↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/79

アルト1-2

「さあ、行こう」

 マールに声をかけて、宿を出る。

 マールは、あれが神託の迷宮だったら、何か私達がさらに強くなれるようなイベントが発生するのではないかと言っている。

 私は違う。

 神託に従ってマールに出会ったんだ。今度も誰かとの、素晴らしい出会いがあるんじゃないかと思っている。

 マールも、そして私も浮き浮きとした気分で出発した。


 間違いなく、ここは迷宮だ。

 少し前に倒した岩モグラの死体から「シュー」という小さな音がし始めたと思ったら、迷宮がその死体を溶かして吸収しているのか、若干小さくなっていた。

 私達はここが迷宮であることの確認も兼ねて、倒した敵の近くで休憩していた。

 疲れていたからだ。

 敵を倒すのに疲れたんじゃなくて、単に歩き疲れていた。

 宿からこの洞窟のような迷宮の入口まで、魔物等(ら)を倒しながら森の中を歩いて2時間弱。

 いざ洞窟の中に入ってみると、迷路のようになっていて、しかも奥がとても深い。

 私が「照明魔法1」で辺りを照らし、マールが「照明魔法2」で進行方向を照らすことで、警戒しながらゆっくりと2時間は歩いた。

 それだけ歩いても、敵が1匹も出て来ない。

 森の中ではある程度出てきた魔物等が、洞窟に入ったとたんに1匹も出て来ないのだ。

 だからと言って、気を抜くわけにはいかない。

 いい加減歩くのにも疲れて、そろそろ休憩しようかと相談していたところに1匹の岩モグラが現れたのが40分ほど前だ。

 因みに、「水魔法3」と「照明魔法1」は、ハンターに必須のスキルだと言われ、ハンター養成学校にいるときに取らされた。

 水は生命を維持するのに必須だが、重く、嵩張るため持ち運びし難い。特に何泊かの遠征ともなると、とても持ち運べない

 なので飲み水を自分で作り出すために、「水魔法3」は必須というわけだ。S(スキル)P(ポイント)100を貯めるのは大変だったけど。

 もう一つの「照明魔法1」だが、このような洞窟等では、やはり必須となる。

 人間族はどうだか知らないが、私のような獣人族のほとんどは夜目が利く。

 マールのようなエルフ族も同じらしい。

 夜でも、星の灯りがあれば、十分に周りが見える。

 しかし一切光が射さない穴の中など、真の闇においては、いくら暗さに目が慣れても十分に見えることはない。

 なので、「照明魔法」を使うことによって、敵に自分の位置を教えることになってしまっても、こちらも敵の位置を捉えて、確実に倒すことの方が優先される。

 もう一度、淡い光の中、少し離れた場所にある岩モグラの死体の状況を確認する。

 ここが迷宮であることは確認できた。

「休憩終わり。さあ、行こう」

 マールに声をかけて立ち上がり、近くに立て掛けてあった槍を手に取る。

 マールも立ち上がり、立て掛けてあった弓を取り、肩に掛ける。

 二人ともアイテムボックス・小は持っているが、食料や薬品などを入れるための容量を確保するため、武器は収納せず、常に持ち歩いている。

 しばらく歩くと、下に向かう階段のようなものを見つけた。

 もしかして、最初の層はもう終わり?

 出来たばっかりの小さい迷宮なのか?

 いや、最初の層は、魔物等こそ1匹しかいなかったが、広さというか、歩いた距離は結構あったと思う。

 宝箱もなかったし、誰かに狩り尽くされた後だったか?

 それなら、ハンターギルドがこの迷宮の存在を知らないのはおかしい。

 マールと相談して、とりあえず階段(のようなもの)を降りてみることにした。

 結構長い階段を下りた先で見たのは、

「「え・・・・・・・?  外?」」

青い空と、その下に広がる草原だった。

 因みに、私とマールの声はハモッてた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。