第23話
「それより、怪我がなくて良かったわ。お婆ちゃん」
「あんたは命の恩人さね。お礼がしたいから、ちょいと上がっておくれよ」
センブリ婆と呼ばれていたお婆ちゃんからお礼がしたいと言われ、私は招かれるまま薬草の匂いがするお婆ちゃんの家へお邪魔する
「これ薬草に匂いね?てことはやっぱりここがポーションや薬草を売ってくれるお店なのね?」
お婆ちゃんの家へお邪魔すると、見渡す限り薬草が入った箱で埋め尽くされていた
「なんだい、ポーションを買いに来たのかい?」
「ええ。ついさっき冒険者になったばかりでね、ポーションはどこで買えるのか聞いたら、ここを案内されたの」
「新人さんかい。道理でエリドゥで見たことのない顔だと思ったよ。あたしの名前はセンブリ、ここで薬屋の真似事をしている婆さんじゃよ」
「私はローズ、よろしくね。所ですごい数の箱ね?全部薬草が入っているの?」
「そうじゃよ。ギルドに依頼して、摘んできてもらった薬草を入れてある」
「中を見ても構わないかしら?」
「大丈夫じゃよ」
センブリ婆から許可をもらい、私の近くに置いてある箱を開ける
「これは"エナジーリーフ"ね?こっちの箱には"マナリーフ"も入ってるわね」
「薬草に詳しいのかい?」
「私が育った村にもお婆ちゃんみたいなお婆ちゃんがいてね。冒険者になるならって色々教えてくれたのよ。薬草の種類から採取の仕方、本当にいろいろ」
でも、数年前に亡くなってしまったのよね。
唯一の私の理解者でもあったのに
「そうかい。なら丁度良いかもしれんの」
「何が?」
「ローズ殿に折り入って頼みがある。今後、薬草の採集はすべてローズ殿に受けてもらいたいのじゃ」
「別に構わないけど、理由は教えてくれる?」
「簡単なことじゃ。エリドゥに滞在している冒険者は薬草一つまともに採取できない。だからと言って、あたしやあたしの弟子であり孫娘のナツメが取りに行くこと訳にもいかん。そこで、薬草に詳しく、採取のやり方を知っているローズ殿に薬草の採集を頼みたいんじゃ」
薬草の採集のやり方によってポーションの出来が変わるのを知っている私からしたら、引き受けてあげても良いのだけど
「勿論、無償とは言わん。引き受けてくれるなら、今後、この店で買うポーションはすべて無料とするつもりじゃ」
「ちょっと!無料って、大丈夫なの?」
「心配無用じゃ。ここエリドゥに住んでいる中堅以上の冒険者は基本、うちでポーションを買ってくれる。御主一人を今後無料にしても、あまり変わらなんのよ。だから、どうか引き受けてくれぬか?」
「わかったわ。引き受けるわよ」
「そうか、そうか。引き受けてくれるか。これで安心じゃ」




