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20話 開拓の地へ


「わたしはこの悪魔にはきちんと

謝罪をさせないと納得できません!」


「あらあら〜?」


「なんだい鬼のお姉さん?

詫びにいい男の夢を見せてやるでありんす。

目を覚ましたくなくなるほどの

すんごい濃厚なやつさね」


「ほら!これこれ!こういうこと言うから!」


「まぁまぁ〜♪アヤはもう

ボタンと仲良くなりましたのね〜♪」


「む!……ムギ様ぁ!?」


「獣人だの神木だの色んなのがいて

面白い一味だねぇ。

けど、あちきが1番興味が湧くのは

お前さんだよ鬼のお姉さん……

冥界の使者である鬼は

あちきら悪魔と近しい存在さね。

ほら仲良くしようじゃないかぁ」


「……う!おい!わたしが言っているのは

ムギ様には刺激が強すぎるということ!

色欲の話は控えろと言っているんだ!」


「なんだい?つまんないねぇ……」


「ふごふご!大丈夫よアヤぽん〜

わたくしももう大人の女ですわよ〜♪」


「ムギ様!無理があります!

耳まで真っ赤で鼻の穴めちゃ広がってます!」


「ふごぉっ!?」


「主様のことはきちんと縁談が来るまで

私たちでお護りするのでございます……」


「うふふ〜みんな心配ばかりして〜

へっちゃらウララですわ〜♪」


「大人の女はへっちゃらウララなんて言いません」


「えええ〜!そうなんですの〜!?」


「まったく、うるさい小娘たちね。

あーあたしちょっと卵産んでくるわ〜」


「う、う、産むぅぅ〜!?」


「リッカ!あなたまでやめなさい〜!」


「アハハ♪」




ガールズトーク?に華を咲かせる

ツムギ一行はただいま船の上。


次の目的地はフロンティア合衆国。

モノづくりなどの

生産スキル持ちが多いと言われている

移民で栄えた開拓の国でございます。


従者が増えたこともあり、

武器や装備を揃えたいという目的のもと、

フロンティア合衆国へ向かう船の中なのです。


インディ国においては

夢の中でツムギ一行のみんなを洗脳しようとして

実際マオマオ以外は半分

洗脳されかけていましたから

アヤメもさすがに授名されたとは言え

ボタンには警戒をしてしまっている。


「気に食わなかったらね

いつでもあちきを刺していいよ、鬼のお姉さん。

あちきは現実世界じゃあ

たいした戦闘力もないからね?

眠ってる相手を洗脳するくらいしか脳がない。

それでも、あちきをこの世界に呼んでくれた

姫さんには感謝しているんだ。

あちきに何ができるかはわかりゃしませんけど

姫さんの力になることだけは約束するよ」


「むぅ……おかしな真似はするなよ?」


「それよりもさ〜

冥界の話を聞かせておくれよ〜

鬼のお姉さん〜」


「……う!わたしは黄泉の国で

契約して鬼化したわけではなくてだな……」


「あれまぁ、そうでありんすか〜残念だねぇ」









「あの船だな」


ツムギ一行の乗る船の後ろを着いてきている

小さな船がひとつ。


「はい。見つけましたヨミ様」


「殺すなよ?目的は捕獲だ。

四女と鬼人と獣人がいるはずだ」


「わたしのスキル【縮地法】なら

瞬時に移動はできますが、

どうも、あの船……?」


「どうした?鳴雷神よ」


「いえ、あぶないですねアレは。

このまま突入していたら

やられていたかもしれません……」


「なんだと?」


「恐らく結界と呼ばれる魔法の類いですね。

ナーロッパに行っていたとのことですから

魔法使いの連れがいるのでしょう」


「お前の縮地で突破できんほどなのか?」


「ええ。相当強力ですね……

我々暗殺稼業の者は奇襲にて

初手を取れないと危険を伴いますので」


「ふむ。アレはフロンティア行きだろう?」


「そうですね。どうしますか?」


「いや。今行こう。

入国されてから追うほうが

行動範囲が絞れん」


「かしこまりました。私が先に縮地で突入し標的を

示唆しますので、その後ヨミ様は続いてください」


「うむ。行くぞ!」







「!?」


「カエデ?」


「なにか来ます!」


ガールズトークに夢中だった全員が

一瞬で目付きがかわる!


バリバリバリ……!!


「結界を破った!?」


「縮地法!雷鳴発破!」


「チャイ拳!壁《へき》!」


どん!!


バリバリバリ……!!


「きゃぁぁぁぁ!!」


船内は一気に大混乱!


わーわー!


ワーワー!


「あれまぁ、えらい派手やねぇ?」


「ボタン!カエデ!ムギ様をたのむ!」


前線にアヤメ、ハク、マオマオ。


後ろのツムギの周りにはボタンとカエデ。


リッカは空高く舞い上がり

上空からすぐに状況を確認。


「防がれた……まさかチャイ拳の使い手?

予想より取り巻きがかなり増えていますね?」


「あいつ早すぎるにゃ!」


「いまの雷鳴はまさか……?

またイザナミの人間か!?」


「チャイ拳使いと魔法使いがいるのか

考えている暇はないな?」


「アオォォーン!!」


ハクが鳴雷神に飛びかかる!


「雷鳴発破!」


バリバリバリ……!


「キャウン!!」


雷を浴びてしまうハク……!


「チャイ!拳!ぐー!!」


「縮地法!」


どごおん!


「避けられたにゃ!?」


鳴雷神のスキル【縮地法】とは

標的にしたモノの元へ、一瞬で移動する

瞬間移動能力。移動速度は音速を超える。

それと同時に発生する雷鳴により

一撃で標的をしとめる

八雷神の中でも速度に特化した暗殺者。


マオマオが瞬時に止めなければ

既に初手でひとりやられていたことでしょう。


ハクは雷を受けてしまいダウン。


マオマオが鳴雷神をなんとか抑えている。


アヤメは――


「身体が……!!動かない!?

なんだこれは?スキル?」


身動きを封じられたアヤメ。


「お前がクロガネの鬼か」


「……!」


アヤメの動きを封じているのは


黄泉醜女のヨミのスキル【影縛り】


標的の影にクナイを打ち込むと

標的は動きを封じられてしまう……!


「お前は……!

イザナミ家のヨミ!」


気づいた時には手遅れ……


足を切り裂かれたアヤメは


その場で崩れ落ちた


「しまった……!!」


「そこで大人しくしてろ鬼の者よ」


アヤメと、ハクが、やられた……!!


「ハク!アヤ〜!!」


ツムギの声が響く……!






強敵襲来!



ツムギ一行の運命は……!!














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