序章 これまでの独白
遥か昔の戦争を終わらせた、凄まじき力――『ギフト』。
その大戦の功績により、各国には1位から5位までの「貴族」、そして功績者が1代限りに任命される6位の「準貴族」が制定された。
第3位の貴族家。その元嫡男であった少年は、ある事件をきっかけに【死亡したこと】にされ、家を追われて放浪の旅に出る。
これは、過酷な運命に抗う少年が、たどり着いた先で出会う仲間たちに寄り添われ、力強くも泥臭く生き抜いていく物語。
どうしてこうなったのだろうか?
安い飯屋で、決して美味しくはないが、リーズナブルで腹持ちだけはいい多めのクズ野菜と、少しのベーコンが入ったスープ。そして、硬い黒パンを齧りながら、俺は今日も考えていた。
答えは出ている。だが、解決しようが無い事を。
ほんの少し前まで、俺は中堅どころの貴族の嫡男だった。才能があり、それなりの努力をし、難関である王立総合高等教育学院――通称「学院」の士官候補コースに在籍するエリートだったはずなのだ。
学院を卒業して、更に4年の専門的な訓練を受け、騎士団に入隊すれば、輝かしい未来が待っていた。まぁ、その門すら閉ざされた今の俺にとっては、もう関係のない話なわけだが。
当時の俺の名前は、ハジメ・アヤノ。過去の戦争で武功を上げた、第3位の貴族家の長男だ。周辺諸国では珍しい黒髪・黒目の見た目をしていたが、我が家は「武」を矜持とした名門であり、周りからも一目置かれる存在だった。
当然のごとく、幼馴染である可愛い婚約者もいた。オリビア・ロッシ。本を読む事が大好きな、同じ3位の文官貴族家の令嬢だ。
武の我が家と、文の彼女の家。将来ふたりが結婚すれば、お互いを補い合い、より高位の貴族を狙えるはずだった。幼い頃から顔なじみという事もあり、俺と彼女は学院の最終学年までは、誰もが羨む良好な関係だったのだ。
..........そう、あの男が現れるまでは。
よく、かませ犬で主人公に決闘を挑んで負けた人間のその後を書きたいと思います。
スマホで読んでみたら驚くほど読みにくかったので読みやすいように変えてみました。
PCとスマホどっちを優先すべきか迷いますね。




