閑話 イワオと蛮族の交渉 イワオと言う猛将
イワオもルイばかりに構っておらずに仕事をしています。
オリバー達がジパンに旅立ってしばらくしてイワオに蛮族側から書状が届いた、使者を派遣するから話し合いがしたいと。
「ふん、何をいまさら、しかし手に入れた情報に間違いは無さそうだな」
もう100年以上居座っているのだ、周辺諸国の人間との混血も進み、アヤノ側からのスパイも入りやすくなっている。中にはそこそこ蛮族側で昇進をしている者もいる。
「まぁ、話くらいは聞いてやるさ、これを逃すと次は命乞いかもしれないしな」
数日後、使者が派遣される、驚いたことにアヤノ側が送り込んだスパイも使者側に混じっている
(意外と出世したな、長いこと居座りすぎて警戒心が無くなっているのだろうな、もうスパイは必要ないかもしれん、交渉次第ではこっちに戻す手はずも考えるか)
二重スパイの心配はしていない、何せ掴んでる情報で送り込んだスパイが蛮族側につくメリットが無い事は把握している。
「さて、よく来てくれた、要件を述べよ」
「はい、停戦協定を結びたいと考えています、あの場所での安全を約束してくれるのであれば王国には一切手は出しません、小さな村一つでもです、こちらが書状です、我が国の王の血を引く総大将の署名と判が押してあります、過去に送った書状と見比べてもらえれば確認が取れます」
過去の書状とは降伏か死を迫った宣戦布告の書状である。
「ふぅん、今更なぁ、お前ら勝手に攻め込んできて我が国だけではない、同盟諸国の人間を何万人、いや、何十万人を犠牲にしたと思っておる?」
殺されるだけではなく拉致をされた人間も多い、特に若い女性に、でなければ100年以上も居座れない、基本的に戦なので圧倒的に男が多い、継続的な占領には女性は不可欠である。
「しかし、そちらも攻めあぐねているであろう?我が都市を包囲して毎日無駄に銭を消費して、もったいないと思うのだが。それにあの都市は我らが100年以上かけて要塞化した城塞都市、そう簡単にはおちないし、仮に落ちてもすぐ我が本国から数十万の軍勢が押し寄せるぞ、今和睦を結べば増援は来ないようになる、何も攻めているのはそちらの国だけではないのだからな」
(別に攻めあぐねているわけでは無いがな、お前らが作った地下坑道も発見したしその気になればすぐに落とせる、さて仕上げとするか)
イワオは立ち上がって和睦の書状を破り捨てる
「結構だ、そちらが干上がるまで包囲し続けるのみ、なぁに、100年以上待ったのだ、ほんの数年くらいどうって事は無いぞ?お前らの貯蔵している食料は.....4年かな?5年かな?木の皮やその辺の草、軍馬でも食べればもうプラス半年と言うところか」
「はっはっは、猛将と名高いアヤノ家の当主もその程度か、すぐに本国の増援が来る、今の発言は忘れてやってもよいぞ?もう一度聞こう、和睦に応じぬか?」
「応じぬさ、何故崩壊する寸前のお前らと和睦をするメリットがある?そうだ、ワシからそちらの総司令官とやらの王族に伝言だ、王の死去、お悔やみ申し上げる。確かお前らの次代の王の選別方法は王族が集まっての選挙らしいな?我が国から奪った砦の大半を奪われ残り一つの砦の内部も青色吐息、次の王になって増援を呼べるといいものだな」
(侵略を国是とする国がここまで続いたのが奇跡よ、侵略を効率よくするために子をたくさん作り競わせたかったのだろうが、偉大な王が死ぬたびに混乱し、疲弊していっているのは調査済みだ、他の占領地でも反乱を抑えきれないところもでてきていると聞く、そして今ハジメが向かっている国、ジパン。ジパンへの2度の遠征は大失敗との情報もつかんでおる、もう持って10年、長くて15年と言うところか、兄弟で仲違いをして国が割れる将来が見て取れるわ)
「我ら、100年、いや、同盟国を入れれば数百年の恨みを思い知れ、根絶やしだ、身分のある者はお前らの国に向けて首を晒し、男は鉱山奴隷、女は娼婦、老人は切り捨ててくれるわ、そのまま伝えるがよい、逃げてもいいぞ、当然地の果てまで追いかけるがな、人数分の軍馬がまだ残っているといいな」
アヤノ軍はもう数年前に蛮族の本国からの補給路を断っており、蛮族と本国に続く街道のいたるところに落とし穴や馬が飛び越えられない谷を掘り、狭い道には馬防柵を設置してある、小規模な砦も分散して建造しており兵が駐屯している、蛮族側は把握していない、補給路を断たれている程度にしか思っていない。
「後悔しても遅いぞ、後の歴史の教科書に稀代の愚将として名を残せばいい」
(どうやら、ここまでだ、総司令官と家族、その側近と私くらいは逃げる準備はしよう)
当然逃げきれない、ボスからは逃げれないのはお約束である。
「こちらの国の歴史書には過去に蛮族の大きな国があったと記しておこうではないか、愚かにも滅んだともな、時は来た、正しい行動を取ろう」
この”時は来た、正しい行動を取ろう”とはスパイは引き上げて来いとの合図である。すべての準備が整い次第、長い戦争は終わりを告げる事になる。
後の歴史書で周辺諸国歴代最強と記されたイワオ・アヤノの名は1000年、2000年先でも物語となり、架空の物語の英雄ともなり語り継がれることになる。
イワオのお仕事見学会です。読んでいただいた方には伝わってくれるといいのですが蛮族はとある国をモチーフにしております。馬と弓を扱うのがうまい遊牧民族です。
どうですかね?本編はちょっと考えながら書いているので基本1日1話更新で、時々思いついた話を更新する感じ。ストレスに感じる方がいるかもしれませんが作者の書きたい欲が抑えきれないのです。
オリビアの深堀、ダンジョン街のお姉さんの深堀、おねえさんのパーティメンバーの話、ルイとマッテオ君が徐々にイチャつき始める話、色々頭のなかで散らかっていますが構想はあります。
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