閑話 side オリビア 冬の贈り物・前編 オーロラの夜
※作者が意図したわけではないのですがこの作品は現在男性が年下のカップルしかいません。将来的にはアンテロ・オリビアカップルはオリビアの方がデレて行く感じにする予定です。アンテロ君はイケメンなので今に女性に慣れていく感じです。だっていつまでも年下の男の子がウジウジしているカップルだけだとつまらないと思うので。
「お嬢様、実家からお手紙が届いております」
昼食後にメイドが実家からの手紙を渡してくる。封を切り中を読む。
(オリビア、そろそろ冬休みに入る、手配はこちらですべてしておいた。将来嫁入りする家だ1週間だけホームステイをして親交を深めてきなさい)
そのほか体調を気遣う文面などあったが頭に入ってこない。両親が行けと言うのだから行くしかない事にオリビアの気持ちは重くなる。
(アンテロ君、かわいそうに。普段から週5の勉強と週1のお茶会でほぼ毎日訳ありの年上女の家に通わされているのに休みもだなんて、地元に好きな人とかいたら嫌がるだろうな。でもロッシ家の方が格上だしもう手配済みという事はアンテロ君には断る権利すらないのね)
そしていつもの時間になりアンテロが勉強を教わりにやって来る、小テストがあったみたでクラスでナンバー1になり同学年の中でもトップクラスだそうだ。オリビアは素直に凄い、私も嬉しいわと褒めてあげた。
アンテロは少し下をうつ向いたまま「ありがとうございます」と小さく礼を言うだけだ。
(手の平に剣ダコがある、きっと剣の成績もいいのだろう、そして学業の成績もいい、性格も優しくてルックスも最高、これでショーベリ領の蛮族が撃退されればアンテロ君はきっと若い女子にモテモテね。もしかしたら北の国の上位貴族の次女とか三女が蛮族撃退を条件に嫁入りの打診をしているかも、本当にかわいそう、私がいなければより取り見取りなのに)
オリビアは少し自分の実家であるロッシ家を甘く見ている。ロッシ家の令嬢が婚約をしているのにちょっかいをかけるアホはいないのである。歯がゆい思いをしている女子が多数なのは変わりないわけだが。
いつものように勉強が終わりオリビアの方から昼間の手紙の話題を振る。
「え?オリビアさん1週間もうちにきてくれるんですか?凄く寒いですよ、防寒着の準備とかしておいた方がいいですよ」
「防寒着ですか?どんなのがいいのでしょうか?こっちの寒さに慣れていなくて.....」
ここで専属メイドが口をはさむ。
「それでしたら、週末にでもアンテロ様と一緒にお買い物行かれては?やはり現地の人間にしかわからない事もあると思います」
「そんな、アンテロ君に悪いわ。ただでさえ週6で会ってるのよ、休日まで.....」
休日まで潰したらかわいそうと言う前にアンテロが前のめりになり言葉を遮る。
「是非、一緒に買いに行きましょう。この時期は冬物が一斉に売りに出されるんですよ。週末は明後日ですね、早く買わないといい物は売り切れます、オリビアさんさえよければ行きませんか?案内させてもらいます!」
(凄い勢い、本当にロッシ家と繋がりたいのね。私が彼の年の頃はそんな事考えもしてなかった、これが正しい貴族の在り方.....ちゃんと答えなきゃ)
「ごめんね、アンテロ君お願いしようかしら」
「それでは当日に迎えに来ます、ここから歩いてすぐなので」
オリビアとアンテロの初デートは滞りなく終わった、気に入った物もかえたようだ。
そしてオリビアはショーベリ家の扉をくぐる事になる。
「お久しぶりです、おじさま、おばさま」
「あら、もう婚約しているのよ、お義母、お義父と呼んでちょうだい」
アンテロの母であるシグリッドが提案する。
「はい....お義父様、お義母様、よろしくお願いします」
その後雑談をして晩御飯を食べた後にアンテロからの提案で少しだけ夜の散歩をする事になった。
「この時期は空気が澄んでいて星空が綺麗なんだ、それにこの時期では珍しい、オーロラがでいています」
夜空が静かに揺れていた、緑と紫の光が波のように広がり星をやさしく包んでいく
「綺麗……」
気が付いたら声に出ていた。
しばらく夜空を堪能した後に思わずアンテロに問いかける。
「アンテロ君、本当に私でいいのですか?多分耳にしていると思いますが私は本国で大問題を引き起こしたわけありです、しかも6歳も年上、お父様にはショーベリ領への支援は必ず行うように頼みます、今ならまだ引き返せるんです」
アンテロは少しうつ向いていたがいきなり顔をあげてオリビアの目を見つめる、その端正な顔立ちは夜空の星々とオーロラの輝きによりこの世のものとは思えないほど幻想的に見える。
「オリビアさん、僕はこの間に誕生日を迎えて14歳になりました。オリビアさんから見てまだまだ頼りない子供かもしれませんが必ずオリビアさんの隣に立っても恥ずかしくない男になって見せます!どうかその日まで待っていてください!」
(この子は今、オーロラよりまっすぐな目をしている)
気づいたら胸が少し温かくなっていた。それが何なのかオリビアにはまだわからないのであった。
次回・後編ではオリビアがある驚きの事実を知ります。そして赤い糸で染めたプレゼントの交換「与える喜び」を初めて知るオリビアが見られます。お楽しみに!
今後の二人の関係が気になる方は下部にある評価の【★★★★★】と、ブックマーク登録で応援をお願いいたします!皆様の応援ポイントが、次話を執筆する最大のエネルギーになります!




