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ファルーサ・カイデン13-1

 9月も半ば。暑さも大分和らいできた。らしい。

 「高温耐性」も「低温体制」もあるので、意識してそれらを無効にしない限りは常に快適な温度なので、暑い寒いに縁が無い。

 昼食を食べ終えて、今日もこれから迷宮を目指す。

 一時は、あの迷宮がハンター達に知られて、未成年の俺はもう迷宮に来ることは出来ないかと思ったが、アルトさんとマールさんが黙っていてくれたので、ハンターギルドに知られることもなく、今日も迷宮に向かえる。


2か月前-

「ファル。ウチ等のパーティーに入らへん?」

 もう迷宮にも、迷宮の入口付近の森にも来ることが出来ないなと半ば諦めかけていた時、マールさんから提案があった。

「・・・、へ?・・・・・」

 俺も間抜けな返しをしたが、言ったマールさん自身も「あっ!」みたいな顔をして、アルトさんの方を見た。

「ギルドには黙ってる?

 ファル君なら、私は歓迎だけど」

 アルトさんの問いかけに、マールさんはまた少しだけ考えた後、

「うん。

 折角誰にも気兼ねせんと、邪魔されることもなく、S(スキル)P(ポイント)稼げる場所があるんやけん、しばらく有効に活用した方が良(え)えかなって。

 それに、ウチ等だけやとさっきみたいに危ないかも知れんけど、ファル君ならそれを十分に補ってくれるだけの強さがあるみたいやし。

 それに・・・、まあ・・・、 他にも・・・、色々・・・と・・・な。

 どうや?ファル君」

「僕はハンター登録をしてないんですけど、パーティー組んだりできるんですか?

 パーティー組んだりできるのって、ハンターだけじゃないんですか?」

「そんなことないよ。

 ハンター以外に、パーティーを組むメリットがあまり無いだけ。

 パーティーって言うのは、倒した敵から得られるSPを、そのパーティーに加入しているメンバーに均等に割り振るシステムなの。

 普通は、魔物等(ら)を倒すと、そいつに止めを刺した者にSPが与えられるんだけど、それだと、例えば、治癒魔法なんかで回復役を務めている人にはSPが入らなくて、いつまでもその人は弱いままで、敵を倒した人だけが強くなっちゃう。

 敵が弱ければそれで良いかも知れないけど、強い敵と戦うと、どうしても怪我とかが付き物になっちゃうの。そうなると、より強い防御や癒しが必要になって来るから、一人だけ強くてもすぐに限界が来ちゃう。

 だからパーティーを組んで、攻める者、守る者、癒す者が等しく強くなれるようにする。

 それが、より強く、より多くの敵を倒せるようになることに繋がるから。

 だから、ハンターがパーティーを組むことが多くなっちゃうんだけど、本当はメンバー全員がお互いを信頼出来ていたら、誰でもパーティーは組めるんだよ。

 私は本当に危ない所を助けてもらったから、ファル君なら心から信頼できるよ」

「こないに喋るアルト見たん、初めてや」

 アルトさんから教えてもらった初耳の情報に俺が驚いていると、隣でマールさんが目を見開いて、別のことに驚いていた。

「じゃあ、僕でもお二人とパーティーが組めるんですか?」

「それは、ファル君がウチ等のことを信用できてるかどうかや。

 ちなみにウチも、アルトと一緒で、ファル君のこと信用しとるで。

 まだ僅かな時間しか一緒におらへんけど、大怪我も直してもろたし、守るつもりが守ってもろたし、な」

「僕も先程、お二人が僕を守ろうと命懸けで戦ってくれたのが分かったので、お二人のことは信頼しています。

 パーティーに入れてください。よろしくお願いします」

「ほな、早速試してみよう。

 両手、出して」

 俺が言われるがまま両手を出すと、三人で輪になって手を繋いだ。

 俺の右手はマールさんの左手と、俺の左手はアルトさんの右手と、アルトさんの左手とマールさんの右手が繋がれた状態で、マールさんが呟く。

「パーティー申請」

 俺の、いや3人の身体が白く、淡く輝く。

 理屈ではなく、本能で理解する。これは神の業だ。

 あの神様、こんなSPとか、パーティーとかのシステムをこの世界に導入するなんて、やっぱり凄かったんだな。

 いや、違う。この世界のシステムを作ったのは、この恒星系を管理する低級神様だ。あの神様は代理(中級神様)の代理(上級神様)だって言ってた。

 しばらくすると、暖かいものが右手から左手に、マールさんから俺を通してアルトさんに流れ始めた。恐らく3人の間を循環してるんだろう。

 これも本能的に解った。

 この3人で新たにパーティーを組めた。

 それを感じた途端に、俺達から放たれていた淡い光は消えた。

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