その後の顛末 国外退去からのスタート
主人公18歳、父親40歳、母親36歳、妹16歳の設定です。父親は剣の腕は鬼強で指揮能力歴代最強、母は剣はそこそこで魔法はそこそこな腕前、妹は剣は未熟、魔法は少し、知識はいわゆるギフデット級です。主人公は剣などの近接戦闘を高レベルで使いこなせます、魔法はまだ不明。勉強は凡人がかなり努力した程度できると言う設定です。
「仕方がない事とは言え、とんでもない事をしでかしてくれたな」
父上が険しい表情で語りかけるように話す。
「なにせ数百年ぶりにギフト持ちだ、混乱を避けるためにギフトの能力は戦闘に関係が無い物という事になっている、そのおかげでお前は武門の出ながら、ロクに修業もしていない勉強ができる程度の平民の男に決闘に負けた事になった」
自分がしでかした事実が深く心に突き刺さる。
「何故先にどちらかの両親に相談しなかった?それに週に一回二人きりでお茶会で話す機会があっただろ、その時に注意すればよかっただろうに・・・・嫉妬心か、若さゆえの過ちと言うのは本当に度し難い」
自分の心を見透かされ急に恥ずかしくなる。
「父上、申し訳ございません、すべて父上の言う通りです、嫉妬心のあまり正気を失っていたことは間違いありません、文官コースの平民に模擬戦で敗北した、この一族の恥は・・・・自裁にて・・・・責任を取ろうと思います」
正直、この発言の最後の方は声が震えていた。
その時、扉が勢いよく開き女性二人の声が部屋に響く
「あなた、我が子が死ぬのを黙ってみていろというのですか!この子の代わりに私が
「何故、お兄ちゃんがあんな女の為に死ぬ必要があr
母と妹である。しかし二人の発言が終わる前に父が声を荒げ発言を遮る。
「静かにしろ!おい、家族以外はこの部屋から出るんだ」
家族以外の者はすべて部屋から退出した。
「出て行ったな、私もそんな事望んでいない、しかしこのままと言うわけにはいかん、考えがある。私にまかせてくれ、間違ってもハジメを死なすような真似をしない」
結局父上はどこで見つけたかは不明だが殺人を犯した自分と同じ民族で近い年齢の青年の首を王家に確認させ、自分は死んだことになった。
父親からは財産目録に記載されていない私物の武具を、母からはそこそこの路銀を、妹からはもう死んだ事になったのだからどこにも行かずに別荘の管理人にでもなってと泣きながら懇願された。王家に嘘をついたのだ、ばれたら洒落にならない。
隣国の新しくダンジョンが発見されたという地方都市に移動して親から土地を相続してもらえない次男以降の平民や脛に傷を持つ食い詰め者が就く職業である冒険者になろうと思う。
自分は英雄譚が好きだ、元婚約者から様々な英雄譚が描かれた小説を借りた、その中でも特に好んだものは異世界転生物だ、我々の世界よりはるかに文明が進んだ世界から女神の手により転生した英傑の物語だ。当時、苦しい訓練に根を上げそうになった時に無条件にチート能力を授かる描写を読むたびにこの英傑は生前の異世界でどのような偉業を成せればこのような特典にありつけるのかとよく想像したものだ。
そしてよく読んだのは異世界の格好のまま冒険者ギルドに行き悪目立ちをすると言う描写だった。それに倣い自分も父上から頂いた武具を即売り払い平民の冒険者のような恰好をして武具も新調した、武器だけは妥協できないので、ボロボロの鞘にそこそこいい剣を収めつつ防具は死なない程度の物にした。余ったお金は換金しやすく持ち運びやすい物に変えた。
生まれて初めて乗り合い馬車に乗り、乗り物酔いに耐えながら1か月かけ目的地に到着した。少し高いお金を払ったおかげで客層はよく、護衛もついていたので乗り物酔いさえ耐えれば何とかなった。
後は頑張って口調を変えるように訓練している、差し当たって一人称は「俺」に変えたい。だんだんと貴族らしさが抜けていくといいのだが。
冒険者ギルドがある町の前で少々値が張ったが1年は保証すると言われ染髪魔法で髪の色を茶髪にした。
冒険者ギルドに入る、以前読んだ冒険譚だとロクデナシかモヒカンかヒャッハーしかいない物だと思っていたら意外・・・と言ったら失礼だが秩序が保たれているように感じる。受付は、美人もいるが壮年のおじさんもいる。ここは冒険譚にならって美人に話しかけよう。
「こんにちは、実はこの町が稼げると聞いて冒険者になりに来たのですがじぶん・・俺は何をすればいい?」
思わず貴族の話癖がでる。何とかごまかせたようだ。
「そうですね、名前は、なんでもいいですよ。どうせ本名を言えない家の出なんでしょ?私がきめましょうか?」
(ばればれじゃないか、ここは平静を装って咄嗟に思いついた名前を告げる)
「何のことだ?オリバーだ、何をすればいい?」
(なんとか品が無さそうに答えられたはずだ。オリバーなんてどこにでもいる名前だ)
「じゃ、まずはここに名前を書いて、それから今から用意する魔方陣に血を一滴垂らしてね、ある程度特性がわかるから」
おお、この流れは小説と同じ流れなんだな、じぶn、いや、俺は軽く感動した。名前を書き、魔方陣に血を垂らす。
(躊躇なくきれいな字で名前を書いて手の指を剣で切って血を出す時点で確実に訓練を受けたお貴族様なんだよねー、本人ばれてないと思ってるからしばらく生き残れたら教えてあげよう)
「あらー、凄いわね、5段階評価で3あれば一人前で4で一流、5で達人なんだけどね。あなた剣が4、短剣3、槍3、弓3、盾4、格闘4、魔法3、体力・膂力4だってさ。久しぶりの大型新人ね、安心して、守秘義務があるからあなたの許可なしに他人に教えないわ。3未満の特性を見るにはお金が必要だけどどうする?」
(特殊な訓練を受けた隠密部隊の脱走兵とかじゃないでしょうね?ま、黙っておこう。この町のギルドに役に立たないと思ったら上に報告すればいいか)
「冒険者の心得講義が明日あるんだけど参加する?それともすぐ出発する?」
敵を知り己を知れば~って小説の登場人物も言ってたな。ここは参加しておこう
「いや、3未満はいい、講義には参加するよ。宿はいい所あるか?」
「いい心がけね、調子に乗ったモヒカンとかヒャッハーはそのままクエスト行ってみんな死んだわよ。因みに冒険者クラスにはね、木のネームプレートから始まって、鉄、銅、銀、金、ダイヤ、プラチナ、ミスリルクラスがあってアイアンまではギルド2Fの共同宿泊所で無料で雑魚寝できるわ、寝具は自前でよろしく」
それで、ギルド内は治安が担保されているのか。名もなきモヒカンとヒャッハーに黙祷だな。
「それはありがたい、さっそく飯食って休ませてもらう」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
序盤を整理・統合したことで、よりテンポよく読み進められるようになりました。
楽しんでいただけていたら嬉しいです。
ブックマークしていただけると励みになります。
次の話もお楽しみに!




