表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/116

オリバーとリリィの遠出クエスト4 新天地ジパン到着

 上陸編です。この国にも転生者はいるようです。


 しばらく本編の続きは21時になります。思い付き話は不定期です。


 なるべくXでも告知します。


https://x.com/bosstank0327

 「ねぇ、オリバー、起きて、陸地が見えてきたの、多分目的地のジパンじゃない?」


 最近は色々あって自分たち二人は腫物扱いだ、晴れた日は堂々とデッキに椅子を持ち込んで昼寝をしたりしている。


 

 「んー、お、島って感じじゃないな。到着みたいだね、誰かに聞いてみるか」


 その時、聞き覚えのある声で話しかけられる、アヤノ家と言うか妹のルイ直属の部下らしい機関長だ。


 「はい、船長にも確認しました、あれが目的地のジパンの出島です」


 「出島?地域名か?」


 「いえ、我々のような外国船はあの人工島で入国手続きをします、外交の窓口でもあります、最近まで鎖国をしていたので外国船にはかなり敏感なのです、一応聞いておきますが宗教のシンボルとかは身に着けておりませんか?そのあたりがかなり厳しいらしいですよ」


 「恥ずかしながら、神に祈る事はあっても信じてまではいないので特にそういうものはないはずです」


 「私も同じく、そちらから見て何か不都合な物を身に着けているように見えますか?」


 「恐らくは、出島内にいる向こうのお役人は比較的慣れていて寛容なので何かあれば注意程度ですむはずです、そういうアクセサリーなどを持っていたり服の下で身に着けてないなら大丈夫ですよ」


 「アクセサリーは無いな、大丈夫だと思う。心配なのは注意されても言葉がわからない事だな」


 「それも先行して交渉した人が問題なかったといっています、向こうにも調査機関でもあるのでしょうかね?こちらの言葉を学んで通訳できる人がいるのかもしれません、それと申し訳ないのですが我々の下船は最後になります、今回は北の国が主役ですから。そもそもリリィさんが船に魔力を注入してオリバーさんがリリィさんの護衛をしている時点で仕事はもう半分終わっています、残り半分は帰還時の魔力注入くらいでしょう、ある程度観光もできると思いますよ」


 「それはよかった、後の懸念なのですけど、リリィがその、向こうの権力者に迫られたらどう対処すれば、多分この預からせてもらっているアヤノ家の家紋入り短剣の威光は通じないかと」


 「今回の使節団の代表者や関係者には伝えてあるので大丈夫だと思います、この国は聞いた所では、我々の国と同様に身分制度がしっかりしているようなので庶民が外国の使節団に手を出す事は無いと思われます、最悪出島に引っ込んでいれば無用なトラブルは避けられそうですが、一か月以上は滞在します、それは退屈でしょう、お二人の邪魔をして申し訳ないのですがなるべく出島の外では私も共に行動させていただきます」


 「いや、心強いよ、流石に異国の地で何の後ろ盾も無くウロウロする気にはならない」


 「わざわざ遠出をさせてまでご不便をおかけして申し訳ない」


 (もう、不手際は許されない、リリィさんの怪我を報告した時のルイ様の「あっそ」は正直泣きそうになりました、昔はあんなにおじさん、おじさんと懐いてくれていたのに、子供の成長は早いものです)


 陸地が見えてから数時間後に港に無事着岸をした。


 「俺たちが最後って言われたけど一応荷物よりは先に下ろしてもらえるみたいだな、けどまさか荷下ろしをする水夫まで貴族で固めているは思わなかった」


 「わざわざ訓練までしたみたい、本気度がわかるね」


 結局着岸から下船オリバー達は2時間程度待たされた。


 「あ、お二人とも何やら、この札を必ず持っているようにと、無くしてもいいけど不便になると言われました、とにかく肌身離さず持っていてください」


 木の板に人型に切り抜かれたゴワゴワした紙が貼られた物を渡された。


 「身分証かな?どうしたの?オリバー?そんなにジロジロ見て」


 「いや、この紙の形、俺の好きな小説の挿絵に出て来るのとそっくりなんだ」


 「え?そうなの?どんな風に書かれて」

 

 「お待たせしました、案内役の船手同心です、まずはあちらの建物で手荷物検査をします、ついてきてください」


 「わざわざ、ありがとうございます、私たちの国の言葉が上手ですね」


 「あ、いえ、そういうわけでは無いんですよ、先ほど符を貼った板を受け取ったと思います、あれを持っていると相手の言葉を理解できるようになるんですよ、あぁ、動物の言葉は分からないですよ、作った方は知能がある者の言葉がわかると言っておりました」


 「符術か、まさかあるとは」


 「符術を知っていると?最近開発されたはずなのに何故知っているのですか?」


 急に同心の目が鋭くなる


 「あ、いやそちらの国では我々の国で言う魔法を術と言うらしいじゃないですか、それで先ほどあなたが符と言っていたので符術と言う物があるのかと思っただけです」


 「そうですか、そちらの術は符無しでも使えるそうですね、さぞ便利なんでしょうね」


 「適性がある人のみだけですよ、彼女はありますが自分はからっきしです、持っているだけで効果があるという事はそちらの術と言う物はこの紙を才能がある人が作れば誰でも使えるみたいですね」


 「ええ、持っているだけで効果を発揮するものは珍しいのですが、普通は破る事で効果を発揮する物が一般的です」


 「魔法と術、一長一短ですね、あっ」


 オリバーは先ほど渡された符を落とし拾う際にリリィに一言「詳しい事は後で説明する」と言った。


 その後無事に手荷物検査を終えて出島を出る事になった、宿舎が用意されているとの事で別の案内が付き案内された。


 「いや、すみません。先ほどは共に行動するといいましたが、まさかここまで身分制度が厳格とは思いませんでした」


 (もちろん、見張ってはいましたがね)


 機関長は貴族、オリバー達は平民、案内役がきっちりわけられ、貴族は与力と呼ばれる騎士隊の分隊長レベルの人間が案内をして、オリバー達は同心と呼ばれる騎士以下の一般衛兵に案内された。

 

 「仕方ないですよ、決まりですから。それに港での案内人は少し厳しい感じがしましたが町を案内してくれた人は気さくな人でした」


 (動きからして訓練とか受けてない感じだったな、騎士と平民の間の衛兵くらいの人間だったのだろう、案内人まで露骨に差をつけるとはこの国も身分制度は厳しいみたいだ)


 「では、私は隣の部屋にいます、何かあればいつでもどうぞ」


 オリバーは紙とペンを出し、サッと書きなぐってリリィに見せる。”自然にさっきの札を手放してから会話しよう”


 「どうしたの?オリバー?何を気にしているの?」


 「リリィ、悪いのだけど、できるなら音を遮断する魔法とかってできる?」


 「風魔法を利用すればある程度できそうだけど、やった事無いから精度低いかも、それでいいなら」


 リリィは数十秒の詠唱をして魔法を発動した。


 「お、なんか外の音とか聞こえなくなった、聞いてたけど本当に木と紙で家が出来ているんだな、やろうと思えば盗み聞きし放題だな」


 「何でそんな事を気にするの?私たちは平民扱いよ」


 「ちょっと話が長くなるんだけど俺の気が付いた事を聞いてほしい、最初は符術なんだけど、これ異世界転生系小説にたまに出てくる魔法なんだ、リリィは研究していた時みかけなかった?」


 「私たちの研究は魔法に限定されてたから、多分こういう紙を使ったものは純粋に創作物に分類されて研究室に届かなかったみたい」


 「港の案内人が言ってたけど持っているだけで相手の言語を理解できる、最近開発された。これってかなり凄い効果じゃないか?多分ギフト持ち、転生者がこの国にいて作ったものだと思う、それで俺の読んだ話だと符術は色々な事ができる、確か式神って書いてあったな、相手の近くに飛ばして壁とかに張り付いて盗聴したり、ある程度自由度が高い魔法なんだ。この国の転生者の能力が”どんな言葉でも翻訳できる”ならいいけど、”符術を使う”だと聞かれると面倒だと思って警戒したんだ。港町の案内人が俺が符術って言った瞬間にあからさまに警戒心を強めたから嫌な予感がしてちょっと警戒したんだ、別に聞かれてもいいけど、もしこの国で転生者の存在が機密事項だったら今の話を聞かれたら面倒だしね」


 一方隣の部屋


 「正解ですよ、ハジメ様、ルイ様も同じような見解をしていました。でも甘いですよ、符を身から離すのはよかったですが音の遮断はやりすぎです、何か悪だくみしていると思われてしまいますよ。すぐに私が解除したからよかったものの、お、まだ話の続きがあるみたいですね」


 「後、多分、俺とリリィの身分はアヤノ家は掴んでいる、少なくとも機関長は知っていると思う、必要以上に俺たちに丁寧だったろ?普通ありえないよ、俺たち冒険者だぜ、本来なら呼ばれる事すらあり得ない」


 「そうなの?見た感じ船の乗組員は武官を含めても弱そうだったし本当に護衛だと思うけど、恥ずかしながら私の出身の北の国って蛮族の襲来があんまり無いから素人ながらに弱いと思うの」


 (妹さん、オリバーは気が付いてたみたいね。兄妹仲がいいのね、性格を読まれているみたい)


 「気が付いたきっかけは、アヤノ家の軍事機密の魔石奪還依頼の時かな、リリィはともかく俺の服までサイズピッタリだった、普通ありえないって、俺の服は常に特注サイズだ、多分間諜を使っている、妹の仕業だと思うんだ、アヤノ家の次期当主になってある程度裁量でも与えられたのかな?あいつは俺にべったりの甘えん坊さんだからな」


 「そっか、何となくわかるかも、私も弟が同じ目にあってそういう事ができる力があれば次の日には調査するもの」


 (潮時ですかね、ルイ様に報告しましょう、ハジメ様は気が付いていると、もういっそ正体をばらした方がリリィさんの護衛も楽ですし、後はどこまで言っていいかのすり合わせですね、通信装置は船ですがわざわざ危険を冒して忍んでいくより堂々と忘れ物をしたと言って行きましょう)


 機関長がオリバー達の部屋に入ってくる。


 「”オリバー様”、忘れ物をしましたので船に戻ります、すこし夜遅くになりますがお話があります、それと魔法の仕様は控えてください、悪い事をしてると思われますよ」


 「ああ、わかった、行ってきてくれ、徹夜してでも待ってるさ、あいつによろしくな」


 「はい、では後程」


 「はー、やっぱりね、オリバー様ね。やっぱりルイの間諜だったか、確か船にアヤノ領と話ができる物あるんだったな、今から会議かな?どこまで情報開示してくれるのかな?しかし音を遮断しているはずなのに盗聴されるって腕利きだな」


 「ううん、今気が付いただけど、私にわからないように魔法を解除されていたみたい、そうよねよく考えたら音を遮断する魔法なんて使っていたら凄い怪しいものね、符だっけ、あれさえ持ってなければこっちの言語を理解してなければ何話したっていいんだし」


 「そうだな、俺が浅はかだったよ、プロは違うね」


 「それにしても、すっごいね、オリバーが上級貴族だって改めて分かったわ、間諜が飛び交うなんてビックリだね」


 「まぁ俺もビックリだよ、早すぎだよルイ、国にばれたらどうするんだよ、いくらうちでも嫡男の死の偽造が発覚したら洒落にならないよ」


 「それだけお兄ちゃんが大好きなんでしょ、仲のいい兄妹っていいわね、あ、私いじめられない?お兄ちゃんを取るなって」


 「多分、大丈夫じゃないか、元婚約者とも仲良くしてたしな、絶対に価値観合わないのにルイの方から話合わせてたし」


 「そっか、私は弟のお嫁さんが嫌な女だったら戦っちゃうな」


 船内にて


 「と、言うわけで前の依頼で服を送った時点でばれていたようです」


 「だから言ったろ、先に相談しろと、あの依頼は急ぎだから許可したけど服まで送ったのは今知ったぞ」


 「申し訳ございません、あの頃の私はどうかしていました」


 「まぁいい、さてどうする?どこまで言うかな、ハジメは優しすぎる、リリィ嬢を戦場に出すと言えば絶対反対するだろうな、下手したら二人で逃亡しかねん」


 「ハジメ様は報告したように薬師の資格を取ってあの地で根付くつもりのようですよ」


 「かと言って情に流されてもいかんな、ルイが開発している杖とリリィ嬢がいれば最後の城塞都市攻略時に多数の死者が出るかもしれないのを限りなく少なくできるのだ、甘い事は言ってられない、最悪ハジメを人質に取ってリリィ嬢に働いてもらわねばなるまい」


 「そんな、お父様、そんな事、そんな事しないで、お願いします、私がもっと凄い兵器を開発します、お願い、お兄ちゃんにひどい事しないで」


 「したくないさ、ハジメにはリリィ嬢には遠距離攻撃に徹しさせ安全策を取ると説明する、ルイは凄い兵器じゃなくてリリィ嬢を守る物を開発しなさい、それができるまでリリィ嬢を戦場に出す話は秘密だ、北の国に圧力をかけてリリィ嬢をリンネア・ショーベリに復帰させて、アヤノ領の騎士オリバーを婿にとってもらい身分ロンダリングしてもらうところまで話そう」


 「必ず作ります、だからお兄ちゃんにひどい事をしないでください、お願いですから」


 「わかったからルイ、もう泣くな、新型の杖とリリィ嬢の防具の開発を急ぎなさい、戦争以外にも復興作業も手伝ってほしい、死なせるわけにはいかない」


 「杖は完成しています、発射機構の耐久テストのみです、優秀な魔法使いを10名以上お願いします、それと機会を作ってリリィさんと二人で話をしたいです」


 「わかった、それは帰ってきてからだな、悪いようにはしない」


 「では、ハジメに伝えるのだ、それとリリィ嬢には貴族に戻ってくれればアヤノ家が全面的にバックアップをして弟と領を守るとも伝えてくれ」


 「承知しました、ではお話をしてしますが、報告は何時になるかわかりません。よろしいですか?」


 「いいよ、こっちで受信したら大きな音が出るようにしておくからここで寝てる」


 「ワシもそうしよう、では頼んだ」


 次回はアヤノ家の陰謀の一部をオリバーに話します、オリバーは返答するのか?

 

 なっが、いつも思うけどなっが、それと作者が思ったより早く情報開示の流れになってしまった。でも大丈夫、まだ書きたいこといっぱいあるから、素直に言う事を聞きません。何度も言いますが作者はハッピーエンド原理主義者です。それだけは忘れないでください。ルイとマッテオ君がだんだん仲良くなっていって最終的にはアヤノ家式調教済みマッテオ君とイチャイチャさせたいんですよ。


 子供の成長は早いものです.....間諜さんのセリフ、前の話でも書きましたがルイが小さい頃は両親が忙しすぎて護衛兼お世話係でした。そして間諜さんたちは孤児院で引き取られ訓練させられています、結婚も許されておりません、家族を作ると裏家業が嫌になって家族ごと逃げようとするからです、アヤノ家も清廉潔白では無い。


 実はハジメは気が付いても割り切れますがルイには無理です、優しい子ですから、間諜が昔のお世話係だと知ると危険な事させてごめんねと言い泣いて抱き着きます。知らない人が不幸になるニュースを見てもふーんかわいそうだね、と思うかその時は泣いても数日後には忘れます。人間ってそんなものでしょう。ルイだって知ってる人が不幸になるのは耐えられないけど知らない人が不幸になるのは何とか割り切れます。だから今の間諜も任務に使えるのです。オリバーが準備万全でダンジョンに行った時も一人で潜入して生きて生還しています。実は結構命がけの監視任務。


 オリバーの「符術は異世界転生小説に出てくる魔法」.....そういう作品もありますよね。オリバーは網羅しています。だってファンだもん。


 リリィのセリフ「北の国って蛮族の襲来があんまり無いから」.....少しはあります、リリィの祖父の時代にリリィ家の領土が大幅に削り取られて没落真っ最中です。


 リリィのセリフ2「私も弟が同じ目にあって~」....リリィもルイに負けず劣らずブラコンです、年の離れた弟なので半分母親のような感じです。


 船の通信機器.....スマホのように便利な物じゃないです、前の話でも書きましたがタイムラグもありますし船とアヤノ領だけの通信のみしかできません。6畳間くらいは埋まるくらい大きい装置です。


 一応、本編の進みを鈍化させて色々伏線貼っているつもりです。


 今後のオリバーとリリィの判断と行く末が気になる方は下部にある評価の【★★★★★】と、ブックマーク登録で応援をお願いいたします!皆様の応援ポイントが、次話を執筆する最大のエネルギーになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ