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16.ラン

自己紹介から2日程、フローラさんと一緒に椅子を作ったり、リリーと一緒に骨粉を撒いたりして過ごした。

花壇なども作り、フローラさん、ランさん、リリーの好きな花を植えた。

ランさんは世界樹を観察したり、家でお茶を飲んだり、外でのんびりしたりしていた。

今日はランさんの要望であった紙とペンを作ろうと思いランに声をかける。


「ランさん、紙とペンを作ろうと思うのですが、一緒にしますか?」


「是非。」


ふたりで庭に出て準備を進めていく。といっても、紙の作り方を詳しく知っている訳では無いので、幾つかズルはするつもりだ。


まず、植物魔法で紙漉きの設備を記憶だよりに何となくで作っていく。

木の枠組みに細い蔦で細かい網目を作っていく。他にも茹でがまや、蒸し器のようなものをつくる。


その後、植物魔法で真っ白で柔らかい竹を生やす。

その時、お湯に溶けやすかったり、繊維がほぐれやすかったりとイメージをしておく。


「白い、竹?」


「はい、これを叩いて柔らかくしたり、蒸したり茹でたり、砕いて水に溶かしたりして、最後に紙漉きして乾燥させたら、多分それっぽいのができます。」


「そうなんですね、植物で紙って作れたんですか、羊皮紙や魔皮紙でも作るのかと思ってました。」


「あぁ、それも考えたんですが、皮のなめしってどうやるのか知らなくて。」


そんな会話をしながら竹を伐採し、外皮を剥き割いて細くしていく。

その後蒸し器に入れしばらく蒸し、竹がふにゃふにゃになったら砕きながら茹で釜に入れ茹でていく。


混ぜながらしばらく茹でていくと、ゆで汁が真っ白になり、凄く小さいが、繊維のようなものが見えているような状態になった。


そこまでいったら、紙漉きのところに水を移し、紙漉きをしていく。

初めてやるので上手くできているか心配だったが、縦や横に動かしていくと紙っぽくなっているので多分いけてる。


その後できた紙を木の板に貼り付け、天気干ししながら魔法で風を起こし、乾燥をはやめていく。

結構な量が出来たら紙漉きをやめ、乾燥するのを待つ。

その間にペンを作ろうと思う。


「ランさん。ランさんは今までどうやって書いたりしてたんですか?」


「今までは岩に書いたり、地面に書いたりしてました。なので紙に書けるのたのしみです。」

と、いつもより弾んだ声で答える。表情もあまり変わらないが、少しだけワクワクしているように思える。


そんなランさんを見て、喜んでもらいたいと思いながら、作業を開始する。

植物魔法で琥珀を作る。琥珀は元が樹脂なので植物魔法の範囲内だ。

琥珀でガラスペンのようなものも作っていく。性質を変化させ、頑丈で割れにくいようにしていく。持ち手の内側には、小さな青紫のスターチスを入れておく。何度かランさんに持ってもらい、サイズ感や形を変えていく。

何度目かの調整でしっくり来たようなので、それで形を固定して、ランに渡す。

ついでに琥珀でインク入れを作る。ちゃんと蓋も作り、倒してもこぼれないようにしておいた。


「これがペンですか?初めて見た形です。」


「はい、本来はガラスで作るため、ガラスペンとよばれていましたが、今回の場合は琥珀ペンですかね。

気に入りましたか?」


「はい、とても綺麗ですし、中に青紫のスターチスが入っていて、私専用な気がしてとてもいいです。」


「良かったです。」


そう言いながら、浄水花という名の、花の先端に綺麗な水を溜め込む実を持つ花の性質を変化させ、黒いインクを作り出す。

実の中のインクをインク入れに移し蓋を閉じランさんに渡す。ついでに最初の方に乾かし始めた紙も持ってきて、裁断して渡す。


「一旦試し書きしてみてください。紙も少し分厚めに作ったので多分大丈夫だと思いますが、念の為です。」


そう言ってランさんは、紙に文字を書いていく。

数分ひたすら文字を書いたあとこちらに顔を向け。


「すごい!すごいです!ほんとに書けました!紙に文字かけました!初めてです!楽しいです!ありがとうございます!」

と、目をキラキラさせて、周りに花が舞って見えるような表情をしながら話してきた。


「良かったです、もう少ししたら、乾いた紙で製本して渡しますね。」


「はい!」

と、返事をしてまた文字を書き始めてしまったので、私は乾いた紙をサイズを揃えて裁断し、ある程度の暑さになったら細くて丈夫な糸で製本していく。


普段無表情なランさんのキラキラした顔が見れたので今日は満足だ。

普段無表情な子の笑顔っていいよね

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