第17話:宿屋"渡鳥の止まり木"
「今日から何泊かしたいのだけど、泊まれるかしら?」
「今日からですね?少々お待ちください」
女性スタッフは部屋の空き具合を手元に置いてある台帳で確認する
「お待たせ致しました。個室、雑魚寝部屋ともに空いておりますが如何致しましょうか?」
「個室でお願いするわ」
「かしこまりました。個室ですと、一泊銀貨10枚となります」
「あ、忘れてた。これを見せれば良いのよね?」
私は懐からギルドカードを取り出し、女性スタッフへ見せる
「冒険者の方でしたか。では、割引となりますので、一泊銀貨8枚となります。何泊に致しましょう?」
「とりあえず4泊でお願いするわ」
「4泊でございますね?では、銀貨32枚となります」
懐から銀貨が入っている皮袋を取り出し、銀貨32枚を女性スタッフへ渡す。
残金が銀貨8枚となってしまった
「丁度でございますね。ではこちらの台帳にお名前の記入をお願いしております」
「わかったわ」
女性スタッフから台帳を渡され、カウンターに備え付けの羽ペンで名前を記入する
「ありがとうございます。お名前はローズ様でございますね?私は受付を任されております"ツグミ"と申します。ご滞在中、何か御用がございましたら、私に仰って頂ければ対応致しますので」
「わかったわ。今日からよろしくね、ツグミさん」
「よろしくお願い致します。では、ローズ様は二階の205号室となります。こちらが鍵でございます」
ツグミさんから"205"と刻まれた鍵を受け取る
「追加料金で朝食と夕食をご用意できますが如何致しましょう?」
「今の所は大丈夫よ」
「前日に言って頂ければご用意致しますので、いつでもお申し付けください」
「わかったわ」
「あと、ご滞在中の清掃は如何致しましょう?銅貨5枚で承りますが?」
「とりあえず、3泊目にお願いするわ」
「承知致しました。清掃は鐘塔の鐘が四回鳴りましたら一斉に他の部屋の清掃と共に行いますので、少し時間がかかります」
「わかったわ。清掃に入ってもらう場合の注意点はあるかしら?」
「お部屋に滞在していた場合、清掃を行えないので、一度、お部屋から退室してもらわないといけません」
「承知したわ。清掃日は早めに出掛けるとするわ。他には何かあるかしら?」
「お部屋の中に貴重品を置かないようにお願い致します。勿論、清掃がない日はそのまま置いてて大丈夫ですが、清掃日は念の為、貴重品はお待ちください」
「そうするわ。注意点はこの二点かしら?」
「はい。最後に一つ、追加料金に関してはお帰りになる際のお支払いとなりますので、お帰りになる際は必ずここにお越しください」
"必ず"と言った時に強調していたけど、もしかすると未精算で帰る人もいるのかしら
「承知したわ」
「では注意点は以上となります。ローズ様、ご滞在中、ごゆっくりお過ごしくださいませ」
「お世話になるわね」
ツグミさんに見送られる形で階段を上る。
そして205号室を見つけ、そのまま部屋へと入室する
「あらぁ、中々良い部屋じゃない!」
扉の正面には大きい両開きの窓があり、その横にベッドが一つ備え付けられていた
《所持金》
銀貨8枚(−32)




