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12話 秘宝強奪事件


「呼吸法により気を念じ、それを拳に溜める!」


大きく息を吸い、ゆっくり吐き出し、

マオマオの拳はほんのりと光り輝く。


「チャイ!拳!ぐー!」


どごぉんっ!!


大きな岩をも粉砕する正拳突き、ぐー!


「チャイ!拳!ちょきー!」


スパパー!!


大木をも一刀両断する手刀、ちょき!


そして――


「ぁぁあっ出ますっ!出ますわぁぁあっ♪」

「ま、マジで出すんだ……」

「……風魔法よりすごいのでございます」

「念力とはまた違うのですね……」

「アオォーン!」


「チャイ!拳!ぱーっ!!」


マオマオの手のひらから光り輝く気功波が!


ずどおおおん!!


「出ましたわ〜♪♪」


「以上が!チャイ拳奥義ぐーちょきぱーアルヨ♪」




マオマオのチャイ拳奥義のお披露目に湧く

ツムギ一行。


「マオマオ最高ですわ〜♪達人♪達人♪」


「にゃぁ♪そ、そんな褒めなくてもいいヨロシ」


「な、なんで、本当に

パンダが武術使えるのよ……」


「道場のすぐ裏の施設だったから?

でしょうか……」


「ムギ様の授名の力も関係しているのかも?」


「わんわんっ!」


「呼吸というのは全生物が行う真理現象。

それをコントロールすることで

自分自身はもちろん、相手の気配や感情などを

感じ取り、武術へと変換するのが

気功武術の真髄でございますにゃ♪」


「し、師範とお呼びしてもいいでしょうか……!」


半泣きになりながらマオマオの手を取るツムギ。


「ムギムギは気の念じ方の基礎からアルヨ。

全く、何もできていないにゃぁ」


「気功の道は修羅の道ですわね!師範〜♪」


色々突っ込みたい気持ちは抑えて、

ツムギが楽しいならそれでいいかと

みんなは苦笑いしながらも納得するのでした。





「さて、あとは妖精の涙をちょっと

お借りしに行きましょう〜」


「うわぁ!変態だ!」


「ちょっと、リッカ。

主に向かって変態はダメでございます」


「バカでしょ!?国の秘宝を

貸してくれるわけないでしょぉがぁぁ!?」


「ちょっとお借りしまして、ちょっと妖精の国へ

ちょっとだけお出かけしてすぐお返ししますわ?」


「無理無理無理」


「リッカ、できる限りの情報を集めてください〜」


「あ〜んっ!うちのボス誰かなんとかしてぇぇ」


「アオォーン!」


「ムギムギ面白いアル!にゃはは!」


「諦めなさいリッカ。主様の仰せのままに……」


「ふぇえ〜ん」



頑張れリッカちゃん!きっといいことあるよ!



「世間のことはよく知らないアル。

でも気功武術のことは道場でずっと見てたから

よくわかるにゃ!改めてよろしくなのにゃ!」


さらに目立つ獣人のお供が増えたツムギ一行。


「んでもムギムギは何者にゃ?」


「アマハラ家の姫様、わたしの生涯の主です」


「ハクの昔からの主様だわんっ!」


「奇跡の人でございます」


「変態よ変態。暴走姫。きっと浮気されたら

笑いながら人を刺すタイプよ。手に負えないわ」


「やだぁ、リッカちゃんたら面白い〜♪」


「なるほどにゃ!気を念じて防御に徹するにゃ!」


「クスクス」




和やかな食卓のひと時。

ツムギ一行は仲間も増え順調。




そんな折、王廷で事件は起きる。



ワーワー!


わーわー!!


「なんだかすごい騒ぎですわ?何事ですの?」


「王廷に泥棒?か何か入ったみたいね?」


キラービー軍隊が颯爽と飛び立ち

情報収集に駆り出される。


「すごい気の量アル。

これは武術家同士がやり合ってるにゃ」


「武術家同士?」


「うん。チャイ拳道場で認められた者は

大体国の軍隊に雇われる。

けど、道を外れたり、悪いことに

力を使う者も出てくるにゃ。

そういうやつらが行く先は、

決まってチャイーズマフィア。

国の軍隊と

チャイーズマフィアがやりあってるにゃぁ」


「これは関係あるのかしら?

チャイ国は隣国のインディ国と

外交がうまくいってなくて

戦争の噂がたっているみたいね?」


「インディ国?」


「チャイのすぐ隣の国ね。

元々インディ国はヤマト国並みの

神を信仰する国家。

チャイ国は妖精を

インディは色々な神を信仰しているみたいだけど

何やら外交で揉めてるみたい」


「恐らくそのゴタゴタの隙をついて地下組織である

チャイーズマフィアが何かを仕掛けたと」


「ふーん。目的はなんでしょうね?」


「戦争にかこつけて、内乱か。物騒ですね」


「何かに巻き込まれなきゃいいけど……」


「え!まじか!」


「リッカちゃん?何かわかりましたの!?」


「いや、さっき言ってた……まさに、

妖精の涙が王廷から奪われたって!」


「な、なんですってぇええ!?」


「なんとまさかのタイミング!」


「わん?」


「国家転覆クラスの事件よこれ!」


「こりゃ大荒れになるね。あたしらは

巻き込まれないよう避難でもしよっか……

て、……ムギ?」


「……許せませんわ!」


「ムギ!?」


「今すぐ行きますわよ!」


「ええ!そんなまさか

旅先の国を守るために動くなんて……」


「ムギ様!お護りいたします!」


「アオォーン!」


「にゃにゃ!」


「主様の仰せのままに……」



一行は立ち上がる!



「このわたくしの【妖精の涙】を奪うだなんて!

必ず取り返しますわよ〜!!」





「おめえのじゃねええええ!!!」






さぁ!


チャイ国の秘宝【妖精の涙】を奪い返せ?


敵はチャイーズマフィアなのです!









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