24話 魔導銃
銃の練習場を貸し切って
特訓に奮起するツムギとその一行。
ツムギの横では
「アハハハハ! おいアヤ!?
お前、ワイを手にしといて負けたら
許さんからな?」
「……いちいちうるさいやつだな!?」
「ぁあ、はよぅその鬼女を斬り刻みてぇぇ!
いくら斬っても死なへんのやろぉ?
斬り放題のニンゲンなんて最高やないかい〜♪」
「下品な発言を控えろチドリ!」
「ぁぁたまらんわ〜……じゅるり」
「……おい?
柄の部分でヨダレを垂らすんじゃない!?
手が濡れるだろう!?」
刀の稽古に励むアヤメと妖刀チドリ。
「また癖の強いのを擬人化したわねムギ」
「うふふ〜♪ 早くアヤぽんとチドリは
仲良くなって欲しいですわ〜♪」
もうひとつ横では
マオマオが
カエデの雷魔法を避ける特訓をしている。
「さすがに雷の速度には勝てないアル。
撃たれる前に止める特訓にゃ!」
呼吸で先読みし、
撃たれる前に止めるという
マオマオならではの特訓。
ピシャァァ!
ゴロゴロ!
しかし――
「キャインキャイン!!」
雷鳴を聞いたハクが過剰に反応してしまう。
「ハク? 大丈夫でありんすか?」
ハクはその横でボタンの幻影を
追う特訓をしていたのですが……
カエデの雷魔法を横で聞くと
身体がすくんでしまっている。
「くぅぅん……」
「雷がトラウマになっているでありんす……」
ハクはあれ以降
雷に苦手意識を持ってしまったようで
雷鳴に身体が反応してしまう。
「うぅ……ダメだわん……」
「……休憩にするでありんす」
「ハクは苦戦してるわね……
なんとかしてやりたいところだけど
こちらのムギの銃の腕前も
さっぱり上達しないしねぇ」
「あらあら〜♪」
「わざと的を外してるんじゃないかと疑うほどよ?
いい加減一発くらい当てなさいよね!」
「うへぇ……リッカちゃんたら怖い〜
面目ありませんわ〜」
「うわ、チドリあいつすごいね?
刀身が伸び縮みしてる。
刀の形状自体が
自在に変化してるってこと?」
「ほえ〜?」
チドリは長くなったり大きくなったりして
形状変化をしている。
それをうまく扱えるようになるよう
アヤメと息を合わせて稽古中。
「あらあら〜いい相棒になると良いですね〜♪」
「ムギあんたも早く銃と相棒に……
ん?
……てかさ?
そういや……
刀に名付けしたってことは……
その銃にもあんた名付けしてなかったっけ?」
「まぁまぁ〜ヒナちゃんですわ〜♪」
「だから、火縄銃じゃないってば……」
その瞬間――
カッ!
魔導銃は光り輝く。
「あっ! もしかして!」
「あらあら〜♪ この感じは〜♪」
……。
……。
見た目は何も変化はない。
「何もならんのかいっ」
「マイマスター。素敵ナ名前ヲアリガトウゴザイマス」
「あっ!」
「え! 喋った!?」
カシャカシャカシャ……!!
魔導銃はあっという間に
形状変化し
機械仕掛けの人形のような姿になってしまった。
――銃型人形【ヒナ】の誕生でございます――
「マイマスター。ヒナハ顕現デキテ光栄デス」
「きゃぁぁぁぁ! 可愛い〜♪♪」
「うわぁ! ほんとに擬人化したぁぁあ!?」
「人形? いや、ロボ! ロボでございますわ〜♪」
「人形デモロボデモ、好キニオ呼ビクダサイ」
「みんな〜!!!」
みんな集まり改めて
銃型人形ヒナを確認する。
「刀に続き銃まで擬人化させてしまうとは
我が主様……あなたというお方は本当に
奇跡の人でございます……うるうる」
「ヒナ? あんたムギが下手すぎて
的に当たらないのをなんとかしなさいよね?」
「オ任セヲ。
マスターガドコヘ向ケテ発射シテモ
必ズ百発百中ヲ約束シマショウ」
「おお〜!!」
「やってみますわよ〜! ばきゅうん♪」
ズドォーン!
見事に的のど真ん中に命中する魔導銃の魔法の弾。
「やりましたわ〜♪」
「やったやった!」
ぱちぱちぱち……!
「マイマスター。魔力ノ装填ダケハ
オ忘レナキヨウニ、オ願イシマス」
「ヒナちゃぁぁん♪」
銃型人形にスリスリしているツムギ。
「アハハハハ!
うちの大将はモノに命を吹き込む
能力者かいな?えらい能力やな!?」
「……わたし達も驚いているよ……」
「姫さんさすがでありんす〜♪」
「ムギムギはやっぱり面白いにゃ!」
「アオォォーン!!」
「マスターヲオ護リ致シマス。カシャカシャ!」
鬼人。
犬の獣人。
神木。
女王蜂の魔物。
パンダの獣人。
夢の中の悪魔。
妖刀。
銃型人形。
ツムギの顕現のお力は留まることを知らず
どんどん少し変わった仲間を増やしていきます。
「今日はお疲れ様ですわ〜
帰って美味しいディナーにしましょう〜♪」
わーい!
増えた仲間と共に
みんなで仲良くお食事に。
ピリッ……
「……?」
「カエデ? どうしたの?」
「ん? いえ……なんだか
足元が、ピリッとしたような……?」
「足元? 飛んでるあたしにはわかんないわ」
「……気のせいでしょうか……
魔法の類なら認識できるのですが……」
「ディナー♪ ディナー♪」
浮かれて踊っているツムギ一行。
「……へへ。見つけたぜヨミ様」
「よくやった土雷神」
「さて、出陣ですね」
「まったく逆方向の街にいる」
「おかしいな? なぜこんな綺麗に逆方向へ……」
「毎夜なんだか嫌な夢を見る気がするな?」
「ええ。さっさと標的を捕らえて
こんな夢見の悪い国はおさらばしましょう」
「よし、お前ら。アマハラの四女と
鬼の者以外は殺してもかまわん。
ぬかるなよ?」
「前回は手加減にモヤモヤしていましたからね、
今回は本気で討たせてもらいますよ……」
「俺はハナから手加減なんざする気はねぇぜ?
なんせ俺の可愛い弟分……
伏雷神をやってくれた奴らだからよぉ!?」
「出陣だ!」
さぁ……!
イザナミ家の刺客が来る!
新たな仲間を手に入れたツムギ一行と
暗殺部隊との対決の時が迫ります!
次回バトル突入ですよ〜!




