↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/77

ファルーサ・カイデン9-1

 10の月も、もう半ばを過ぎた。

 どの町も村も、感謝祭の準備で忙しなく、しかし皆(みんな)楽しそうに賑わっている。

 年に一回、平穏に暮らせていることを神に感謝するお祭りだ。

 昔は「収穫祭」として、その年に収穫した作物を神に供え、感謝する祭りだったらしいが、この世界はダフト王国だけでもかなりの広さがある。

 そのため、地方によって主として育てる農作物が異なるので、収穫時期が異なる。

 地方によって、その中でも地理的な特性によって気候が異なるので、同じ作物でも収穫時期が異なる。

 農業技術の進歩により、昔は栽培できなかった時期に、作物を育てることが出来るようになった。

 商業や工業、サービス業の発展により、昔に比べて農業従事者やハンターと言った、農作物の収穫に関わる者が減った。

 その他にも様々な理由で、収穫祭を何時にすべきか迷う地域が多くなってきていたため、王国内の教会が一つの決断を下した。

 年に一回、暑くも寒くもなく、皆が内でも外でも楽しめる時期に、日々の暮らしを神に感謝する期間を設け、その期間内に一度教会で神に祈りを捧げれば、後の期間中は皆で楽しめるように、「感謝祭」を10の月の最後の週に設けた。

 祭りが無ければ誰も教会に行かない、なんとことは無い。神様の実在する世界だ。

 人によって頻度は異なるが、大半の人は、少なくとも月に1回は教会に行ってお祈りをする。多い人は毎日でも行っている。

 しかし祭りの期間はどの町や村でも、多くの人が教会の飾りつけを手伝いに行ったり、お供えを持って行ったりする。

 町や村の中もきれいに飾り付けられ、普段は無い屋台や出店の準備がされるので、皆が忙しく、そして活気があるのだ。

 そんな祭りの準備を横目に、俺は今日も迷宮を目指す。

 この時期は、さすがにお母様達も皆忙しそうで、お出かけのお誘いは無い。

 大人達は、皆「忙しい、忙しい」と言いながら楽しそうなので、正直に言うと、俺も祭りの準備に関わりたい。

 でも、大きな子どもが準備を手伝っていると、小さな子ども達も参加したがって、結局足手まといになるらしく、子どもは祭りが始まったらお小遣いをもらって、祭りを十分に楽しめば良いとされている。

 臨時の見世物小屋や興行も、子どもは無料だったり低価格だったりと、子どもが参加しやすいようになっている。

 なので、準備中の今は、俺は迷宮に向かう。

 他にも、今日迷宮に向かうのには、いつもとは違う理由がある。

 昨日、遂に下の階層に向かうであろう階段を見つけたのだ。

 マッピングが出来た第1層とは異なり、第2層は大半が平原であり、マッピングのしようがない。

 見通しも良いので、すぐに集って来る魔獣等(ら)を片っ端から倒し、とにかく歩き回り、走り回り、飛び回った。(余談だが、地下の迷宮の筈なのに、第1層から下りる階段の高さよりもはるかに高く浮かび上がっても、天井に頭がぶつかった、と言うようなことは無かった)

 ここに居れば魔獣等が寄ってこないという、安全地帯のようなものが何か所かあったが、離れるとすぐに場所が分からなくなるので、何度か利用しそうな場所には、「土魔法」で直径1M、高さ5M程の石柱を立てて目印にしておいた。

 昨日見つけた、下の層への階段の入口と思われる場所にも、同じ物を立てている。

 一度第2層に行ってからは、第1層は殆ど第2層への階段までの道(洞窟なので通路?)を通り過ぎるだけになっていた。戦うのはその道を塞いでいる魔獣等のみ。進路上にいても、横をすり抜けられる場合はすり抜ける。なので第1層では戦わない日が殆どだ。

 早く第2層に行きたいというのもあるが、この迷宮に来始めた当初はマッピングしながらゆっくり進んでいたので、寄って来る多くの魔獣等をとにかく倒していた。

 しばらくすると、俺が来る前からいた魔獣等がほぼ狩られて、迷宮が新たに生み出す速度では間に合わなくなったのか、魔獣等と遭遇する回数がどんどん減っていった。

 遭遇しても、まだ十分に育っていないのか、とても弱い個体が増えていた。そんな奴を倒しても、獲得できるS(スキル)P(ポイント)量が少ないのだ。

 そんな理由から、第2層に行き始めてからは、第1層ではほぼ戦っていない。

 もしかしたら、もう第1層の魔獣等は十分に増えていて、強く育っているかもしれない。

 でも俺は第2層に急ぐことを優先する。

 まあ、今では第2層も同じような状態だ。

 最初の頃は、とにかく魔獣等が集団で襲って来ることが多いので、あまり奥に進むこともなく、とにかく倒しまくっていた。

 1か月もすると、いろんな所に行けるようになってきた。敵が減ってきて、奥に進めるようになったんだろう。

 SPも一杯稼げたので、より早く敵を倒すため、何より痛い目に遭わず安全に進むために、色々なスキルのレベルを上げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。