23.ランの独白
私はラン、上位精霊だ。
いきなりだが私はブランのことが好きだ。
どういった好きかは分からない、精霊の皆の事は好きだ、でもブランの方が好き。
恋愛というよりは親愛寄りな気がする。
精霊で私みたいに色々な知識を求めるものは珍しい。
精霊は大体おっとりとしているものばかりで、生きていく上で必要な分の知識があれば良いという考えのものがほとんどだ。
昔から知識を求めていたが、長く生きていくにつれて最初の方に知った事を忘れてないか不安になった。
精霊は記憶力がかなり良いが、全てを完璧に記憶しておけるほどでは無い。
初めは岩に書いたりしたがやめて欲しいと言われた、その後はずっと土に書いては消して書いては消してを続けていた。
いつか忘れてしまったことすら忘れてしまうのではないかと不安でしょうがなかった。
そんなある日調査から戻ったフローラから世界樹を守っている人の所へ行かないかと誘われた。
多分厄介払い的な意味もあったように思うが、私個人としては興味があったのでついて行ったが来てよかったと思う。
ブランは私が知ったり、そこから考察したことを話すのを聞いてくれる。
一緒に考えてくれる。
多分結構頭がいいのだろう、普通に話についてくるし考察もできる。
紙を作って本をつくり、ペンとインクもくれた。
いつか忘れてしまうかもしれないという不安もなくなった。
ブランは食事も睡眠も取る。
食事は割とよく食べるし、私達も最近は美味しいのでよく食べるが、眠るのはブランだけだ。
こっそり女神様に聞いたことがある。
どうやらブランはまだ魂が不老者になりきれていないらしい。
少しずつ変わっていっているらしいが、今はまだ精神的な疲れを癒すために睡眠が必要な時があると聞いた。
それ以外にも様々なことを聞いた。
私が過去に調べて予測を立てたものの答えも幾つか知れた、精霊についてはあまり教えてくれなかったが。
ブランの過去も教えてもらった。
ブランが既に忘れていることは多いが、多分ブランは既に人の欲について理解している。
ブランは人の欲を理解した上で、自分が応えられるものには応えてあげたいと考える人だ。
前世のブランはそれに応えるために自分を犠牲にして死んでしまった。
今世は記憶がないことと、上位存在になったことで自分を犠牲にするまではしないようだが。
上位存在は人の欲を刺激することが多い。
だが上位存在はそんなもの知らないと薙ぎ払うのが普通だ。
ブランの思考は上位存在には必要ない、だが私個人としてはブランの誰かのために何かしてあげたいという優しさは一緒にいると心地いいので、このままでいて欲しい。
だからブランの心や体は私が守ってあげたいと思う。
ブランの優しさで不安ばかりの日々から解放された私の恩返しだ。
ん?人間共が何かしようとしてる。
なるほどこれはブランに教えてあげよう。




