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アンテロ、オリビアとの出会い

 アンテロ君はチョロ男です。チャラ男ではありません。どこかマッテオ君と似ている所があります。

 「いいか、アンテロ。今から会うオリビア嬢はあのロッシ家の長女だ、知らないと思うがオリバー君がハジメと名乗っていたころの元婚約者になる」


 「改めて思うのですが問題ないのですか?何か良くない事が起きる気しかしないんですけど?」


 「そのあたりは大丈夫だ、ロッシ、アヤノ両家には話はついている、オリバー君はリンネアに完全に惚れているし大丈夫だろう、問題はリンネアだが、まぁ私とお母さんで何とかする」


 リンネア、リリィの本名である。リリィは年の離れた弟を溺愛している、そんな弟が6つも年の離れた、しかもオリバーの事を傷つけたオリビアにいい顔をするわけが無い、リリィとオリバーの年の差もそんなに変わらないが多分棚に上げて反対するだろう。


 「でも実際、オリバー君は婿入りって形になるけどほとんどはアヤノ領で過ごすことになるしあまり顔を合わさないから大丈夫だと思うわよ、そろそろあの子にも弟離れしてもらわないといけないわ、あなたが小さい頃に怖い夢を見たからって泣きながらリンネアのベッドに行ったりするから余計可愛がってしまうのよ、お母さん寂しかったわ。なんでこっちに来てくれないの?って毎回思ってたのだから」


 思わぬ話に飛び火をしてアンテロは焦って話題を変えようとする。


 「この絵が本当ならオリビアさんって凄い美人さんだね、僕なんかじゃ釣り合わないと思うのだけどいいのかな?」


 「安心して、あなたは自覚がないかもだけどかなり美形で親の色目抜きにしても自慢の息子よ、学院じゃ女の子にもてるんじゃない?」


 「........同級生の友達からは蛮族がいなければなーって感じで言われる事がある.....」


 恥ずかしそうに答えるアンテロだった、思春期の男子にはこういう話題は恥ずかしいのである。母親は「あら、色気づいちゃって、女の子にもてたいの?」とか絶対に言ってはいけない。


 「でも、何を話せばいいの?女子と会話なんてした事無いからわかんないよ」


 「とりあえず、最初は褒める事ね、アンテロがさっき言っていた凄い美人さんあたりでいいんじゃない?第一印象で思ったことをとにかく言いなさい。後は得意な事と苦手な事を言えば及第点ね。向こうの親はあなたが悪い子じゃなければ何が何でも婚約させたいらしいから今言った事を言えれば大丈夫よ、あなたはいい子なんだから問題ないわ、それとあなたは勉強が苦手でしょ?余裕があれば勉強を教えてくださいって言いなさい、オリビアさんは上級文官コースでトップ層だったのよ、週2でも通う約束を取り付けたら完璧よ、後は徐々に慣れていくと思うわ」


 「勉強かー、あんまり好きじゃないけど言って見るよ」


 「アンテロ、今進んでいる計画がうまくいけば蛮族は消える、剣だけで生きる時代は終わるかもしれない、勉強をしっかりしろ。お父さんもお母さんと一緒に勉強をよくしたものだ、私は歴史等の暗記科目が苦手で母さんは数学が苦手だった、お互いに教えあったものだよ」


 「あら懐かしいわね、そうやって同じ方向を向いてお話をすればいずれは仲良くなるものよ」


 家族団らんのひと時を過ごしている間にオリビアが待つ別荘に到着した。


 アンテロはその後の事はあまり覚えていない、親同士が挨拶をしていつの間にか絶世の美女と二人きりにさせられて緊張から何も話せない状態になっていた。完全に一目惚れである。


 (なんだよ、こんなに可愛い人学院にいないよ、何話せばいいんだ?最初は思った相手の第一印象を言えって言ってたよな)


 アンテロは思いつく限りの語彙力でオリビアの容姿を褒めたたえた、オリビアは微笑を崩さずに「そう、ありがとう」と返すだけだ、もうアンテロはパニックになり緊張からか何度も飲み物をおかわりをする。


 アンテロの緊張を察してかオリビアの方から話を振ってくれた、「私のような脛に傷がある年上の女なんか」と言われた時は反射的に「オリビアさんのようなお綺麗な人と婚約をさせてもらえるならとても光栄です」と答えてしまった。


 その後オリビアに進められるがままに会話は進行していき、分かった事はアンテロの通う学院の寮に近い所でメイドと一緒に暮らし始めるという事だ。その後の会話で勉強が苦手だと言うとオリビアの方から暇だから週5で教えてあげましょうか?と提案されて思わずはいと返事をしてしまった。


 13歳のアンテロでも流石にこれは図々しいと気が付いて、ごめんなさい週2でと提案しなおしたのだが意外とオリビアの方が暇だから是非週5で来てほしいと言われ、この時のアンテロは嬉しさで飛び上がりそうなのを我慢するので精一杯であった。


 (え?週1にお茶会も入れたらこの天使のように綺麗なおねえさんとほぼ毎日会えるの?早く新学期始まって欲しい)


 その後は当たり障りない会話をしたがアンテロはあまり記憶にない。


 帰りの馬車で興奮気味にいかにオリビアが美しかったかを語り、オリビア、オリビアを連呼する息子にショーベリ夫婦は苦笑いをするしかなかった。週5で勉強を見てもらう約束を取り付けて来ることには驚いたようだ。


 しかしアンテロは甘くみていた、オリビア式勉強法はあまりにもスパルタ方式で何度も心が折れそうになった、毎日オリバーから指示されたアヤノ式キャンプの参加権を得るためのトレーニング後に21時までの毎日のスパルタ教室、直前に教えられたことに答えられなかったときのオリビアの顔は笑顔だったがアンテロは底知れぬ恐怖を感じずにはいられなかった。


 正直に一目惚れしたオリビア相手じゃなければ1週間も持たなかっただろう、とりあえずテストが終わったら週2くらに減らしてもらおうと考えていたが順位が跳ね上がった結果をオリビアに見せたら満面の笑みでよく頑張ったわね、偉いわ。ここまで伸びる人はそうそういないのよ、これからもがんばりましょう。と言われて有頂天になりそのまま返事をしてしまった。


 気がついたらオリビアの地獄のスパルタ教育も苦にならなくなり毎日嬉しそうに通うアンテロであった。


 思春期の少年と言うのはかなりチョロイのである。


 次回からはイワオから国内にいて王族関係者に見つかると面倒だと言われ普通にオリバーとリリィが冒険者生活に戻ります、ルイの新型カタパルトの完成の遅れ、蛮族側の隠し通路の捜索、北の国のぼんくらが浅はかな考えで裏切って蛮族に物資を供給していた事から攻略作戦は遅れていく事になる。


 次回からはしばらくとある女性と妙に仲良くなっているロックやオリバーにちょっと色目を使う新人女性冒険者がリリィに世間の怖さを叩きこまれながらの冒険者生活が始まります。裏では政治闘争もはじまります。

 多分、今後はアンテロとオリビアが距離を縮めていく話は番外編になると思います。


 次からはしばらくは父親から国内にいて万が一、オリバーが王族関係者に見つかると面倒だから海外で冒険者でもやってろと追い出されて冒険者をやります。出発前に少しヘレナに甘えて、ルイを思いっきり甘やかします。

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