表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/118

ブゥタ三男の最後

 とうとうブゥタ断罪される!

 ブゥタはめんどくさい遠出だったとはいえ今日は久しぶりに気分がいい、早くあのリンネアが恐怖で驚く顔を見たい気持ちでいっぱいだ。


 久しぶりに一張羅を着たが太ったせいでパツンパツンだ、本来の貴族には相応しくない格好である、しかしロクに学ばなかったブゥタにはそんな教養やマナーの知識などない。陰で豚と笑われている事なぞ知る由もないのだ。


 指定された邸宅に到着をして入り口で急いで記帳をする、汚い字だ。そしてこういうパーティーではどのようなパーティーか事前に調査をして必要であれば手土産の一つや気の利いた言葉を関係者にかけるのは普通のマナーだ、しかしこの男には教養が無いのですべて無視である。


 息を切らして屋敷中を駆け回る、普通ならそんな事をすれば家人に呼び止められるはずなのにそれすら気がつかない、社交慣れしていないのだろう。


 (どこだ?リンネア、いるのは分かっている、隠れてないででてこい、そうしたらこんな場所は適当に挨拶でもしてすぐに持ち帰ってくれるわ!今回は刺の冠に用意してもらった腕利きも外に待機させてある、逃がすものか!)


 一つ一つ、部屋のドアを開けて確認する、もうマナー違反どころの騒ぎではない、強盗の類だ。それでも誰も止めに来ない、そんな異常さにもこの男は気がつかないほど教養以前に頭が悪いのだ。


 そして衣装室の扉を開く、両側に扉付のクローゼットがある部屋の奥に目標のリンネアがいた。


 「見つけたぞ!リンネア!貴様、我が国に嘘をついて逃亡した罪は重いぞ!この私自ら捕えて法の裁きを受けてもらう!」


 そう叫びながらリンネアことリリィの腕を掴む、そして悲鳴を上げ、リリィは倒れこむ。


 「キャー、助けてー」


 何とも間の抜けた叫び声だ、リリィは大根役者のようだ。


 その時両側のクローゼットの扉が一斉に開き中から衛兵達が飛び出してくる。


 「暴行罪の現行犯だ!逮捕す・・・・る?」


 リリィはブゥタに綺麗な三角締めをかけていた。


 「知らなかったでしょ?私は詠唱時間が長いから接近戦を挑まれた時用に学院で格闘術の授業は積極的に参加したの、立ち技はセンスだけど寝技は練習量って教わったから寝技は徹底的に練習したの。どう?私を抱きたかったんでしょ?夢が叶ってよかったわね、何か言いなさいよ!」


 綺麗に三角締めが決まっていてブゥタは声も出せない、しかも腕も関節を決められていて痛みに顔も歪めてる。そのうち窒息をして気を失ってしまった。


 「あら残念、せっかく私を抱けたのにもう終わっちゃった、これ正当防衛よね?か弱い令嬢を押し倒したのだしね」


 「ねぇ、オリバー私着替えて来るね、この豚を触った服なんて着ていたくないし」


 衛兵と一緒に飛び出してきたオリバーがブゥタの容体を確かめてから後ろから肩を持ち力をいれブゥタの背中を押す。するとブゥタは息を吹き返した。


 「がほっ、がほっ、おい俺を誰だと思っている、俺は北の国3位のブゥタ....」


 ここでオリバーの鉄拳がさく裂した。


 「ただの暴行罪の犯人だろ?今のところはな。取り調べ室でゆっくりと港での悪さの尋問をうけるといいさ、つれて行ってくれ」


 「痛い、これはっ、国際問題になるぞ!俺は北の国のブゥタ家の者だ!離せ!おい外の奴ら、早く助けに来い!そのために連れて来たんだぞ!」


 「お前の仲間はとっくに捕縛済みだ、それにここは王国内、王国内の犯罪での逮捕権は王国にあるに決まっているだろ?お前馬鹿か?」


 その後取り調べが行われた、積み上げられた資料を見せてもその資料の意味も分からないほど馬鹿なのだろう、俺はあのブゥタ家の~とか弁護士を~などと言っていたが痛そうな道具を持ち出してその道具で指を挟もうとしたときにすべて洗いざらい吐いた。


 「お前はすぐには裁判にはかけん、逮捕すら極秘だ。お前が捕まった事が知れると北の国に潜伏する蛮族が散ってしまっては面倒だからな、裁判をすれば間違いなく死刑になるぞ。もう北の国とお前の親には話はついている、お前を処すのは王国の蛮族が消えた後だ、毎日震えて待つがいい!」


 その日から毎日独房に新聞が届く、ブゥタが証言した仲間の逮捕記事や財産の没収、貴族位はく奪記事に赤丸が付けられて届けられる、特に目を引くのは蛮族関係の記事だ、アヤノ領で逃走を図った蛮族兵が捕まり証言では蛮族の砦内の悲惨な状況が書かれる事が多く、その記事を見るたびにブゥタは震えあがる、もうすぐ蛮族の城塞都市攻略戦が始まるという記事を読んだ時は泡を吹いて失神もした。


 そうして毎日新聞が届くたびにブゥタは絶望をしながら過ごす事になる、看守はいつも一言添える、お前は公開処刑だと。泣いて賄賂を渡すから助けてくれと懇願するも帰ってくる返事は嘲笑まじりに「お前の財産は没収済みだよ」と言う言葉だけである。


 あんなに太っていたブゥタは食事をするたびにストレスで吐き戻しもう見る影もないほどやつれている。


 「何で?何でこうなったのだ?俺は生まれた順番が違っただけなのに、何で?何で?何で?何で?」


 当然、貴族の次男、三男に生まれても腐らずに勉学に励み何らかの職に就き真面目に働くものが多数だ、ブゥタはそんな事すら知らない、ひたすら他責をして呪詛のように自分は悪くないと言い続けて反省もせずに処刑の日をただ待つばかりである。

 ここまで読んでいただきありがとうございます。

哀れなブゥタの末路、少しはスッキリしていただけたでしょうか?

しかしこれで終わりではありません。港に潜んでいた蛮族兵、いよいよショーベリ領を落とすべく山を越えて動き出します、待ち構えるのはもちろんアヤノの精鋭。蹂躙は一瞬です。

そして事後、北の国が「国際問題だ」と息巻いて抗議してきたその瞬間、こちらから突きつけるのはブゥタ三男の悪事の全容。

わが子を庇うのか、切り捨てるのか。北の国の親としての決断、そしてどこまで頭を下げることになるのか、次話でご覧ください。

▼ お気に入り登録お願いします!

登録すると更新のたびに通知が届きます。読み逃し防止にぜひポチっと!

ハートや評価もとても励みになります。お気軽にどうぞ!

次話もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ