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テンタ・モードン2-2

 暗くてよく見えないが、黒っぽくて細長い・・・・・

 違う!ネズミだ!ネズミが一列になってこちらに走ってきている。

 俺様がそう気付いた時には、奥側に居た俺様の魔獣達のうち数匹が、迎撃のためか、ネズミの方に駆けだした。

「ダメだ!!ネズミの数が多い!戻れっ!!」

 すぐに魔獣達に指示したが、遅かった。

 体長100~200M(ミリ)M(メタ)の程のネズミ達、恐らく土ネズミだろうが、奴らが作っている列が長い。20匹以上いるんじゃないか?

 先頭のネズミが俺様の魔獣達の一匹に飛びかかり咬み付いたと思うと、別のネズミが5~6匹、同じように咬み付いた。

 他にも俺様の魔物や魔獣が3匹、ネズミ共に集られている。どの魔獣達にも6~7匹のネズミが咬み付いているようだ。狙われたのは小型の魔獣達ばかりだ。

 咬み付かれた魔獣達も無抵抗ではない。

 ネズミ共を引き剥がそうと、転げまわったり、横の壁に身体を擦り付けたりしているが、咬み付いたネズミ共は離れず、咬み付かれた魔獣達は次第に血塗れになっていった。

 周りの魔獣達もネズミ共を攻撃しようと身構えているが、ネズミ共が全て味方に咬み付いているため、攻撃すると仲間を傷つける可能性が高く、手が出せないでいた。

 そのうち、俺様の魔獣が1匹、力なく倒れ動かなくなった。

 すると、その魔獣に群がっていたネズミ共が、別の小型の魔物の1匹に一斉に襲い掛かった。

 そんなことが繰り返され、俺様の魔獣達のうち6匹が倒された時、まだ魔獣達に咬み付いていたネズミ共が急に動きを止めた。

 俺様がそれに気づいた刹那、ネズミ共は咬み付いていた魔獣達から離れ、一斉に洞窟の奥へ向けて走り去っていった。

 ここぞとばかりに、魔獣達が追おうとしたが、俺様はそれを止めた。

 足の速い魔獣なら追いつけるかもしれず、仲間に咬み付いていない状態なら倒せるかもしれないが、さっきのネズミ共の様子は急いで逃げ出したように見えた。

 悪い予感がした。

 これ以上奥に入らず、今すぐにここから出るべきだ。そう考えた時だった。

「ガッ!」

「ヂッ!」

 俺様に従う鳥の魔物、烏と雀が地に落ちた。

 ほぼ同時に、俺様の左上腕に灼くような痛みが走った。見ると、そこから血が出ている。これはきっと「土魔法」だ。小さな石か、土を固めた物で攻撃されている。

 他の魔獣達からも悲鳴が上がりだした。何匹かの魔獣達が倒れる。

 先程までの攻撃的な感情は消え失せ、魔獣達は恐怖に染められている。

 そんな魔獣達の何匹かの下の地面が俄かに盛り上がり、岩モグラ共が出てくるのが見えた。

「逃げろ~~っ!!」

 俺様の声が届く前に、何匹かの魔獣達が腹や喉を、岩モグラの硬い爪に切り裂かれていた。

 その後も岩モグラ共は「土魔法」で土か石の礫を飛ばし、又は硬い爪で切り裂くことにより、俺様の魔獣達を屠っていく。

 犬を始め、俺様が「使役」してやっている時間が長い魔獣達は反撃に出て、何匹かの岩モグラを倒したが、その間にこちらの魔獣達の被害も広がっている。

 もう10匹以上、下手すりゃ20匹弱はやられたかもしれない。

 そんな中、岩モグラ達が急に動きを止め、先程の土ネズミ達と同じように、すぐに逃げるように洞窟の奥に走り去った。

「逃げろ~~っ!!洞窟の外に逃げろ~っ!!」

 叫ぶと同時に、洞窟の入口の方向へ身体を反転しようとしていた俺の視界に、洞窟の奥側の床部分の土から直径500M(ミリ)M(メタ)程のワームが出てきて、俺様の魔獣達を何匹か、一気に飲み込むのが見えた。

 俺様はもう振り返らず、只々洞窟の入口目指して進んだ。

 洞窟から出てからもひたすら走り続け、これ以上は走れないと思ったところで、地面に倒れこんだ。

 仰向けに倒れたまま、息が整うのを待つ。

 すぐに左腕に痛みを感じ、怪我してたのを思い出す。

 呼吸が落ち着いてきたので、「治癒魔法3」で傷を癒す。何回か魔法をかけて、やっと傷が治り、痛みも感じなくなった。

 魔獣達を見てみると、さっきまでの戦闘の影響か、怪我をしている魔獣達が多かった。

 「治癒魔法」で直してやりたいが、俺様も岩モグラの迎撃のために、当たるか当たらないかに関わらず何度も「火魔法3」のファイア・ボールを放っていたため、魔力量が結構減少していたので、こいつらの怪我を治してやることが出来ない。

 動けるようになったら、すぐにここを離れよう。

 ここカイデン領は、俺様にとって忘れることの出来ない、苦い思い出の地になりそうだ。

 先程のは単なる洞窟ではなく、未発見の迷宮なのかもしれない。俺様が敵わないような魔物共が出るのだから、そうに違いない。

 だとすれば、領内を管理できていないカイデン領の奴らの所為で、俺様が大変な被害に遭ったことになる。

 この恨みは、カイデン領の者共に、必ず返してやる。

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