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閑話 side アンテロ 14歳の宣言 後編

 アンテロ目線の後編です。

 (言ったぞ!言ってやった!オリビアさん引いていないか?顔を見ただけじゃ綺麗でかわいいくらいしかわかんないよ)


 アンテロは悶々として夜を過ごすしかなかった。


 次の日の朝食の後でいきなりオリビアが姉でありリンネアの墓参りをしたいと言い出してちょっとした騒動が起きた。


 (そういえばオリバーさん、オリビアさんの元婚約者だったな。なんか複雑そう、でももうお姉ちゃんの彼氏だし関係ないよね、お姉ちゃんも素敵な彼氏がいるしきっと祝福してくれるはずだよ)


 アンテロはまだ複雑な家と家との関係や男女関係はわからないので考えるのをやめた。


 その後アンテロの婚約者が来たとの事で領内は大騒ぎになる。オリビアは人気者だ。


 (どうだ、オリビアさんは凄い美人でしょ、領内どころかうちの国にもこんな綺麗な人はいないんだからね)


 内心、嬉しさでいっぱいのアンテロである。


 その晩オリビアがお風呂に入って間に母親からの尋問が始まる。


 「で?うまくいったの?ちゃんと言えた?ゴニョゴニョだけじゃ伝わらないんだからね、言っておくけどあんな綺麗な子逃したらもうあんた結婚できないわよ?常にオリビアさん基準になったらその辺の女の子なんて有象無象よ」


 「わかってるよ、言えた....と思う、少なくとも普段思っている事は言えたはずだよ」


 「そう、それならいいわ」


 (きっとうまくやったようね、あの夜からオリビアさんの態度が緊張からなんか柔らかくなった気がするし、アンテロに言うと調子に乗りそうだから言わないけど)


 「それより、これから冬の内職の話をするんだけどあんたミトンくらいなら作れるわよね?とっておきの糸を用意したからそれで作ってプレゼントしなさい、あなたの綺麗な髪に似合うと思ってとか言って渡す事、いいね?女の子はこういうのが好きなんだからね」


 「うう、恥ずかしい、そんな事言えないって」


 「男を見せなさいアンテロ!聞いた話だとオリバー君はあなたの年には完璧にエスコートをして厳しいアヤノの軍事訓練に参加しながら勉学もトップクラスだったそうよ?オリビアさんはそんな事しないけど比べられて勝てそうなのはあなたのイケメンな顔とムード作りくらいよ」


 「よくわかんないけど頑張る」


 夜になり母が毛糸を用意して内職の話をする、とっておきと言うだけあってオリビアの髪の色とそっくりだ。


 (ショーベリ家の色だ、この色のミトンをつけてもらうって事はショーベリ家の色に染まってくださいって事だよね?凄いもう緊張してきた、でも母さんの言ってきたことで今まで間違いは無かったし頑張って作ろう)


 オリビアは手先も器用なようで何かを綺麗に編んでいく。


 (これから寒くなるもんなマフラーかな?オリビアさんの綺麗な赤色の髪にショーベリの赤のマフラーと僕のミトン、考えるだけでちょっと嬉しくなるな)


 これくらいの年の男の子は好きな女の子の動きは何を見ても美しく見えるものなのである。


 (オリビアさん、指先も綺麗だな。もう本当に綺麗の権化だよ。辞書の綺麗の欄にオリビアさんって書きたそうか?)


 本当に思春期の少年はどうしようもない事を考えるのである。


 そうこうしているうちにオリビアが帰る日がやって来た、アンテロは意を決してミトンをプレゼントするために声をかけようとする。


  「あの、オリビアさん」

 「ねえ、アンテロ君」


 二人同時に話しかける。少しの譲り合いの末オリビアから話を切り出す事に。


 「あのね、アンテロ君、お義母様にならって手袋を編み上げてみたの、よかったら使ってみて」


 (えー僕のために作ってくれたの?いやもう家宝物じゃないか、あっ僕も渡さなきゃ)


  「え?僕もミトンを....不器用なので手袋は無理でしたが何日もかけて何とか編み上げました、ショーベリのこの色が、そのオリビアさんの綺麗な髪の色に似合うかなと思ってこの色を使いました....」


 しばしの沈黙あ続く。

 

 (うわー、オリビアさんの作ってくれた手袋はちゃんとした商品みたいで凄いや、僕のミトンはお世辞にも...)


 「そんな、嬉しい。ありがとう、大事に使うね」


 (うお、眩しっ!美人の笑顔って眩しいんだ、でも本当にうれしそうだよかった)


 「こちらこそ、使うのもったいないけど今日からすぐ使うよ、こんなにいい物もらったの初めて!」


 (返事はこれであってるかな?母さんはムードがとか言ってたけどわからないよ)


  帰宅のために馬車に向かう途中で二人は作りたての手袋とミトンをつけてどちらから言うでもなく手を繋ぎ歩いていく。


 (初めて家族以外の女の人と手を繋いでいる、なんだろうとっても暖かい、この時間がずっと続けばいいのに)


 アンテロの願いは空しくすぐにオリビアを待つロッシ家の馬車に到着する。


 (ここまで来たんだもう言いたいこと言っちゃえ!)


 「冬休みあけにオリビアさんに会えるのを楽しみにしています」


 (冬休みあけなんて言わずに一緒についていきたいよ)


 「私も楽しみにしてるね、じゃあ冬休みあけまで、元気でね」


 二人の距離が少し近くなった冬のホームステイはこうして終わりをつげた。


 ※こんな甘い雰囲気の話がもう少し書き溜めてあるので明日に2話ほど続きます。ルイ・マッテオ編です。次話は本編です。


 アンテロ君は今はこんな感じですけど将来的にはオリビアをリードするいい男になる予定です。


 今後の二人の関係が気になる方は下部にある評価の【★★★★★】と、ブックマーク登録で応援をお願いいたします!皆様の応援ポイントが、次話を執筆する最大のエネルギーになります!


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