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19/64

19話 夢の続きは


後日――


インディ国王

マハラジャ・シルバは

チャイ国への

宣戦布告を撤回。


夢喰いの悪魔の洗脳により

インディ国は王族から民に至るまで

操られていたことが発覚。


悪魔は

呼吸法によりチカラを見破ることが出来る

チャイの民を疎ましく思い

二国間の戦争を裏から指示していたのだ。


しかし、その夢喰いの悪魔は

とある旅人により討ち倒され


正気を取り戻した

国王は改めて

チャイ国にも

自身の国にも謝罪をし

また一から

信頼のおける国家作りに励むことを

世界中に誓うのであった。










――ツムギは深い眠りに落ちている……




「……世話になったね」


「これで良かったのでございますか?

ここまで悪役を買ってでなくても

よろしかったのではありませんか?」


「喧嘩の仲裁てのに手っ取り早いのは

共通の敵ってやつを作るのさ

仲直りして手を取りあって共存するには

それが一番簡単で確実なんだよ」


「まぁまぁ〜勉強になりますわ〜

でもぉ……そんなに賢いのに

不器用でらっしゃいますのね〜?」


「野暮なこと言うんじゃないよ?

きちんとシルバとは話をつけた。

お互いのために、距離を置くことで合意した。

もう未練もないさね」


「……ぅう」


「なんでお前が泣くんだよ?」


「だってぇ

寂しいではありませんか〜

唯一のお友達だったのでしょう?」


「ケタケタケタ♪

友達ねぇ?

お前、好きな殿方は?

伴侶はおらんのか?」


「……まぁ!わたくしまだまだ

そのようなお相手はおりませんのよ〜

可愛い従者ならたくさん居ますが〜♪」


「ケタケタケタ♪

箱入り娘ってやつかい?

どおりでおぼこいことを言うわけだ?

教えてやるよ

あちきとシルバはもっと……

大人の関係だよ〜?」


「わ!わわわ!?

お、お、お、おとなぁぁぁ!?」


「ケタケタケタ♪

夢の中ならいくらでも

いい男用意してやるぞ?」


「ひ、ひええ!!

お戯れを……!?

わたくしにはまだまだ

お早いですわ〜!?」


「ケタケタケタ♪」


「……クスクス」





「じゃあな、異国のお姫様、感謝してるよ」


「あらあら〜」


「悪魔らしくなくて悪いね?達者でな」


「いえいえ、サキュバス様

これからどうするおつもりで?」


「は?あちきはテキトーに

他の国でも行ってまた夢を喰っていくだけさ」


「アテはございませんの?」


「あちきは元々現実世界には干渉できない

夢の中にしか存在しない。

もう関わることはないさね」


「まぁまぁ〜せっかくお友達になれましたのに

それは寂しいですわ〜?」


「は?お友達?誰が?」


「わたくしとサキュバス様でございます〜」


「ケタケタケタ♪同情のつもりか?

気持ちはありがたく頂くが

どうせ夢と現実を混合することはできないのさ

今回のことでよくわかったろう?」


「いいえ。サキュバス様。

あなた様は皆を

夢の世界へ導くものでしたが

わたくしは

あなた様を……」


「?」


「現実の世界へ導く者でございます」


「は?おい?お前?」


「わたくしからあなた様に

素敵なお名前を授けましょう♪

――牡丹でございます。

あなた様は【ボタン】とこれから

お名乗りくださいまし――」


夢か現実か


夢喰いの悪魔が出逢ってしまった


新しいお友達は


とても


わがままで


強引なお姫様


夢喰いの悪魔に


夢の続きを


見せてしまう


とても


わがままな


お姫様なのでございます――







⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆






インディ国のお城で今日は催しが行われている。


夢喰いの悪魔を討ち倒した

和解の使者ムギムギに

【英雄】の称号を授与する催しであります。


「あらあら〜こんな大袈裟な〜?」


「和解の使者ムギムギよ。

インディ国はそなたに【英雄】の称号を授ける!」


「あらあら〜♪」


今日はツムギ一行もみんな同席。


アヤメを筆頭に


ハクもカエデもリッカもマオマオも――


「閣下〜わたくしの従者は少し見た目に

特徴がございますので

あまり目立ちたくないのでございます〜

なのでほどほどでお願いしますね〜?」


「そうか、わかったぞ英雄ムギムギよ。

そなたの従者の見た目のことは

外に情報が盛れんようにしっかり

箝口令を出しておこう」


「お心遣い感謝いたしますわ〜」


「しかし、獣人や蜂の小人に、トレントとは……

本当に特徴的なのだな?

普通の人間?も2(・)人(・)か……」


「うふふ〜♪自慢の可愛い従者たちですわ〜♪」


シルバはアヤメの横にいる

大人で妖艶な雰囲気の女に目をやった。


「すまない。そちらの女性はなぜか

初めて会った気がしない……。

不躾で申し訳ないが……もしよければ

お名前をお聞かせ頂けませぬか……?」


「閣下。お初にお目にかかります。

あちきの名前は【ボタン】でありんす。

またお逢いすることがあれば

どうぞご贔屓にしておくれやす――」


「そうか、ボタンか、とても良い名だな――」


王様はとても優しい笑顔で

その妖艶な女を見つめていました。




「さあ、ムギムギよ!

これは我がインディ国に伝わる

伝説の秘宝だ!褒美に持っていくが良い!」


「あらあら〜」


「……」


「……」


なぜかあとずさりするツムギ一行。


「どうした?遠慮するなムギムギよ?」


「ご遠慮しておきますわ〜

お国の秘宝はぜひお城で

大事にしてくださいませ〜」


「なぜだ!?貰ってくれ?ムギムギ?」


「あ〜ん、

わたくし、もう、

秘宝は……

こりごりですのよ〜……!」


「……えええ〜!?」


なぜか逃げるように去るツムギ一行


どうやらツムギも少しは反省したようですね……!




褒美も受け取らず立ち去ったツムギは


インディ国を救った英雄として


これから末永く


語り継がれることとなりましたとさ――





さて


のちに


インディ国において


史上最高の


絶対王として


君臨することになる


マハラジャ・シルバ王のお話は


とても痛快な物語なのですが




それは


また




――別のお伽噺なのでございます――













読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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