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ファルーサ・カイデン13-3

 しばらく進むと「探索」に反応があり、さらにその方向に進むとヴァイパーが3M(メタ)程の高さまで鎌首をもたげてきた。

 俺は全速力で5M(メタ)ほどの距離まで駆け寄り、ウォーター・カッターを一薙ぎ。スパッと首を落とした。

 また適当な方向に向けて小走りで駆けていると、9匹の狼の群れがやって来た。

 跳びかかって来た先頭の狼を2番目の狼の方に回し蹴りで蹴り飛ばすと、2匹ともに口から血を吐きながら吹っ飛んで、地面に落ちたところで動かなくなった。

 3匹目が俺に跳びかかって来ていたのは分かってたんで、左拳を突き出して、狼の口の中に突っ込み、動きを止めたところで、その首根っこを右手で掴んで引き剥がす。

 奴らの牙では俺に傷を付けるどころか、身体に喰い込むこともできないので、簡単に引き剥がせる。

 別に左拳を相手の口の中に突っ込まず、俺の体のどこかを噛ませても良かったんだが、服は噛まれると穴が開いたり破れたりする。

それに対して作業用の手袋は頑丈だ。狼を引き剥がした後で確認してみたが、やはり穴も開いていない。

 そして、右手でつかんでいる狼の胴体で4匹目を思いっきり殴る。5匹目も殴る。6匹目も殴る。これら3匹も既に動かなくなってるが、右手で鈍器代わりにしていた狼も、体長が半分くらいになって、とても直視できない、言葉で正確に表現してはいけないような状態になっている。

 残り3匹の狼は、そこまでの状況を見て少しの間動きを止めてたが、俺が右手に持っていた狼だったものを投げ捨てると、反転して逃げ出した。

 逃がしはしない。

 全速力で追いかけ、残り3匹が1直線に並ぶような位置で追いつくと、1番後ろの狼を蹴り飛ばす。蹴られた狼は2番目の狼に当たり、その勢いでその2匹は先頭で逃げてた狼の所まで吹き飛び、最終的に3匹とも動けなくなった。

 ただ、走っている狼を後ろから蹴った分、十分には力が入ってなかったので、3匹とも息を止めるには至っていない。ゆっくりと止めを刺していった。

「ファル君、ちょっと待って! 早すぎる」

 後ろから声をかけて来たアルトさんの方に振り向くと、その大分後ろから、マールさんがゼェゼェ言いながら追い付いてきた。

 しばらく息を整えた後、マールさん曰く。

「ファル、早すぎや。あれではアルトでも追いつくんがやっとや。ウチではとてもやないけど追い付けん。

 パーティー組んどんやから、他の仲間がどこにおって、どんな状態で、何をしよるか、常に把握しとかなあかんで」

 注意されてしまった。

 確かに、二人に良い所を見せようと舞い上がり、逆に二人のことを見失ってた。

「それと、さっき狼に手噛まれとったやろ?

 大丈夫か?」

「大丈夫ですよ。頑丈な作業用の手袋なんで、穴は開いてません」

「アホか! お前の手のことや!

 怪我は無かったんか、言う意味や」

「あぁ、すみませんでした。

 手なら大丈夫です。防御力には少し自信があるんで」

「それなら良(え)んやけど。ちょっと見せてみ。

 ・・・・・

 うん、大丈夫そうやな。ホンマ心配したで」

「ごめんなさい」

「一応、ファルの防御力のレベル訊いても良えか?

 ホンマは他人のスキルのこと訊くんはマナー違反なんやけど、知っとった方が良さそうな気がして」

「別にいいですよ。心配かけたみたいだから。

 物理防御と魔法防御、それと精神攻撃耐性がレベル8で、毒耐性、麻痺耐性、高温耐性、低温耐性、石化耐性がレベル7です」

「「・・・・・・・・・・・・・・」」

 マールさんとアルトさんが固まった。というか、口を開けたまま意識が飛んでしまってるような。

 しかし、アルトさんはこんな顔も可愛いなぁ。

「それ・・・、マジ?」

 あ、マールさんが復活した。

「マジですよ」

「マジやとしたら・・・、ファルはホンマに人間か?

 いや、それなら、防具や無(の)うても盾役には打って付けやな。

 と言うか、ファルに傷を付けれる魔物やこの世におらんわな」

「いや、レベル11は、まだまだ遥か彼方ですよ」

「アホか! 物理防御のレベル8だけでも、長命のエルフであるウチでも、一生かかっても辿り着けんで。

 それともう一つ。

 ファルが敵を全部倒してしもたら、ウチ等のやることがあらへん。

 ウチ等もまだまだ強うならなあかんから、戦闘もしとかんとな。

 そやから、盾役は任せるけん、魔物等倒すんは3人で協力してやるで」

 そうだ。これはパーティーでの狩りなんで、俺一人でいつものようにやってしまっては意味が無いんだ。三人で力を合わせなきゃ。

「ごめんなさい」

 俺が少し落ち込んで謝ると、マールさんが、今度はにっこり笑って

「ええよ。

 ウチ等はパーティー組んだばっかりや。

 これからゆっくり、お互いの役割を探して行こ」

 と言ってくれた。

 そんなマールさんに感謝すると同時に、この人、どんな顔しても本当に綺麗な人だな、などと考えていた。

 この日はその後、マールさんのペースに合わせて、第2層の魔獣等を狩っていった。


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