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アルト2-2

 因みに、私もマールも、生命力量と魔力量をレベル6まで上げた。それまで100前後だった生命力総量と魔力総量が、今では5000を超えている。

 物理防御と魔法防御も、二人ともそれぞれレベル2と1だったが、どちらもレベル5まで上げた。ある程度の強さの魔物等(ら)でないと、生命力量を50以上削ってくるような物理攻撃も魔法攻撃もしてこないので、ダメージを80軽減してくれるレベル5なら、森の深い所にいる魔物等でもなければ、私達に傷を負わせることは不可能だろう。

 もうどこの超人だ、って話だ。「死」というものが遠くなって、魔力はほぼ使い放題の状況だ。

 空間魔法も二人してレベル6に上げ、アイテムボックス中を使えるようにして収納量を上げることにより、ファル君がいない時の狩りで得た肉やアイテムのギルドへの持ち帰り量、つまり販売量が格段に増えて、日々の暮らしにかなりの余裕が生まれた。

 本来の目的は、増えた収納場所にスペアの武器や持ち替え用の武器を入れて、常に取り出せるようにすることだったんだけど・・・。

 物理攻撃主体の私の場合、迷宮のボス部屋にいる幽霊に対して有効な攻撃手段を持っていなかったが、そんな私にファル君が光る剣を貸してくれた。

 最初はただの剣で幽霊が斬れるのかと疑問に思ったが、ファル君に言われるままに魔力を剣に込めると、剣が淡く光りだした。

 そして、その状態の剣だと、幽霊が斬れてしまうのだ。

 一応、剣を扱うということで、「剣術」をレベル3迄は取った。

 ただそれだけで、今までダメージを与えることのできなかった幽霊のような実体の無い魔物でも、少量の魔力さえ込めていれば、力は入れなくても一撃で倒せるのだ。

 幽霊だけじゃない。骸骨だって、ゾンビだって。と言うか、アンデッド以外の魔物等でもスパスパ斬れてしまうのだ。

 万能感を感じてしまった。危うく、自分の力で、軽々とアンデッド共を倒しているんだと勘違いしそうになった。

 でも、私に光る剣を貸したことによって、魔法でアンデッド共と戦わざるを得なくなったファル君を見て、全てがファル君のおかげだと思うことが出来た。

 だからと言って、ファル君がそれで苦労しているようには見えなかったが・・・。

 ゾンビで思い出した。ゾンビと戦うために、私もマールも「浄化魔法」をレベル5まで取ったのだ。

 迷宮の第3層で、最初はファル君が「浄化魔法7」で空気を浄化している範囲で戦ってたんだが、戦いに夢中になるうちに、浄化の効果範囲を出てしまうことがあった。

 途端に、吐き気を催すようなひどい臭いに襲われる。特に獣人の私は嗅覚が鋭いので、冗談抜きで気絶しそうになる。

 そこで私とマールは、せめて自分の周りの空気を常に浄化できるように「浄化魔法4」を取った。

 だが、ゾンビが相手では、それでは不十分だった。

 「槍術」をレベル7(5「刺突の速さが格段に上がる」、6「敵単体に対し刺突閃を飛ばし攻撃する」、7「一度の攻撃で3か所を刺突できる」)に上げたが、いくら鋭く突こうが斬ろうが、斬った槍に腐肉や内臓の切れ端だったり、濁った血糊だったりが付いてくるのである。

 その都度ファル君に、「浄化魔法6」で槍を清めてもらわないと耐えられない。その時のファル君は、口は笑った形になってるけど、目が一切笑ってないので、とても頼みづらい。

 槍でそれなのだ。レベル6に上げたとはいえ、「体術」で殴ったり蹴ったりは、断固拒否だ。

 なので私は、ファル君がやっているように、「浄化魔法」をレベル5に上げて、ゾンビの身体についている腐った肉やあれやこれやを浄化して、骸骨に変えてから倒すようにしている。

 マールも同じだ。「浄化魔法5」を取った。

 いや、別に、マールが物理攻撃で戦うわけじゃない。だけど、マールにとっては、あのゾンビの見た目が(臭いの話は敢えてしない)耐えられないらしい。

 さて、今日もマールと8時に宿を出る。

 昼前に迷宮の入口でファル君と待ち合わせなので、それまでに達成出来そうな依頼が無いか、ハンターギルドに探しに行く。

 ギルドに到着し、中に入って依頼書を貼りだしている掲示板を見ようとすると、男が後ろから声を掛けてきた。

「よお、綺麗な姉ちゃ・・っ!」

 取り敢えず軽めに腹を殴っておいた。「筋力5」+「体術6」で強めに殴ると、人は死んでしまうことがあるので、あくまで軽めに。

「てめえ、俺の仲間にっ!!!」

 誰かが私の肩を後ろから掴もうとしたので、正確には、掴もうとしたんだろう指の一本が私の右肩に触れたので、そいつの顔があるであろう場所に、右拳で裏拳を放った。

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