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8.畑

家の近くにある畑の前に立ち、植えるための種を作る。

何を育てるかは前から悩んでいたが、先日決めたのだ。

その名はマンドラゴラ、こいつは私ならば親株個体を作れるためあまり面倒を見ずとも増えるので楽であると同時に、薬も作れるし、食べても美味しいというお得な植物。

それにせっかく異世界に来たのだからファンタジーなものを育てたかったのもある。


ちなみに畑なんか作らずとも好きな時に作れるとか言うのはやめて、悲しくなる。


そんなこんなでマンドラゴラの親株の種を作り畑に植え水をあげる。


せっかくなのでファンタジーな植物を他にも育てようと思い家の近くに木を生やす。


1つは ”ほうせ木” と呼ばれるこの世界に存在する木。


幹は琥珀のようで葉はエメラルドにもみえるほど輝く。その木には様々な色の美しく輝く宝石のような丸い実がなる。その実はそても甘く瑞々しいのだが後味はくどくないという。実自体に種はないので水洗いすれば丸ごと食べることができる。ごく稀にブラックダイヤモンドのような色の実がなり、それは食べることはできないが植えればほうせ木となる。


2つ目は仙桃、これはこの世界にはない木なのだが私にはつくることができる。

正直仙桃について詳しいわけではないので食べた際の効果については、極めて高い回復効果と僅かな若返りのみ、味についてはめちゃめちゃに美味しい桃である。


このふたつの木をそれぞれ3本生やした。ついでに実のなる速度を調整し、それぞれの木から1日に2、3個程度なら採取しても次の日には実がなるようにした。


それぞれの木から2つずつ実をとる。その足で家の中に入り以前作っておいた祭壇のようなものにいくつか実を供えた。


「女神アルセリア様、どうぞお納めください。」


そう唱えると祭壇に供えた実が消える。


『ありがとね〜、ブランちゃん。美味しくいただくわ。』


「どういたしまして....あの、会話できたんですね。あと、ちゃん呼びはやめてください。」


『いやだ、ブランちゃんって呼びたい。あと会話できるのはあなたが私の使いだからね、あとは祭壇のおかげ。一応祭壇のない場所でも会話はできるけど、私にもあなたにも負担が大き過ぎるわね。』


「はぁ、もういいですよ。あと何か欲しいものありますか?私が育てられるものであれば育てますよ。」


『ふふ、ありがとう。そうねぇ、果物は好きよ、だから今回のお供え物はとても良かったわ。ほうせ木の実は私の好物だし、仙桃はこの世界にないから食べたことないけど、桃は好きだしね。でも、お供えは気持ちが大事だから、私から何かねだるのも少しね、お供えの本質から離れてしまうから。』


「なるほど、じゃあお肉とかはどうですか?沢山あるのでお供えできますよ。そちらに調理の設備はありますか?ないのならこちらで調理しますが」


『私にも侍従のようなもの子達がいるし、調理の設備もあるからそのままで大丈夫よ、わざわざありがとう。』


「分かりました。鑑定的に美味しそうなのをいくつかお供えします。」


そう言ってアイテムボックスからいくつかお肉を取り出しお供えすると、すぐに消えた。


『本当にありがとうね、それと世界樹についても、随分元気に育っているみたいね、なかたのおかげよ。大切にされていて嬉しいわ。でもね、世界樹も大切だけどあなたの事も私は大切に思ってるの、だから無理はせずにね、あなたのペースで育んであげてちょうだい。よろしく頼むわね。』


「はい、分かりました。」


そう答え、骨粉肥料の為に魔物狩りをしようと思い外に出る。

単純かもしれないが、褒められて嬉しかった。


その日狩った魔物の数はいつもより随分と多かった。

次回、女神様視点

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