第22話:正当防衛
私は両腕の中で気絶している男を地面に放り捨てる
「リ、リーダー!!」
「あら?やっぱりこいつがリーダーだったのね?」
「て、てめえ、今といい、さっきといい邪魔ばかりしやがって!ぶっ殺してやる!!!」
冒険者ギルドにて、私の握力に負けた酔っぱらい冒険者が腰の剣を抜き放つ
「抜いたわね?なら、こちらも容赦はしなくていいわね?」
私は、路上に捨てた気絶している男から剣を奪い取り、それを構える
「見ろ!馬鹿だぞこいつ!!鞘に差したまま構えてやがる!」
酔っぱらい冒険者の言う通り、私は奪い取った剣を鞘に納めたまま構える
「だって、鞘に納めておかないと、貴方たちを殺しちゃうもの。可哀想だから、手を抜いてあげるわ」
「くそっ!舐めやがって!!」
リーダーを倒され、残された三人は剣を握りしめながら、こちらへ向かってくるが、私は焦らずに上段の構えを取る
「死ね!!!」
私は振り上げていた鞘に納めたままの剣を酔っぱらい冒険者の頭へ勢いよく振り下ろした。
振り下ろされた剣を酔っぱらい冒険者は剣で受け止めようとしたが、受け止めた剣が私の馬鹿力に耐えきれずにポッキリと折れてしまった。
その結果、振り下ろした私の剣は酔っぱらい冒険者の頭に直接し、そのまま白目を剥いた状態で前のめりに倒れた
「お、おい!!!」
「よそ見をしていて良いのかしら?」
すぐさま、酔っぱらい冒険者の頭へ振り下ろした剣をよそ見をしている冒険者の隙だらけの胴体目掛け、勢いよく振るう。
しかし、ギリギリの所でよそ見していた冒険者の剣に防がれたが、変な体勢で私の剣を防いだためか、握りが甘く、そのまま剣を弾いてやった。
よそ見冒険者は慌てて剣を拾おうとした所へ、私の全力のタックルを喰らわした。
私のタックルを受けた冒険者はそのまま住居か店かわからないレンガ造りの壁に衝突し、膝から崩れ落ちた
「戦闘中に相手から目を逸らすなって教わらなかったの?まあ、聞こえていないわね。さて、残りは貴方一人だけどどうする?やる?」
最後に残った冒険者は酒場で私に絡んできた酔っぱらい冒険者の一人だった
「ひ、ひぃ」
「報告にあった冒険者とは貴様らだな!警備隊だ!そこを動くな!!!」
誰かが呼びに行ったのだろうか、エリドゥの警備隊の方々が到着するや否や、私や倒れている冒険者たちのことを取り囲む
「そこのお前!武器を下ろせ!!!」
「ええ、もちろん」
私は警備隊のおじさまからの指示に従い、握っている剣を放り捨てた
「そこのお前もだ!武器を下ろせ!!」
「う、うわぁぁ!!!」
剣を下ろせと指示されたにも関わらず、剣を捨てない所か私に向かって斬りかかろうと怯えた冒険者が走ってくる
「やっぱり、こうなるのね?」
私目掛けて振り下ろされた剣を紙一重の所で避け、力を込めた右手で冒険者の頬を全力で殴った結果、地面に勢いよく倒れ込んでしまい、ピクリとも動かなくなった
「警備隊の方、こういう場合、私は捕まるのかしら?」
「一応、確認するが、貴殿がセンブリ婆を恐喝していた者か?」
センブリ婆とはこの背の低いお婆さんの名前なのだろうか
「んな訳ないでしょ?」
「だろうな。なら、貴殿は正当防衛だ。罪には問われない」
「そう、良かったわ。なら、そいつらがまた襲いかかって来る前にお縄にして頂戴」
「無論だ。おい!」
警備隊のおじさまが待機している若い警備隊の方々を呼ぶと、倒れている四人組の冒険者を次々と捕縛していく
「センブリ婆、怪我は?」
「あたしゃあ、無事だよ。この方のおかげで傷一つない」
「それなら良かった。なら、俺らはこいつらを連れて行くから、センブリ婆も無茶はするなよ?」
「はいはい、わかっているよ」
「では、我らは撤収します。ご協力ありがとうございます。では!」
私に礼を告げた警備隊のおじさまは、部下と共に捕縛した冒険者たちを連れて帰っていった




