪」


「む、ムギが手段を選ばなくなってきてる……」


「冗談ですってばぁ!リッカちゃん〜!!」


「チャイ拳がどこまで通用するのか

純粋にチャレンジしたいアル!」


「ハクの雷効くわん?」


「どうだろね?」



戻ってきたアヤメ。


「申し込みしてきました。

ツアーに向かう前にあまりに実力のない者は

主催者が失格にするらしいので

簡単な試験があるようです

ただのおこぼれ頂戴組を振り払うのでしょう」


「いいアルネ!最強冒険者とやらを

まず見れるわけにゃ?腕がなるにゃぁ♪」


「最強冒険者と、最強生物かぁ」


「ドラゴンキラーか、楽しみだな」


「ドラゴンの肉を斬らせろぉぉぉ!!」


「チドリうるせえ!」




集合は冒険者ギルド、フロンティア支部!







――そしてギルドツアー当日――



ワイワイ……

ガヤガヤ……


「相当な数ですね……」


「冒険者様がたくさんですわ〜♪

ナーロッパを思い出しますね〜♪」


100人近く集まっているだろうか……


パーティ毎に固まるように指示がでている。


「どうにゃ?アヤ」


「うむ。たいしたやつは居なさそうだな?」


「 斬りがいのあるやつぁおらんなぁ?」


アヤメやマオマオからすれば

もうその辺の冒険者程度では

もはや恐れるに足らずなのです……



「選抜試験はどんな内容なのかしらね?」


「個別よりパーティ毎の力量をはかるようです」


「個別だと姫さん落ちるでありんす〜」


「あらあら〜?

もうわたくしにはヒナがおりますから

そう簡単には落ちませんわよ〜?」


「マイマスター、オ任セヲ……カシャカシャ!」


「へ、変身しとかなくて大丈夫でしょうか〜☆」

「大丈夫ぷる〜☆」



みんなリラックスできている所へ

ついに主催者が現れる……





――覇気――


と呼ぶのが一番わかりやすい


その者のもつ


威圧、雰囲気、格の違い


それらを全て一言で伝えるなら


王者の覇気を纏っている――


現れたその、最強冒険者は


決して名ばかりの冒険者などではなく


場に現れただけで


この空間を


支配してしまっていた――



「お、おい、まさか……これほどとは……」


「何アルかあれ……ほんとに人間にゃ……?」


「ガルル……!」


「アヤ?マオマオ師範?どうしたのですか〜?」


「ムギ様……

正直舐めていました……

撤回致します……

あの、スイという冒険者……

我々全員で束になっても……


おそらく勝てません……!」


「……ええ!?」






「さぁ……!妾を楽しませてくれる

面白そうなヤツはおるかのう?」


世界一と呼ばれる最強冒険者


【ドラゴンキラー】のスイ。


その最強の女は圧倒的覇気を纏いながら


その場に現れたのでございます……










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