天国への階段
かつてジョジョの奇妙な冒険第六部ストーンオーシャンのラスボス、エンリコ・プッチ神父は「無償の奉仕とは天国への見返り」と言っていた。
彼の野望は遠大すぎるがゆえに人間の命というものをどう考えていたのかはわからないが、彼の追想に登場するDIO様もまた「天国に到達する事が、人生の真の目的」みたいな事を言っていた。
そしてこの場合「天国」という言葉の示す意味は「心の平穏」である。
なるほど理に適っている。
人間という生き物は一般的に辛い事を避けて通れない破滅的な性質を内包して生きている。
常に苦痛を伴う行為が正しく、安楽と平易は歓迎されない。
考えようによっては人間は他人の苦しむ様を見たいという加虐的な思想を持っているのではないかという邪推さえ禁じ得ないだろう。
多くの場合は真実ではないが。翻って私の中には「心の平穏」とは存在するのかという疑問が生じる。
人の心は魔物ような物だ、実体は生涯を通じて知れず、把握することは極めて難しい。
鏡が映す己の姿が時節と共に変貌するように心もまた然り、いつも同じというわけにはいかない。
昨日は今日の続きではないのかもしれないのだ。
仮にもしどうだったとして誰が「昨日と今日」の境目を証明出来ようか。
どれほど精緻な方程式を披露しても誰も納得は出来ない。
意識の不連続性とはそういった物なのだ。
話を「見返り」に戻そうか。
では意識という物が不連続な物だったと検証される世界線において「天国」とは、その見返りである「無償の奉仕」とは何かを今日は紐解いて行こうと思う。
皆、気になるだろう?
この道は果たして正解に続いているのか。
己の存在は正しいのか。場合によってはルーツに関わる話なのだから。
では「天国」とは何かについて言及して行こう。
この場合は数多の宗教において説かれている「天国」とは別物だ。人生におけるある種の到達地点と仮定しようか。
パライソと呼んでも構わない。
即ち我々は最終的に「天国」に行き着く事を目的として生きている。あくまで仮定にすぎないが。
だが「天国」という物はどの状況下においても定義が曖昧だ。
そもそもどこまでが天国で、どこからが天国ではないかという仕切りが存在しない。
どこまで進もうとも生きている間は天国の一歩手前くらいにしか感じられないだろう。
修行を生業としている人間ならばともかく多くは天国へと至る道を快くは思うまい。
天国の入り口は狭き門なのだ。
ゆえに悲しい話になってしまうが天国を諦めてしまう人間は少なくない。
適当にゴール地点を決めてしまって妥協する。
念の為に言っておくがそれは決して悪い事ではない。
仮に険しい道を選んで心や体に傷を負って人生を台無しにしてしまっても、自己責任なので誰かが肩代わりしり事は出来ない。
あくまで自身の未来を見据えた上で考えるのが妥当というものだ。
天国もまた人生の通過点の一つにすぎないのだから。
――と、ここまで話を進めてしまえばある程度は予想がつくかもしれないが天国を目指す事に特別な意味はない。
自己満足の類と解釈すべきだろう。
ゆえに普通よりも険しい道を選び、無償の奉仕に従事するのは無意味とも受け取れる。
選択者の度量が試される瞬間でもあるのだ。もしも一連の行動に見返りがあるとすれば、それは充足感だろう。
この道を進む上で何の心残りなく専心する事が出来るのだ。頼もしい事、この上ない。
話を最初のプッチ神父のところまで戻すが、彼は紛う事無き悪漢だが、持ち前の使命感と不動の決意によって万難を排してきた。
最後は別の決意によって志半ばで葬られてしまうが、それは決して覚悟の総量が劣っていたからではない。別の理由によるものだ。
我々の立ち返るべき進路とは、天国を目指して無償の奉仕を一心不乱に繰り返す事なのだろう。
それは決して万人に勧められるものではないが、楽な道を進んで後ろ指をさされるだけの人生よりは幾分かマシなはずだ。
善悪定かならぬ混沌とした世界、このような状況ならば一条一誠に生きてみるのも悪くはないのかもしれない。
この放言に耳を傾けてくれる人々が一人でもいてくれたら、道化たる私は万雷の拍手と感謝の念を贈ろう。
…というわけで次は(不)人気のコーナー、ふじわらしのぶの夜ごはんの時間だ。
今日はキーマカレーだな。
キーマカレーはまあ冷蔵庫に残っている野菜(人参、セロリ、ブロッコリー、タマネギ)を一センチ角くらいに切る。
そして茹でた大豆(缶詰でも可)と合いびき肉を用意する。
まずフライパンに油を敷いてからすりおろしたニンニクとショウガを投入。
匂いが立ってきたら挽き肉を入れて炒める。
肉の色が変わったら野菜を入れてさらに炒める。その後にカレー粉とトマトジュース、塩と胡椒などで味を整えながら汁気が無くなるまで煮詰める。
最後にウスターソースとケチャップなんかを入れて中火でさっと炒めて完成。
ご飯はバターライスなんかが良いが、今回は温かいご飯にバターを混ぜるだけにする。
溶けたバターをまんべんなくご飯に混ぜたら出来上がり。
さて、お味の方は…ドライカレーだね。
うん、ドライカレー。美味い美味い。
さてここからが勝負だ。粉チーズをふりかけて味変。
はふはふ。いいね、こんな時間に食べたら絶対に太る味だ。
ハイボールが美味い。
次はカマンベールチーズを一個、乗せてレンチン。
いいね、血圧がぶっちぎりでモーツァルトのディエス・イレが聞こえてくるようだ。
どれ、お味は…今さら言うまでもないよ。
さて締めはカレーヌードルだな。
カレー食った後のカレーヌードルってのが美味いのなんのって…(※死亡フラグ)。




