ファルーサ・カイデン13-2
「成功だね」
「成功やな」
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします」
「こちらこそや。
今日は、これ以上は遅うなってしまうけん、明日からやな。明日からこの迷宮は、ウチ等3人だけのもんや。ガンガン攻略するで!
って、ファルは明日は出て来れるん?」
「大丈夫です。
いつも昼から出かけて、ここに来てますから。
明日も13時半から14時の間に来れると思います」
「ほな、ウチとアルトは、それまでこの周辺の森で狩りをしよくわ。
肉や素材を手に入れて、それを売らなんだら、ウチ等ハンターはおまんまの食い上げやからな」
そうして俺達は、今日はここで別れることになった。
アルトさんが、俺が一人で帰れるか心配してくれていたが、大丈夫と言って俺が町に向けて飛び立つと、後ろで大きな声がした。
「「ええ~~~~~っ?!」」
その翌日-
森の上を飛びながら確認した時計は13時40分頃。
誰かと狩りをするのは初めてなので、ワクワクしながらここまで来たが、「あんなん、冗談に決まっとるやん。ウチ等みたいな大人が、ファルみたいな子ども相手にするわけがないやん」とか言って、待ち合わせ場所に誰も居なかったらどうしよう。
そんな心配もしてたが、迷宮の入口の近くで2人は待っててくれた。
「遅くなってすみませーん」
謝りながらゆっくり着地すると、
「ファル君、飛べるの?」
「ファル、何やそれ? 何で飛べるん? 何かのスキルか?」
と、2人が食い付いてきた。
「重力魔法」と「風魔法」の併用ですよと言うと、2人ともしばらく考えた後で納得できたらしく、えらく感心してくれた。
その2つの魔法を併用する人は少しはいるらしいが、その殆どは、幅の狭い川等を渡る場合に、100MM程度浮いて移動するだけらしい。 ただし、それだけでも魔力量を消耗してしまうので、滅多にそんなことはしないらしい。
そんな話をしながら、とりあえず俺が先頭になって第1層を案内係として進む。
2人は、年下の俺を先頭に立てるのを渋ったが、マッピングした第1層の地図を見せ、それらは全部頭に入っていると言うと、渋々先頭を任せてくれた。
第2層への階段を目指して歩きながら、俺がこれまで、この迷宮でやってたことを簡単に伝えた。
そして、2日かけてこの第1層の魔獣等を駆逐し、昨日と今日で第2層の魔獣等を片付ける予定だったことも話した。
「それでか。昨日、この、第1層?では魔獣共が出て来んな~っと思とったんや」
「今日も、まだ殆ど出ないと思いますよ。
少しは出てきますけど」
と言いながら、土の中を下から近づいて来てるのが「探索」で分かってた岩モグラが、足元から顔を出した途端に、その頭をウォーター・ガンで貫いて倒す。
「ファル君が強いのは解ってるんだけど、それでも年下の子を先頭に立たせるのは悪いよ」
アルトさんが、本当に心配そうな顔で言ってきたが、俺は他の誰かと、しかも、それがアルトさんのような、あ、マールさんもだけど、綺麗な人と一緒に狩りが出来ることでハイになってた。
「大丈夫ですよ。
昨日も行ったと思いますけど、僕は防御と回復は結構自信があるんで、盾役・・・って言うんでしたっけ? それは十分こなせると思いますよ」
「ファルがそう言うんなら良えやん。
それに、ファルのおかげで、洞窟の中がこないに明るい」
俺は張り切って、「照明魔法5」で小さな光球を一杯作って周囲に浮かべ、「照明魔法6」で進行方向をこれでもか!と明るく照らしていた。
そんなに時間もかからず、殆ど魔獣等と遭遇することも無く、第2層に到着する。
この層に来て最初にやることは、大きな鳥が飛んでいないかの確認である。
周囲の空を見回して、・・・見つけた!1羽飛んでる。
2KMちょっとか。3KMはないな。十分届く。
アイテムボックスから弓矢を取り出して、構えて、放つ。
ドンッ!! と相変わらずすごい音がして矢が飛んで行く。このままではすぐに矢が見えなくなるので、視力を上げて矢の行方を見ていると・・・当たった。矢に貫かれた大きな鳥が落ちた。
「大きな鳥がいたので、落としておきました。
これでしばらくは、上空から攻撃を受けることは無いでしょう」
「昨日も見たけど、何やあれ?
矢なんて、飛ばすだけなら200~300Mは飛ばせるけど、あの飛距離はないで。
しかもスピードも、ウチの目をもってしても、見えるか見えんかのギリギリやで」
「うーむ・・・
ファル君って、一体何者なんだろうね?」
何か、マールさんとアルトさんがひそひそ話をしてる。
パーティーを組むには、俺の力が足りないと思われているんだろうか?
折角綺麗なお姉さん二人と狩りが出来るんだから、もっと良いところを見せないと。
「それじゃあ、どんどん魔獣等を倒していきましょう」
と二人に声をかけて、弓をアイテムボックスに入れて、草原を小走りに駆けて行く。




