表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/116

主人公の独白からこれまでの経緯

 遥か昔の戦争を終わらせた、凄まじき力――『ギフト』。


 その大戦の功績により、各国には1位から5位までの「貴族」、そして功績者が1代限りに任命される6位の「準貴族」が制定された。


 第3位の貴族家。その元嫡男であった少年は、ある事件をきっかけに【死亡したこと】にされ、家を追われて放浪の旅に出る。


 旅の先で彼は何を見て何を感じるのか?

どうしてこうなったのだろうか?




 安い飯屋で、決して美味しくはないが、リーズナブルで腹持ちだけはいい多めのクズ野菜と、少しのベーコンが入ったスープ。そして、硬い黒パンを齧りながら、俺は今日も考えていた。




 答えは出ている。だが、解決しようが無い事を。




 ほんの少し前まで、俺は中堅どころの貴族の嫡男だった。才能があり、それなりの努力をし、難関である王立総合高等教育学院――通称「学院」の士官候補コースに在籍するエリートだったはずなのだ。




 学院を卒業して、更に4年の専門的な訓練を受け、騎士団に入隊すれば、輝かしい未来が待っていた。まぁ、その門すら閉ざされた今の俺にとっては、もう関係のない話なわけだが。




 当時の俺の名前は、ハジメ・アヤノ。過去の戦争で武功を上げた、第3位の貴族家の長男だ。周辺諸国では珍しい黒髪・黒目の見た目をしていたが、我が家は「武」を矜持とした名門であり、周りからも一目置かれる存在だった。




 当然のごとく、幼馴染である可愛い婚約者もいた。オリビア・ロッシ。本を読む事が大好きな、同じ3位の文官貴族家の令嬢だ。




 武の我が家と、文の彼女の家。将来ふたりが結婚すれば、お互いを補い合い、より高位の貴族を狙えるはずだった。幼い頃から顔なじみという事もあり、俺と彼女は学院の最終学年までは、誰もが羨む良好な関係だったのだ。




..........そう、あの男が現れるまでは。



 自分と幼馴染で婚約者であるオリビアとはうまくいっていた。自分が学園を卒業したら結婚し、自分はその後より専門性の高い部門で学んで兵を率いる人間になるものだと漠然と感じていたある日、徐々に変わりゆく日常に戸惑いを感じていた。




 


 オリビアが平民出身の1つ年下の男と異常に仲良くしていると噂が立っていた。そんな馬鹿な、と感じたが現場を見たら一瞬の不快感と激しい嫉妬心が湧いた。






 赤髪で可愛らしい彼女が自分には見せたことのない笑顔で端正な顔立ちの平民の男とカフェテリアで周りの目も気にせず談笑している。激しい怒りを堪え、自分が貴族であると言い聞かせ二人に迫った。




 


 「オリビア、と、すまない、学年が違うので名前を失念したが平民の君、オリビアは私の婚約者なのだ、人目も憚らずしょっちゅう二人で歓談されるといらぬ噂が立つので今後ひかえてもらいたい」








 嘘だ、相手の男の名前とある程度の素性は調査済だ、余裕を見せるためにあえて名前を知らないふりをした。彼は平民だが数百年ぶりに何かの「ギフト」に目覚め豪商の養子となり、多額の寄付金と共に入学してきたある意味目立った存在だ。






 下位貴族の次女、三女レベルなら喉から手が出るほど婿に迎えたいであろう男だ、成績だってぶっちぎりでいいと聞く。名前はコウタと言うらしい。だが彼女は中の上のレベルの貴族令嬢でそこそこの家柄である自分と言う婚約者もいる、間違っても二人きりで談笑していい仲ではない。








 「あら、ハジメ。やきもち?彼とはそういう仲では無いわ、コウタは入学前に各国を義父と商売で渡り歩いいていた経験があって各国の情勢について有意義な会話ができるの。あなたとの会話じゃ得られない新しい知見が得られるの。それにやましい事が無いからあえて皆の目につくカフェテリアでお話してるの、あなたとの会話の時間は別に週1でとってあるでしょ?目くじら立てないでよ」








 そういう問題では無い、彼との会話で新たな知見が欲しいなら自分も入れて3人で我が家で会話するべきだ、そうすれば野暮な噂も立たない。それに "あなたとの会話は1週間に1回取っている?" まるで自分との会話は義務感でしているかのように聞こえる。確かに今の自分は多少は教科書程度の国外情勢の会話はできるが剣技や戦いの話くらいしか深い話はできない、彼女にとって自分との関わりは面倒なのだと感じた。つい追及のセリフに怒気がこもる。








 「オリビア、やきもちとかそういう低俗な話をしているわけじゃないんだ、どうしても彼から知見を得たいと言うのであれば後日招待状をだす、今後は3人で我が家で話をしてくれ!」






 最後は少し語尾を強めてしまった。








 「ハジメ、あなたがいたらコウタは委縮して忌憚のない意見を言えないわ、何を勘違いしているかわからな・・・・






 「アヤノさん・・でしたね、学園内では身分の垣根を無くし平等に教育の機会をが理念ではないですか?」








 オリビアの発言にかぶせるようにコウタが意見を言う。確かにそういう理念があるのは知っている、だが建前だ。そんな事を馬鹿正直信じて高位貴族に楯突いたら数日内に親が潰されるか卒業後に発言した本人の首が物理的に飛びかねない。そんな事は建前と言えれば楽だが王家の言葉が建前か?と他の人間に言われるような隙を作るほど自分も馬鹿ではない。






 自分がそれでもこの場を丸く収めるために3人での会談を提案しようとしたところオリビアがとんでもない提案をする。








 「ねぇ、3人の予定合わせて会話するのはちょっと会話の時間も限られるし私にとってメリットのある提案では無いわ、それにハジメじゃ私たちの会話の意味を理解するのは難しいと思うの。それに婚約してるといえど結婚してるわけじゃないんだしそこまで行動を制限される言われは無いと思うのだけど?」








 何を言っているんだ?そういう問題じゃないだろ?婚約者のいる貴族令嬢が平民の男と毎日長時間楽しく談笑していると言う事実が問題だし、これを放置すると我が家のメンツに関わる、武を家の根幹とする我が家にとって平民に婚約者が自分より圧倒的に長時間二人きりで会話をされると言うのは屈辱を意味するという事くらいわかるはずだ、何故急にそんなに愚鈍になるのだ?少なくとも自分の知る彼女は他人のことを慮ることができる思慮深い人物だったはずだが。








 「先輩、学園にルールがありましたよね?譲れない事があるなら弁論か決闘で決着をつけると、先輩は士官候補コースと聞きました、時間節約のために模擬戦で決着をつけましょう。」








 何言ってるんだ?俺は座ってるだけで勝手に二人で会話していればいいだけの話なのに何故いきなり決闘?俺が求めるのは3人でのディスカッションではなく "自分も交えて3人で会話をしている” と言う客観的事実なのだが、しかしこれだけの目撃者がいる中で引くわけにはいかない。引いたらメンツが立たない。




 「分かった、俺が勝ったら今後会話には自分も参加する、負ければ今後口を挟まない」




  






 結果、自分は負けた、当時は神が魔に対抗するために与えたとされる「ギフト」がこんなに強力だとは知らなかった。


 ほとんど何もわからないまま、数回剣を交えた後に信じられない力で木剣を弾き飛ばされ後に足払いでしりもちをついた所にコウタの持つ木剣を突き付けられ模擬戦は終了した。



始まりは暗い雰囲気ですが主人公はそこそこ人生をエンジョイする物語です。


 よく、かませ犬で主人公に決闘を挑んで負けた人間のその後を書きたいと思います。


 ここまで読んでくださり、ありがとうございます!


 この度、序盤(第1話〜第11話)を大幅に整理・統合しました。

より読みやすく、テンポよく楽しんでいただけるよう

書き直しておりますので、ぜひ最後までお付き合いください!


 もし「続きが気になる!」と思っていただけたなら……

ブックマークしていただけると、とっても励みになります!


更新のたびにお知らせが届きますので

ぜひポチッとよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
質問板から来ました。頑張ってください!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ