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5☆街ー2

街の裏通りのさびれたビルの二階に行くと、スリッパにはきかえてカーペットの床の上に上がった。テーブルがいくつか配置されていて、ちらほら人の姿があった。

「先生。道子さんの妹さんをお連れしましたよ」

明子がそう言って女性を呼んできた。

多恵子の前に珈琲とチョコレートが運ばれてきた。

「あの・・・私・・・」

薬かなにか盛られそうな気がして口にするのがはばかられた。

「トイレお借りできますか?」

「どうぞ」

手を握られて、痛くないか?と聞かれたり、明らかにおかしいので席を立った。

トイレへ行く途中、パーテーションで囲まれたスペースが隙間から見えた。ホワイトボードに「宇宙の真理について」と書かれていて数人を相手に講義をやっていた。

「新興宗教か何かだ、ここ。早く逃げなきゃ」

トイレの個室で多恵子はそう結論づけた。

でも・・・翔子さんのお姉さんがここにいるってことはー。なんてこと!

道子さんっていったっけ?

「助けられないかしら?」

ふいに多恵子はそう思った。

多恵子の中の正義感が、翔子の姉をこんなところに置いておけないと、むくむくと頭をもたげた。

「姉に会わせてください」

テーブルに戻ると、明子たちに言った。


案の定そんな考え方が甘いことは30分後にははっきりした。

多恵子は大勢の信者もどきに囲まれてにっちもさっちもいかない状況に陥っていた。

「嫌だ」

「気持ち悪い」

「怖い」

そんな思いで押し潰されそうだった。

こんなさなかに翔子のことを思った。

身勝手な彼氏や新興宗教かぶれの家族。翔子はどんな思いで生活していたのだろう?

その時。

「多恵子!」

「一馬さん!」

「なんだあんたは?」

大勢いる中から多恵子を連れ戻すために、一馬が飛び込んできたのだ。

「翔子さんのお姉さんがここに・・・」

「もう、その人までは手が回らん!諦めろ」

「でも」

「多恵子!目をつぶれ」

「?・・・はい」

一瞬、閃光が辺りを包んだ。

「うわあ、目が」

周りの人間が目が眩んでいる隙に、一馬は多恵子を連れて逃げ出した。

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