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ファルーサ・カイデン11-2

 不思議に思っていた時、迷宮について本に書かれていた内容を思い出した。

 迷宮は自ら内部に魔獣等(ら)を生み出す、と。

 昨日の今日で俺が来ちゃったから、ボス以外を再生できていないのか?

 もしかして、ボス部屋に入ったら扉が閉められて、ボスを倒した後も扉が開かず、迷宮の入口直行の魔法陣が起動するのは、次のボスを再生するまでの時間稼ぎなのか?

 そんなことを考えていると、骸骨剣士と骸骨槍士が俺の方に駆け出した。

 そいつらには目もくれず、俺は骸骨弓士に全速力で駆け寄る。

 「持久力5」と「疲労回復速度向上7」で、いくら全力で走っても息が切れることはない。

 途中、骸骨弓士が正面から撃って来た矢を避け、横から骸骨魔導士が放って来たウォーター・ボールも避けた。

 この程度の中距離攻撃なら、来るのが分かっていれば避けるのは簡単だ。

 剣に魔力を注いだ状態で、一気に骸骨弓士に駆け寄り、胴を横薙ぎに斬りつつ脇を駆け抜けた。

 やはり一撃で倒せた。

 骸骨魔導士に向けて方向を変えつつ、横目でそれを確認して、まだ次の魔法の準備をしようとしているように見えるそいつに駆け寄り斬り倒す。

 よぉし。中距離攻撃をしてくる厄介な2体を、先に片付けることが出来た。

 後は直接攻撃の2体。

 それぞれ一薙ぎずつで倒すことが出来た。

 という感じで、結構短時間で4体全て倒すと、また入り口の対面にある壁沿いの床に魔法陣が現れたが、この日は宝箱は出なかった。

 S(スキル)P(ポイント)も、前日は1万位稼げていたのに、この日はまだ3千にも満たなかった。

 やはり攻略翌日に来たんじぁあ、迷宮も魔獣等(ら)の供給が追い付かないんだな、とか考えながら魔法陣で入口まで戻った。

 時間はまだあるし、これからどうしようかと考えた時、思い出した。

「そういえば、最近第1層は最短ルートしか通ってないな」

 そこで俺は、迷宮に戻って、第1層を隅々まで回って魔獣等を倒していくことにした。

 そして、この日も含め、4回連続で第1層に通い、すべての通路を巡り終える頃には、魔獣等も殆ど見つけられなくなっていた。

 なので、第2層に行った。

 広い第2層も、4回目には隅々まで回ることが出来て、ここの魔獣等もあまり襲ってこなくなった。

 次は第3層だ。

 ここも、4回目には殆どアンデッドが出て来なくなった。

 ゾンビも殆どいないので、臭いも薄くなったのではないかと、試しに「浄化魔法」を解いてみた。

「くさっっっっっ!」

 やはり臭いままだった。


 そして今日も迷宮にやって来た。

 今日は久しぶりにボス部屋に行くぞ。

 昨日もらった懐中時計を確認すると、現在13時45分。

 第1層から第3層のボス部屋扉前まで一気に駆け抜け、再び時計を見る(時計を見るのが嬉しくて、途中で何度も確認してたが)と、14時55分少し前。途中で4回程魔獣等を倒してたから、少し時間がかかったな。

 ボス部屋の扉を押し開け中に入る。扉が閉まり、四方の壁に一定間隔で設置されている蝋燭が灯る。

 骸骨剣士達4体がいるのは当然として、その他を確認すると、幽霊が6体と、魔獣の骸骨が4体だった。

 全力で走って骸骨弓士と骸骨魔導士を、魔力を込めて光る剣で斬る。

足を止めずに、そのまま幽霊達と魔獣骸骨達を、走りながら斬りやすいところにいる順番に斬っていく。

 最後に骸骨剣士と骸骨槍士を斬って終わり。

 残念ながら宝箱は出なかった。

 うん。なんとなく予想してた。

 恐らくではあるが、この剣が入っていた宝箱は、この迷宮がありったけのリソースを注ぎ込んで作っていたんだろう。

 その中身を獲っちゃったってことは、次に宝箱が現れるのは、ある程度の数の迷い込んだ魔獣等や、攻略に来た人族がこの迷宮内で力尽き、新たなリソースとしてこの迷宮に吸収された後だと思う。

 魔法陣が壁際に表れたので、これまた全力で駆け寄って魔法陣に乗り、迷宮の入り口に戻る。

 時計を見たら、15時5分過ぎ。

 入り口から最短距離で迷宮を攻略するのに80分弱。

 ・・・・・。

 まだ帰るには早いな。

 もう一回行けるか?

 行けるんじゃないかな?

 きっと行ける。

 行ける筈!

 少し休んで、15時10分スタート。

 最短距離を全力で駆け抜けて、ボス部屋前で16時少し前。

 今回は、途中での戦闘は2回だった。最近集中的にアンデッドを倒して回った第3層では、全くアンデッドに出くわさなかった。

 この短時間でボス部屋の骸骨弓士等が再生されているのか不安だったが、少し力を入れて扉を押すと、開いた。

 ボス部屋の準備ができていなければ、扉が開かないんじゃないかと考えていたので、最低でもボスである骸骨弓士等はいるんだろう。

 そう予想してボス部屋に入ると、 いた。

 きっちり4体のみ。骸骨剣士、骸骨槍士、骸骨弓士、骸骨魔導士のボスたちだ。

 奴らが全員こちらを見て・・・

 え?

 なんか・・・4体とも・・・とても迷惑そうな顔をした?

 いや、気の所為だろう。

 奴らは骸骨なんだ。表情なんか作れるわけがない。

 しかもこいつらは、さっき倒したのと同じ骸骨達ではないだろう。新たに迷宮に生み出された骸骨達の筈。

 気の所為、気の所為。

 だから突っ立ってないで、やる気見せろよ。

 お前らは、人族と見ると襲い掛かってくる魔物だろ?

 構えてもないお前らを倒しちゃうと、俺が悪いことしてるみたいじゃん!

 そんなことを考えていると、やっと骸骨弓士達が(しぶしぶと言う感じがしないでもなかったが)武器を構え始めた。

 なので俺も攻撃する。

 先ほどと同じように骸骨弓士と骸骨魔導士からだ。矢と水魔法を避けて、魔力を込めた剣で斬り付ける。

 骸骨槍士の槍を剣で弾き斬り付け、骸骨剣士の剣を避けて斬り付ける。

 あれ、もう終わった?

 さっきより心なしか、弱かったような?

 現れた魔法陣で迷宮の入り口に戻ると、時計は16時5分過ぎだった。

 流石にもう1回は無理だな。

 よし、今日はもう帰ろう。

 頑張って、走ったり飛んだりするスピードをもっと上げて、途中の魔獣等も早く倒すことが出来れば、3回は行けるかな?

 2回目のボス骸骨達が嫌そうな顔をしたのは、きっと気の所為に違いない。

 次からは、1日3回の攻略を目標に頑張ろう!

 そんなことを考えながら、家に帰った。

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