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閑話 side アンテロ 14歳の宣言 前編

 アンテロ視点です。

 今日、アンテロは嬉しい事があった、抜き打ちテストでクラスで1位を取ったのである、学年でも上位だ。


 早くのこの結果をオリビアに報告したい、あの天使のように綺麗でかわいいオリビアが微笑んで「凄い」と言ってくれると思うと胸が熱くなってくる。


 オリビア宅に到着してさっそく報告をするとオリビアは今までに見せた事の無い満面の笑みで答えてくれた。


 「凄い、私も嬉しいわ」


 アンテロはもう嬉しさと照れ臭さでまともに顔も上げられないままやっとのことで返事をする。


 「ありがとうございます」と、そういうだけでやっとだったのだ、本当は飛び上がって喜びたいのを我慢しているのである。


 勉強の後にオリビアから驚きの発表があった。1週間ショーベリ家にホームステイをするとの事。


 アンテロはあまりの驚きと嬉しさから思わず声を張り上げる。


 「え?オリビアさん1週間もうちにきてくれるんですか?凄く寒いですよ、防寒着の準備とかしておいた方がいいですよ」


 「防寒着ですか?どんなのがいいのでしょうか?こっちの寒さに慣れていなくて.....」


 その時オリビアの専属メイドがお茶のおかわりを持ってきてそっとアンテロに耳打ちをする。


 「私の話に合わせてください」


 何のことかわからなかったがメイドの発言でようやく意味を理解する。


 「それでしたら、週末にでもアンテロ様と一緒にお買い物行かれては?やはり現地の人間にしかわからない事もあると思います」


 「そんな、アンテロ君に悪いわ。ただでさえ週6で会ってるのよ、休日まで.....」


 オリビアは言い淀んでいる時にメイドの目線は強くアンテロに向いていた。何となくアンテロはメイドが「やれ、このタイミングだ!」と強く言っているような気がする。


 「是非、一緒に買いに行きましょう。この時期は冬物が一斉に売りに出されるんですよ。週末は明後日ですね、早く買わないといい物は売り切れます、オリビアさんさえよければ行きませんか?案内させてもらいます!」


 その後とんとん拍子に初デートの段取りが決まっている、メイドのアンテロに対する目線は「よくやった、上出来だ」とでもいうようだった。


 そうして初デートもうまくいきオリビアが訪ねてくる日が来た。


 「アンテロ、夜になったら散歩に誘いなさい、いつも子供の時に遊んでいたあの丘がいいわ、今夜は晴れだしきっと綺麗な星空とオーロラが見れるはず、都会育ちのオリビアさんにとっては幻想的に見えてすごくいい雰囲気になるわ」


 「え?そうなの、寒くないかな、大丈夫?」


 「いいから!絶対誘うの!あなた誕生日迎えたわよね、早く大人になって隣に立てるようにって言いなさい、絶対よ、女の子はそういうのが好きなんだからね」


 「わかったよ、やってみるよ....」


 「やってみるじゃなくて絶対やるの!」


 こうしてオリビアが訪ねてきて雑談を交わしていくうちに夜になる、晩御飯の後に母親からの目力を感じて意を決してオリビアを夜の散歩に連れ出すことに成功した。


 「この時期は空気が澄んでいて星空が綺麗なんだ、それにこの時期では珍しい、オーロラがでいています」


 夜空が静かに揺れていた、緑と紫の光が波のように広がり星をやさしく包んでいく


 「綺麗……」


 (え?オーロラなんて見慣れているけどオリビアさんがいると何か違う、空を見上げているオリビアさん、凄い綺麗だ。まるで女神様のよう、抱きしめたい)

 

 アンテロが雑念と戦っているとオリビアが突然思いもよらない事を言い出す。


 「アンテロ君、本当に私でいいのですか?多分耳にしていると思いますが私は本国で大問題を引き起こしたわけありです、しかも6歳も年上、お父様にはショーベリ領への支援は必ず行うように頼みます、今ならまだ引き返せるんです」


 アンテロはいきなり見つめて来るオリビアに見とれているのが照れくさくて思わず顔を下に向けていたが勇気を奮い立たせる。


 (ここで言わないとダメだ!今さらオリビアさんと離れ離れになるなんて絶対に嫌だ、普段思っている事を...)


 「オリビアさん、僕はこの間に誕生日を迎えて14歳になりました。オリビアさんから見てまだまだ頼りない子供かもしれませんが必ずオリビアさんの隣に立っても恥ずかしくない男になって見せます!どうかその日まで待っていてください!」


 正直思わず口に出た事なのでアンテロは言った事の半分も覚えていない、ただ心臓は激しく鼓動して今にも走り出して叫びたい気持ちでいっぱいだ。



 (言ったぞ、毎日思っていたんだ、僕が頼りないからオリビアさんは不安になるんだ、早く大人になりたいって毎日思っているんだ!)


 心臓の鼓動は止まらない、胸は熱くなるばかりだ、いくらアンテロでもこの気持ちの名前は知っている。これは恋、初恋なのだと。


 こうして夜の散歩は終わり、二人は各々気持ちを整理しながらの帰宅となった。

 思春期の少年って多分一度は年上のお姉さんに憧れると思うんですよ。


 今後の二人の関係が気になる方は下部にある評価の【★★★★★】と、ブックマーク登録で応援をお願いいたします!皆様の応援ポイントが、次話を執筆する最大のエネルギーになります!

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